魔法つかいプリキュア! #20「ドタバタでヤバスギ!魔法界に生まれたエメラルド!」かつて同じ志を抱き共に道を歩みながらも分かたれた二人。
今思いを同じくするプリキュアを交え全てが交錯する。



明かされたドクロクシーの秘密と優秀な二人の魔法つかいの因縁。かつては志を同じくし同じ道を歩もうとしていた二人が、長い時を経て真逆の立場となって再会を果たし、両陣営のトップとして絶対的な力を行使し激突する流れが王道ながら熱くて滾る。自分たちの時代に生まれた負債を後進に一方的に押しつけるのではなく、自分で何とかしようと最前線に立って戦う校長の姿が何とも頼もしく格好いい。
いずれ訪れると予知された大きな災いを何とかするために、伝説のエメラルドとそれに匹敵する力を求めた校長とクシィ。しかしリンクルストーンの手がかりはまるで得られず、後のドクロクシーたるクシィはそれに替わる力として禁断の闇の魔法に傾倒し、力への渇望へと飲まれていく。かつて校長と同じくしたはずの願いは、自分のためだけに力を欲する利己的で独善的なものへと変質した。
一方で校長はかつての志そのままに、皆を大いなる災いから守るために力を研ぎ澄まし、来たるべき今日のために温存したがために、普段は魔法の使用を封じての生活を余儀なくされることになった。魔法界で生きていく上で決して楽ではなかっただろう選択。それでもその道を選んだところからも校長の決意と覚悟が並々ならぬものであることが窺い知れる。
かつて同じ志を抱き同じ道を歩んでいたはずの二人が、しかし今は対極に位置している。そして両者の力に対するスタンスもまた対極に位置しているのが面白い。光と闇の魔法つかいの対立は、即ち双方の力に対する本質の違いそのものでもあるのですよね。自分の為に力を追い求め戦うドクロクシーと誰かを守るために戦う校長。だからドクロクシーは最後まで自分の力で戦いきる。
そして大切な人を守る為に戦ってきた校長の思いは、彼が育ててきた後進に委ねられるのです。かつての校長とクシィのように、同じ思いを抱き大切な誰かを守るために力に覚醒したプリキュア。それはかつてクシィが追い求めた力の体現とも言えると思います。その彼女らが変質してしまった今のドクロクシーの前に立ちふさがるという構図もまた面白く激アツじゃないかと。
今回はプリキュア以上に校長とドクロクシーが目立ちまくりな回でしたけどそれも当然。全ての発端と力に対する在り方の変容。自分の為だけに力を追い求めるドクロクシーはどこまで行っても自分の中だけで完結してしまう。でも他の皆を守るために戦おうとする校長の思いは、それ故に他の者たちへと受け継がれていく。だから今回は全ての始まりである校長とドクロクシーが中心。
自分の為だけに力を追い求め、遂にエメラルドの力を取り込んだドクロクシー。それを止めるのは同じく大切な人を守るために戦う校長の思いを受け継いだプリキュア。かつて校長とクシィが求めた危機を回避する抑止力を体現する二人。だから彼女たちの本格的な衝突は次回なのです。何にしても校長が格好良すぎて言葉もない。老いた姿ですら格好いい。校長が皆から信頼され尊敬される理由がよく分かる回でありました。


そんな感じで本編は凄いシリアス展開に突入してるけど、それでも冒頭に和むシーンを入れてくれたりして緩急を付けることで、全体を通して見るとバランス良く引き締まったかなという印象を受ける。どシリアス真っ最中なのに普段のノリそのままで乱入してきたみらいとリコ、モフルンが面白すぎた。人はあまりに予期せぬ事態に突然遭遇すると見なかったことにしてしまうものなのですね。一度は引き返しましたし(笑)
ただ「どこでも扉」で二人と縁深く思い出の地を巡る序盤の流れは、何気に終盤の学ぶことの大切さの話に繋がっていたような気もしなくもない。

本編の流れとは全然関係ないんだけど魔法つかいでも素手で崖を登るんだなぁ。このときは校長もまだ力を封印していなかっただろうに。いざというとき頼りになるのはやっぱり己の肉体と物理力。体力って本当に全ての基本。
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