三者三葉 #12「もうパンの耳は卒業しますわ」今の葉子様が自分らしくいられる居場所。
双葉と照と一緒にいる時が今は一番楽しく幸せ。



薗部の愉快な妄想夢オチエピソードがあったり、お嬢様時代の葉子様を知る旧友との再会があったり、女子力を求めてお淑やかに振る舞おうとする双葉が居たりと、普段とは一風変わった登場人物たちの姿があちこちに見受けられて純粋に見ているだけで面白い。ただあえて今回のテーマみたいのものを挙げるとするなら、自分らしさとは何なのかということなのかなと思います。
違う自分になるって面白そうとは今回の照の発言。その言葉を象徴するように普段と異なる髪型に変えたりする葉子様がいるんだけど、双葉に似合わないと一蹴されたようにやっぱり何かが違っている。普段と違うことをするのは確かに楽しいかもしれないけど、それが無理に取り繕うようなものであれば、やっぱり違和感しかないし楽しくはないものです。
生きている以上、人はその時々で少しずつ変わっていく。環境や交友関係の変化に影響されて変わっていく。でもそれは日々の生活の中で少しずつ、本人も意識しないくらいの微細な変化。その積み重ねがあって気がついた時に大きな変化になっているのではないかと思います。無理して変わろうとするのではなく自然体でいるのが一番輝いて生き生きとして見えるのもそういうことで。
図らずもお嬢様時代の自分を知る旧友の刑部聖と再会した葉子様は、昔と比べ変わっていた自分の姿に改めて気がつく。出来ることなら見られたくなかったとも思っている。でも「以前の私には戻れないし、今の私が私」と胸を張って答える葉子様は、とても自然体で生き生きとしているように見えます。そしてそれは双葉や照と一緒に過ごす今の日常あってこそのものなのでしょう。
今の葉子様にとって自然体で楽しくいられる環境と、それが葉子様にとってどれだけ楽しいものなのかを実感出来る良いお話でした。これからもきっと双葉や照たちと暮らす日々の中で葉子様は変わっていく。葉子様に限らず周りにいるみんなも少しずつ影響を与えあって変わっていくのだろう。でもそれは緩やかなものであって劇的なものではないはずです。
西川家の没落みたいな事件は生涯に一度あるかないかというレベルの出来事でしょうし(笑)それが証拠に葉子様の父親が働き口を世話してもらっても、葉子様は急には変わりません。少し贅沢なソース焼きそばよりも、パンの耳の方が性に合うし、食べ物を貰って喜んでしまいます。でもそれが今の葉子様の自然体であり、彼女が最も自分らしくいられる生き方なのではないかなと思ったのであります。
双葉や照と友達になって今の葉子様がいる。だから三人で一緒に居るときが一番楽しいし無理なく自然体のままでいられる。それで日々を楽しく過ごせるのなら、それに勝る幸せもない。時に弄られ拗ねちゃうことがあってもやっぱり楽しい。最後の葉子様の眩しすぎる笑顔が全てを物語っていた。一緒に居るのが当たり前で楽しいと思えちゃう。三葉の今の自分らしい生き方を実感出来る素敵な最終回でした。


ということで毎度のことながら終わってみればあっという間。OPの歌詞にもあるけど「ちょっと変わったナナメ上の日常譚」を存分に堪能出来る作品だったのではないかと思います。初回の感想でも書いたけど本作のアニメ化に至までの経緯もあって、日常系なんだけど一風変わったテイストがある。劇的な目新しさはないかもしれないが、ちょっとした変化球が効いていて見ていて不思議と飽きはきませんでした。
あと個人的には山路の存在が大きかったなぁ。人によっては日常系に男性キャラいらんって人もいるかもしれないけど、少なくとも自分は彼がいたからより本作を楽しんで見られていた面はあったかな。葉子様の魅力を更に引き出す影の功労者でもあったと思います。そういう意味では薗部の存在も大きいんだけど。サブキャラ勢の中でも存在感抜群の彼等には改めて拍手を送りたい。
ともあれ当初自分が期待したように可愛い女の子達の「普通の?一般的な?スクールライフ♪」を楽しむことが出来ました。最後まで三葉の三人に焦点を当てて丁寧に見せてくれたアニメスタッフの皆様に感謝を。みでしと合わせていつか続きが見られる日が来るといいなぁ。
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園部の変な夢はすぐに夢だとわかりました(笑)
三葉が一緒にいて楽しいと思えればそれでいいですよね。
無理して変わる必要はありません。
この作品なかなかよかったと思います。
ちょっと変わったスクールライフ満喫させていただきました
パート2あるといいですね。