あまんちゅ! #04「わくわくと諦める心のコト」てこの中でまた一つ新しい景色が見えた瞬間。
いつかお互いに支え合える本物のバディになって欲しい。



遂に始まるてこのダイビングライフ。全てが上手く回り始めるかと思いきや、そう簡単にいかないのが繊細でちょっぴり臆病な心を持つてこらしい。浮き沈みの激しさというか高低差というか。てこの心の振れ幅がダイビングそのものに通じているようにすら思えちゃう。今回は前半のダイビング見学において、今までとは異なり前向きにワクワクを見つけようとしているてこの姿が印象深い。
覚えることは多くても、自分の知らないことを見聞きしただけでワクワクを抑えきれない。自分と違ってハッキリした将来の目標を持ち、ずっと前を歩いているぴかりに意識的に並ぼうとする姿や、ダイビングのために海に向かう面々を羨望の眼差しで見つめる姿。実際に目の前で楽しそうにしているてこ達や伝え聞いた話。楽しい世界が無限に広がっている大海に目を向けられるようになったことが、てこが前向きに世界を捉えようとしている証でもあります。
でも実際は知らないから楽しめることも世の中にはある。未知だから想像を無限に広げることが出来る。それでワクワクしてしまうこともままあるのですよね。実際に今回のてこは、伝聞の話と楽しそうなぴかり達の姿を見て、ダイビングは楽しいものなんだと想像を働かせることで、気分を高揚させています。視界が殆ど効かないのに楽しいと話すぴかり達の姿は、その代表的な例だと思います。
だから実際にやってみると「あれ?これ何か思っていたのと違う」と感じることがある。想像で補填することで定義づけを行い期待感を高めているだけに、自ら体験して現実を知ると想像との乖離に戸惑ってしまう。その差が大きければ大きいほど、期待が一転して違和感となって襲いかかり空虚な感覚が心を満たしてしまう。前向きな姿が前半で意識付けられただけに、現実を知って戸惑うてこの心の落差が効くなぁ。
端から見ているのと自分が実際にやるのとでは何もかもが大きく違っている。見学時には気づけなかったダイビング用具一式の重量や、水の中で絶え間なく発生するトラブル。見えていたようで見えなかったものが、実際にやることで見えてくる。知ることで怖くなってしまう。でも実際のところを知り、怖さを知ったからこそ、その先にある楽しみを見つけることだって出来るのです。
今までは何かをやる前から諦めていた。やならきゃ何も出来ないというぴかりの言葉は、だからてこに胸に大きく響いたのだろう。今ここで諦めたら結局は何も変わらない。でもやっぱり未知のものは怖いし、初めてのことだって怖い。一人きりなら尚更だ。でも自分の知らないことを知っていて、手を引いて共に歩んでくれる人がいたら、その怖さも乗り越えていくことが出来る。
何事もやる前から諦めて一人の世界に閉じこもっていたてこだから、ぴかりと一緒に一つのことを乗り越えたときに見せる喜びの顔が眩しい。例えそれがどんなに些細で小さなものであっても、出来なかったことが出来るようになる喜びや、仲間と何かを成し遂げる達成感は、実際にやってみなければ得られない尊いものだから。勇気を持ってやろうとしたてこだから得られたものなんだって思える。
出来たことを自分のことのように喜んでくれるぴかりだから、てこもぴかりと一緒ならと思える。自分の全てを託せる相手、即ちバディ。その必要性をダイビング時のみならず、てこの心理面に絡めることで、更に重要性の増すものとして描いていたのが素敵でした。
今が海にとって生命の始まる季節なら、さながらてこにとっては生まれ変わった新しい自分の全てが始まった季節。プールとはいえ最深部から水面を見た景色は、てこが今まで知らなかったものを知ったことを示す象徴的風景。諦めずにやったから見ることが出来た新しい世界。今回も繊細なてこの心理面の機微に溢れる回だったと思いました。
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