NEW GAME! #03「遅刻したらどうなるんだろう」厳しさは期待の裏返しでもある。
仕事を通して芽生えていく本当のプロ意識。



入社から早一ヶ月が経ち環境にも慣れてきた青葉が見せた気の揺るみ。というよりも今回は一社会人として、またその道のプロとして現場に携わる青葉の意識に焦点が当てられていた回だったのかなと思います。初めての遅刻にしても、初めてのキャラクター製作でリテイクを言い渡された時の青葉の反応にしても、新人である青葉のプロとしての意識の希薄さを表していたシーンであったように感じます。
学生時代であれば一度の寝坊くらいなら笑って許されるかもしれない。趣味の範疇なら自分が良いと思えるのなら、その出来映えで完成としても良いのかも知れない。でも今はもうそれではいけない。お金を貰って仕事を遂行するプロのそれではないわけです。だから「それが物を作ってお金を貰うってことよね」という、りんの台詞が凄く味わい深くて心に染みこんできます。
今回は青葉が失敗や困難に直面する中で、今の自分が携わる仕事の意義を本当の意味で見出し、実感していく流れが素敵だったと思います。甘い面もありながらプロとしての厳しさと意識の高さを併せ持つコウとのやり取り。簡単には妥協を許してもらえないリテイクの繰り返し。でもそれは全てコウが青葉に寄せている期待の裏返しでもある。だから簡単には良しとしない。
青葉も前向きかつ頑張り屋。しかしどれだけ気合いを入れて頑張ろうとしても、否定されてばかりでは気が滅入るし、自分がやっていることが正しいのかも分からなくなる。虚しさを覚えてしまうかもしれない。やっぱり認めてもらう。肯定されることってとても大事なことだと思います。それが必死に取り組んでいることであればあるほど、認めてもらえたときの達成感や充足感も格別なものになるからです。
今回は先輩であるコウとりん、友人であるねねっちの役割分担と立ち回りも絶妙だったかなと思います。飴と鞭の部分はコウとりんが担当し、外の視点から大切なことに気づかせてくれるねねっちがいる。りんからコウの真意を聞いた時の高揚感、コウ本人から認められた時の達成感。ねねっちとの会話で大切なことに気づけた気持ち。全て青葉が苦労して向き合った今だから感じられるもの。
最初は青葉自身が軽く考えていた自分が作っている端役の村人。でもユーザー側であったときの青葉やねねっちのように、その端役に思いを馳せてキャラ背景を語り合う人たちもいる。見た人に何かを訴えかけてゲームを通して共通の話題や楽しさを提供する大切な要因。そんなキャラクターを青葉は作っていたのです。そのことに気がつくことが出来たのですよね。
実際にプロの製作現場に携わり、何度もリテイクを喰らって苦労を重ねた今だからこそ、主要キャラではないキャラに至るまで徹底して込められたクリエイター側の魂を感じられる。そして今の自分がやっている仕事の重みを実感することが出来るのだと思います。その道のプロとして仕事するとはどういうことなのか。その本当の意味を知ったと言えるのではないでしょうか。
だから翌日の早朝出勤は、当初よりもまた一歩一人前に近づいた青葉の仕切り直しの朝。コウが認めて喜んだのは、完成したキャラクターの出来映えもさることながら、それで慢心せず更に先を見ている青葉の心構えとプロ意識の芽生えを感じ取ったからではないかなと。誰でもやってしまう失敗や苦労の経験談から、順を追って大切なことに気がついていく話運びの丁寧さが光っていたと思います。
失敗や躓きは誰にでもある。だって人間だから最初から完璧な人なんてそんなにはいない。まして高卒新人の青葉だもん。でも大切なのはそこから何を感じ取り、自分の中に取り込んで前へと進んでいくかではないかと。頼りがいのある先輩たちだってそうやって一歩ずつ進んでいったから今の姿があるのです。大切なことを知った今の青葉だから、自分以上の仕事をこなすコウの後ろ姿を見て感じ取れるものが確かにある。
もずくちゃんのように甘やかされるだけでは独り立ちするのは難しい。でも失敗を反省し、そこから何かを得ながら前を向いてひたむきに頑張れる青葉ならきっと大丈夫。青葉が当初なりたがっていた立派で一人前の社会人。それに少し近づけたのではないだろうか。ひたむきに前向きに頑張る若者の姿は輝いていて眩しいね。はたらくって青春だ!


今回は後輩に恥ずかしいところを見られたくないというか。先輩としての矜持を気にするような先輩たちの姿が見られて楽しい。遅刻しそうなのに青葉が自分と同じように運動が苦手であることを打ち明けるまで、早々に諦めようとしてたゆんさんとかね。変な走り方とか出来ることなら見られたくない気持ちも分かるけど、結果的に青葉の方が想像以上にアレだった(笑)
事情を聞く前に後輩たちを叱ろうとして落ち込むコウさんも印象深い。まぁしかし寝坊して遅刻は正直自覚が足りないと怒られても無理ないと思う。そもそも寝坊しなければ全力疾走して転倒なんて事態にはならないわけだし。初めてとはいえ大目に見て帳消しにしてくれるコウさんは優しすぎるくらいだと思う。そこは職場によりけりなのかもしれないけど。
しかし生身の人間である以上こういう失敗は誰にでも起こり得る。だからこそ本当に大事なことは、この件をしっかりと反省して同じ過ちを繰り返さないよう務めることなのでしょう。本当にイーグルジャンプの先輩は、良い人しかいなくて心底羨ましいぞい!



寝坊した青葉やゆんと違って、朝ご飯が美味しかったから時間掛かって遅刻しそうになっていた我らのひふみ先輩。正式な書類である遅刻届にまで顔文字を使用するひふみクオリティが、何気に一番酷かったような気がする(笑)朝から気苦労が絶えない上司のコウさんなのでした。今回は逆にコウさん視点から見てみても面白いかもしれませんね。
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僕は電車が遅れて遅刻したことならありますが気の緩みから遅刻したことはありませんね。
村人一人作るのにも何回もリテイクをもらって大変でしたね。
青葉もこうやって社畜化していくんですね。僕はしませんけど(ぇ)