ラブライブ!サンシャイン!! #08「くやしくないの?」現実を知り受け止めそれでも前を向いて歩み続ける。
何かがあるかもしれないから歩みは止められない。



Aqoursに突きつけられたスクールアイドル界の現状と立ち位置。待ち受けていたのはやっぱり厳しい現実で、世の中そんなに甘くない展開だったけど、思っていたより重苦しくならなかったのは、感じている悔しさを溜め込んで表に出そうとしなかった千歌と、その彼女を気遣っていた仲間達の行動があったからだと思います。
だから最後に千歌が素直に心情を吐露するシーンや、千歌のデリケートな部分にメンバーで唯一触れようとする曜の葛藤する姿が光るのだけど、今回はサブタイにもあるように「悔しさ」を軸に各サイドの物語が展開されていたと思います。それはAqoursだけに留まらずSaint Snowにも言えることだし、過去の経緯が明かされた3年生組にしても言えるのではないかと思う。
悔しくて泣くのは、それだけ真剣にその物事に対して取り組んできたことの証。自分たちが積み上げてきたものが通用しなくて、それでも諦めきれないからこそ出してしまう反応。だからラブライブをバカにするなと憤った理亞の反応も、それだけスクールアイドルとして真摯に取り組んでいたことの表れだと思います。面白いのはAqoursもSaint Snowもこの点に関して同じではないかというところ。
出場組中で最下位。得票数もゼロ。にも関わらず今までで最高のパフォーマンスと言い、ライブ後に東京巡りをしていたことも相まって、理亞は真剣さを感じられずに憤ったのだと思うけど、それも無理からぬことだよね。千歌は皆に余計な心配を掛けまいと本心を隠していたし、出会ったばかりの彼女らにそれを察しろというのも難しい。Aqoursの他メンバーが千歌に向ける"善意"も彼女らにはないのだから。
ともあれ梨子の前で悔しさを露わにした千歌の台詞にあったとおり、彼女が何よりも悔しいと感じたのは、周りのアイドルとの実力差や、昔とは違うスクールアイドル界の現状。全体的なレベルの向上があるから通じないといったものに対してはない。自分たちが仲間と共に積み上げてきたと思っていたものが、対外的に見られたときに何もなくてゼロだったという事実。それをして千歌は悔しいと言っている。
そう思うとAqoursもSaint Snowも似たもの同士で、やっぱりライバル関係と言える間柄にあるのかなと思えます。Saint Snowが入賞にギリギリ届かないラインなのも、未だ何も見えないと言う千歌たちにとって遠すぎず近すぎず、でも今のAqoursよりは確かな実力を備え彼女たちよりも前を歩む存在に留めるためだったのかもしれない。これは精一杯の好意的解釈だけど(笑)
ただ悔しさを感じるというのは、上述したようにこれまでの積み重ねが崩れるから感じるものでもあるけど、この先を見ようとしているからこそ感じるものでもあると思う。千歌たちと異なり様々な事情が重なって「仕方ない」と諦めてしまったのがダイヤ達で、悔しさよりも虚無感のようなものに捕らわれてしまったのが今の3年生組なのではないでしょうか。
だからきっと悔しいと思える間は大丈夫。本当の本当に諦めてしまったら、そもそも悔しさなど感じなくなってしまうのだから。千歌たちに残酷とも言える現実を突きつけた得票数0の用紙。それを貼り付けて向き合うことは、受け止めそれでも前に進むと覚悟を決めた証。このままスクールアイドルを続けても何も見つけられないかもしれない。でも何かを得られるかもしれない。それはやってみなければ分からない。
悔しさは諦めない気持ちの表れ。百は無理でも一を目指して。再び0から始めるAqours。今度は善意に溢れる地元だけで通用するアイドルではなく、町の外やラブライブでも通用するアイドルを目指して。そこに3年生組がどのようにして加わりどんな化学反応を起こしてくれるのか。そこを楽しみにしつつ更なる躍進を見せてくれたら良いなと思った今回のお話。


他の皆が触れようとしたけど触れられなかった千歌の本心。そこへの干渉を行ったのが同じ2年生組の曜と梨子の2人だったけど、それぞれで役割分担がなされていたのかが印象的でした。千歌が本心を明かす前に彼女の素直な気持ちを察して、それとなく本音を引き出そうと働きかけるのは、千歌と一番付き合いの長い曜ちゃんなのですよね。
部屋の様子を見ても千歌と色々なものを共有して一緒に積み上げてきたのは曜で、スクールアイドルとしての活動に限って見ても一番最初に千歌と行動を共にしてくれたのは彼女。だから積み上げてきたものが0だった事実と向き合う前に心に触れるのは曜の役目。そして素直な気持ちを打ち明け、0から1でも前に進もうとする気持ちを聞くのは、新しく加わった梨子の役目だったのかなと。



2年生組だけでなく、1年生組はヨハネネタにも慣れて花丸だけでなくルビィもあしらい方が上手くなってるし、各学年のキャラ同士ならではの関係性を見けられたのが良かった。3年生は言うに及ばず。かつては参加を渋っていた鞠莉が、今度は他の2人を引っ張ろうとする。諦めず踏み出そうとしているのは鞠莉も同じ。その彼女が何をもたらしてくれるのか期待したい。
1年生や2年生のように、そしてかつてのように笑い合って向き合える日が一日でも早く戻ってきてくれたら良いですなー。それにもし1クールならそろそろ加わらないと終わってしまうズラよ!
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