三者三葉 #03「メイドの味がした」立場が変わっても変わらず向けられる思いがある。
何だかんだで葉子様は周りの人に愛されていますな。
初めてのアルバイト先の店長は西川家の元メイド。山路とは別のベクトルで変わり者な薗部篠の登場回。西川家に元々務めていた人は変人揃いであることを痛感しつつ、今回は元お嬢でもある葉子様の初めてのアルバイト回でもあるんだけど、どちらかというと元使用人側の目線で見ている描写の方が印象に残る回でもありました。山路と篠自体が濃すぎるキャラというのもあるんだけど。
数奇な巡り合わせと言えばそれまでだが、人との縁とはまこと不思議なもので思わぬ形で人と人とを再度結びつける。元雇用主の娘と従業員。契約と金銭で繋がれた関係。篠の言葉を借りれば使う側と使われる側の関係。でも雇用主と従業員という枠を飛び越えて、そこには個々人同士に向ける感情と関係性がある。そしてそれは西川家が没落し立場が逆転してしまった今でも変わることはないのです。
山路が葉子様を個人的に大切に思って今も見守っているのが嘘ではないということが冒頭シーンで改めて描かれていましたが、まぁ彼はいいのです。もうみんな知ってることなので(笑)ただ山路の行動は契約とか立場に捉われない彼の個人的な感情に基づく行動であり、それを意識させられることで元々彼と近い立場にあった篠が、今の葉子様を見る視線の先に何を考えているのかにより思いを馳せられる。
メイド時代から篠が葉子を雇用主の娘という立場を超えた思いを抱き、大切に思っていたであろうことは、手紙を受け渡した回想シーンからも窺える。そして何かと理由を付けて学校に潜入し、今現在の葉子様の実態を直接確認しに来たのも、その個人的な思いが今と昔で何らも変わっていないことの表れで。互いに相容れぬところがあり反目しあうこともある篠と山路は、この点において共通している。
見た目に反して三十路前半という篠にしても、二十代で今はフリーターをやってる山路にしても、葉子様とは少し年代が離れた存在。故に使用人時代の彼らが葉子様に向けていた感情は、雇用先のお嬢様でもあるけど、それ以上に娘や妹といった自分の家族に向けるそれに近しいものがあったのではないかなと。だから雇用契約がなくなり便宜上の立場も変わった今でもそれが揺らぐことはない。
初回の山路と同様、葉子様に双葉と照という友達が出来たことに大層驚いていた篠でしたが、お嬢様時代のアレな葉子様と今の葉子様の両方を知っている上で、それでも変わらずに接してくれる山路と篠だから彼らが葉子様に向ける思いが本物であることを実感させてくれます。そしてそれは双葉と照の二人にも言えることなのかもしれません。
厳密に言えば彼女らはお嬢様時代の葉子様を深くは知らないわけだけど、仮に葉子様がお嬢様のままであったとしても、葉子様が今と同様に友達を欲していたのであれば双葉と照は葉子様のことを好きになっていたのではないかと思います。貧乏が板に付いてきた今でも本質的に葉子様はお嬢の一面が抜けきらないし、そんな葉子様を二人は好きになったのだから。
お嬢様であろうと貧乏であろうと葉子様は葉子様。そしてそんな葉子様を好きでいてくれる人が周りには少なからず居るんだよ的なことを感じられるお話だったのではないかと思いました。クラスでは相変わらずぼっちだけど、好きでいてくれる人もいるのです!元使用人側が元雇用主側に向ける立場を超えた愛情、庶民が元お嬢に向ける立場を超えた友情。個人が個人に向ける立場に捉われない愛情や友情はかくも素敵なものだ。
双葉さん的にはメイド姿の葉子様を所望しておられたし、双葉と照の妄想内ではツンツンウェイトレスな葉子様でしたが、男装の麗人を彷彿とさせる「秘密の花園」の制服もこれはこれで。ゴミのように見下されるのも良いんだけど、これも良い!特別ポニテ属性というわけではないけど、長髪キャラの髪形の変化ってそれだけでズルいと思うの。
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葉子にもいろいろと想ってくれる人がいてよかったですなあ。
しかし、あのロリメイドさんが三十路とは・・・。
あとは同じクラスで友達ができればいいんですが。
ツンデレ喫茶・・・意外と葉子様に似合いそうだ(笑)