ラブライブ!サンシャイン!! #03「ファーストステップ」今は礎を築き上げた先人と多くの人の協力があって踏み出せた第一歩。
いつか支えて貰った分をお返し出来るようなスクールアイドルになって欲しい。



新生スクールアイドルAqoursデビューライブ回。生徒兼理事長という変化球で来た鞠莉の提案を受け入れ実現した今回のライブ。ライブで使用する楽曲、衣装、振り付けや宣伝に至るまでの全てを自分たちで行い、途中様々な苦労がありながらも何とか実現までこぎ着ける流れは、自分が言うまでもなくみんな知ってることだろうけど、前作1期3話のμ'sデビューライブ回を踏襲した構成です。
それだけに開園時に幕が上がる瞬間なんかは、あの時の悪夢の再来が頭をよぎり、どうしてもドキドキさせられてしまうのだが、結果的に目標人数には及ばずとも、少なからず見に来てくれている人たちが、最初からいるわけです。ここからが前作との差別化が図られていたところかなと思います。多少のガッカリ感を覗かせつつ、それでも千歌たちAqoursは順当な滑り出しを見せる。
しかしそんな彼女らも途中で停電トラブルに見舞われ、途中で中断を余儀なくされる。ここで再度スタートしようとしながら、しかし一度心が挫けそうになる。中途半端が嫌いと評される千歌でさえ折れかける。世の中そんなに甘くない!とは誰も居ない講堂を眺めた際の穂乃果の台詞。振り返ってみるとμ'sは出鼻を挫かれ、始める前に一度心が折れかけていました。この差が両者の立場の違いを感じさせてくれる気がします。
μ'sは本当に開拓者のような存在です。何もないところから自分たちの力で道を切り拓いて進んでいった。だから躓くのも最初のところ。対するAqoursは憧れのμ'sを参考にして追っている節が所々で見受けられる。最初は駄目でも成功に至った先駆者の存在と辿った経緯を知っている。だから出だしは順調だけど躓くのは少し進んだ中盤のところなのかなと思えます。
ライブを終えて一応の成功を納めたAqoursに、ダイヤ会長はこんなことを言いました。「これは今までのスクールアイドルの努力と、町の人たちの善意があっての成功だ」と。確かにその側面は否定できない事実なのでしょう。何の実績もない駆け出しの彼女たちが、校外の人に少なからず興味を持ってもらえるのは、スクールアイドルがある程度大衆に認知され、受け入れられている背景があるからです。
そしてそれはA-RISEやμ'sを始めとした偉大な先達の頑張りあってこそ。彼女らが築き上げてきたその土台に、Aqoursは乗っかっただけというのがダイヤの言い分なのだろう。ライブを行う決意を固めたのも、理事長である鞠莉の提案に乗った形で、ここでもAqoursはお膳立てをされていたと言えると思います。本当に色々な人や世界観の背景に支えられた上での成功なのですよね。
でも例え土台があろうがお膳立てがあろうがね。千歌たちが自分の意思で動こうとしなければ、それらは何も作用してくれないのも事実です。自分たちだけの力で成功したわけではない。それは他でもない彼女たち自身が一番分かっている。それでも見ているだけじゃ何も始まらない。あの日感じた衝動そのままに。憧れのμ'sのように今この瞬間に輝くために。そのために彼女たちはステージの上に立っている。
会場を埋め尽くすほどの人が集まったのは、土台と善意も手伝ってのことかもしれない。でもAqoursの一生懸命な姿と思いに共感して訪れた人だっていたはずです。そして千歌の言葉を受けて巻き起こった拍手は、間違いなくAqoursに心を揺さぶられた人たちから彼女らに贈られたもの。少なくともあの瞬間、会場にいる観客の心を掴み、それを引き出したのはμ'sでも善意でもない。スクールアイドルAqoursの魅力なのだと思えた。
例え失敗したとしてもμ'sのように廃校に直結するような危機的状況ではない。ただそんな中でもμ'sとAqoursの置かれた境遇の違いを見せつつ、口先だけではない決して諦めない穂乃果と千歌の共通性も見出せる回だったかなと思います。今は支えられることの方が多いAqours。いつかそんな人たちの支えに報いることの出来る存在になって欲しい。そんなことを思ったAqoursのファーストステップ回なのでした。


受け継がれる神モブの系譜。今作でも神モブは健在なのですね!前作のヒデコ、フミコ、ミカが「ひふみ」であったのに対し、サンシャインではよしみ、いつき、むつと「よいつむ」。数字の数えで続いているのですなぁ。これ地味に感動しました。縁の下からAqoursを支える存在としてこれからも頑張って欲しい。影ながら応援しているのです。
しかし今回に関してはその三人よりも突発的トラブルに際し、一人だけ冷静に動いて小型発電機を見事に使いこなして見せたダイヤ様の方がインパクトあったかも(笑)不本意な形でライブを終わらせることは、スクールアイドルをこよなく愛する一ファンとして見過ごせない。優しさと厳しさを併せ持つダイヤ会長が素敵です。
しかしこのダイヤ様や神モブをして開始時間を間違えていたことに誰一人として気付かなかったのだろうか。いや、それだけ緊張感あって始まったステージにみんな注目していたってことなんだろう。何しろみんな初めてのことなので。色々なことに慣れて覚えていくのはこれからですね、これから!

練習を率先して率いて宣伝においても誰よりも高い順応性を見せる。ことりと海未の良いところ取りをした超絶ハイスペック持ちの曜ちゃんの活躍も光っていた。ミナリンスキーさんもびっくりのスキルと人気の高さ。千歌の良き理解者としての立ち位置を確立しているけど、そんな彼女にも遠からず試練が訪れるのかなぁ。そんな彼女がぶつかる壁は、他の誰よりも高い壁になるのではないだろうか。
今はAqoursの屋台骨としてみんなを支えている感じもする曜ちゃん。その彼女を成長した千歌たちが今度は支える。お返しをするという流れになるのなら、今回の話の趣旨と合致しそうで良い感じじゃないかな。
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