ラブライブ!サンシャイン!! #06「PVを作ろう」この場所から全てを始めよう!
この町と学校ならではの良さがきっとある。



学校間の統廃合によってかつての音ノ木坂と同様に廃校の危機に瀕していることが判明した浦の星女学院。ここまで前作と重ねてくるのだなと思いつつ、しかしμ'sをトレースしている千歌にとっては渡りに船というか一つの大きな転機でもあるのだと思い直しました。スクールアイドル部を結成したはいいものの、今の彼女らには明確に目指すものがない。μ'sを強く意識しているのはあくまで千歌個人の話で。
ランキングを上げてラブライブ出場というのも、かつてμ'sが辿った軌跡だから踏襲しているに過ぎない。発起人である千歌が示す目標ではあるけど、全体が一丸となって目指す目標ではなかったというか。だから浦の星が廃校になるかもという将来的な可能性が示唆されることで、千歌だけでなくAqours全員が当事者として今まで以上にスクールアイドルである自分と、自分たちの学校や町に真剣に向き合うことになる。
そして向き合うことで気付いていく。何もないと思っていた自分や自分の暮らしている地元の良さ。その中に確かに自分たちならではの特色や魅力があるのだということを。特別大きな出来事が起こらない今のこの時間がとても大切で尊いものであることを。何よりも自分たちが通っている浦の星女学院ことをとても好きなことを。向き合おうとしたから初めてそれらのことに気がつくことが出来る。
PVを作って大々的な宣伝を行う。そして魅力を発信するためには自分自身のことや、自分たちが日々生活している学校や町のことを本当の意味で知っていなければ、他者へとそれを伝達することは到底叶わない。今まで変わらずに在ったものだけど、向き合おうとしたから見えたもの。そして見えたものはそれだけではなく。複雑な過去の事情を伺わせる三年生組の事情にしてもそれは言えるのかもしれません。
学校にいるダイヤや鞠莉が抱える事情は前からあって、それが千歌たちの目にも見える形となって表われ始めたのは、千歌たちが自分の学校の魅力や将来的な先行きに目を向け始めたからなのかもしれない。そういうのを全てひっくるめて、千歌たちが色々な物事と向き合って気付き始めることが出来た回だったのかなと思ったりしました。
自分たちのことはなかなか自分たちじゃ分からないし、それが長ければ長いほど、また当たり前であれば当たり前であるほど気付きにくくもなるもの。その点で外から来た梨子だから果たせた役回りもあって、そこも良かったなぁ。当初からμ'sを追っていることを公言していた千歌にしても、そこに至るまでの原動力をこれで得ることが出来たのではないかと。
μ'sを追いかけるための道筋はあった。でも千歌は目標はあっても原動力になるものが欠けていた。μ'sだって当初はラブライブに出るために結成したのではなく、廃校危機を乗り越えるための宣伝を行うために結成されたユニット。ラブライブはその先にあったもので。だから嬉しいんだと思います。自分たちに何もなかったわけではなく、そして今また憧れのμ'sと同じ道を歩める確信があるから。
この場所から始めようというのは、Aqoursの活動方針や原動力がかつてのμ'sと重なったことの表れ。どこまでも追いかけるという千歌の台詞は、全ての意味で正しく後を追いかけることが出来るようになった喜び。千歌だけじゃなく全員にとっての始まりの場所。全員が一丸となって同じ方向を向いた瞬間。だからきっとこれがAqoursの本当の始まりなんじゃないかと。そう思えた回でした。



少しずつ見えてきた三年生組の過去。理事長である鞠莉が千歌たちを後押ししてくれたのもこういう事情があったからなんですね。かつて今の千歌たちと同じようにスクールアイドルとして活動していたと思しき描写。その中でもやはり休学している果南が、彼女たち三年生組の事情の中心にいそうで。本当のところで思いは同じで向いている方向も同じはずなのに、今は共に歩めない彼女たちの現状が切ない。
千歌たちとは別のやり方で学校を救おうとするダイヤ会長なんかも、ステージ上で舞う姿を見るとやはりスクールアイドルへの未練を断ち切れていないのが感じられてもう。姉を気遣うルビィちゃんも見てて辛い。各学年の中でもとりわけ苦しく辛い経験をしているのが察せられるだけに、早く自分の思いに素直に行動して再び同じ道を歩める日が来るといいなと思わずにはいられない。救いをくだされ~。
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