ラブライブ!サンシャイン!! #10「シャイ煮はじめました」長い間自分を抑えてきたものから解放される安堵と喜び。
全力で弾けるダイヤを始めとした3年生組の躍動は夏の日差しよりも眩しい。



夏といえば海!海といえば水着な約束された水着回。勿論それらも大切な要素で目の保養効果があることに疑いはないのだけど、本作においてスクールアイドルの夏の過ごし方は合宿にありといっても過言ではない。そんなお馴染みの合宿回としての性質が強かった回でもありました。晴れてフルメンバーが揃ったAqoursのドタバタ騒動が面白く、学年を超えて繰り広げられる交流は素直に見ていて面白い。
ここに来ての合宿は当然前作の流れを踏襲している部分もあると思います。μ'sをリスペクトした無茶な練習案の提案。μ'sに比べるとまだAqoursの方が真面目に練習やっていたかもしれないけど、どちらかというと遊びに流れるところ等は、そっくりであるが故に新しく加わったダイヤ達を自然と千歌たちの輪の中に溶け込ませてくれていたような気がします。
先輩禁止みたいな決めごとこそないが、元々付き合いの長い千歌、曜、果南の幼馴染み組。実の姉妹であるダイヤとルビィ等々。学年の壁を越える繋がりの下地は、Aqours結成前から既に築かれていて垣根を感じさせない要因になっていたと思います。ルビィを溺愛するシスコンなダイヤは会長としての彼女のイメージを払拭させるに十分であり、特に決めごとがなくても自然と連帯感が生まれていたのはそのためかなと感じる。
そんな今までにないくらいテンションが高いダイヤたち三年生の姿を見て感じたのが、抑圧やしがらみ、悩みといったものからの解放という点で、これは今回の一つの鍵になっていたように思える。三年生が長い期間を経てそれらから解放され弾けている姿が目を引く一方で、実は当初抱えていた悩みをずっと胸の内に留めていた梨子がいるから引き立っていたと思う。
Aqoursが好きで今の自分の居場所という梨子の気持ちに嘘はない。でもピアノが好きで大切な気持ちも諦め切れていない。だから千歌は梨子の背中を押すのだと思う。好きな気持ちを諦めない。本当にやりたいと思うことを諦めて欲しくない。それって今までの物語でAqoursの全員がそうしてきたことだから。曜ちゃんに関しては次回かもしれないけど。
千歌や3年生3人はスクールアイドルが好きな自分の気持ちを諦めなかった。花丸とルビィはやってみたいと思う気持ちに嘘をつかず諦めずに一歩を踏み出した。一度は否定され諦めかけた堕天使ヨハネキャラを、しかし善子は後押しされることで持ち直し今まで貫き通してきた。みんな自分の好きな気持ち、やりたいと思う気持ちを諦めなかったから今ここにいる。
そんなメンバーが集まったのがAqoursというスクールアイドルなのだと自分は思います。だから梨子の気持ちを察した千歌の台詞と後押しだったのではないでしょうか。本当にやりたいことや好きな気持ちを貫き通したとき。それこそが梨子が真にAqoursの一員として加わる日なのかもしれない。諦めない気持ち。しがらみや抑圧からの解放。そんなこれまでのお話の全てが凝縮されていた合宿回だったように思えた。
自分の気持ちを察した上で全部を受け止め待っていてくれると宣言した千歌と梨子が完全にキマシタワー状態でニマニマしてしまうのだけど、そんな二人の様子を見て意味深な反応を示した曜は何を思っているのか。ここに来て一番最初に集った2年生組がもう一度試されるという展開。梨子と曜。最初に千歌を後押ししてくれた2人が、千歌同様に好きな気持ちを諦めないで貫いてくれるのならいうことない。



今まで散々我慢させられた分を今こそ取り戻すぜと言わんばかりのダイヤ会長の弾けっぷり、もといやりたい放題ぶりが面白い。むしろこっちが本来の姿で会長としての今までの姿こそが、抑圧されやりたいと思う気持ちに素直に動けなかった姿なんだよね。苦しかった時間が長かった分だけ、大好きな果南と鞠莉と一緒に思いのままに動ける今このときが本当に楽しいんだろうなぁと。
何よりこれまで折に触れて姉を心配する様子を見せていたルビィが本当に嬉しそうなのが微笑ましくて最高じゃない。こういうお姉ちゃんが本当のお姉ちゃんと誰よりも知っているからこそ、今のダイヤの突っ走ってる姿が嬉しいんだろうなぁ。有り体に言いますと黒澤姉妹の仲睦まじい姿は最高じゃないかということで。これも二人が諦めなかったからこそ辿り着いた光景なのだ。



今や伝説となったμ'sの一員である矢澤大先輩は「
これからのアイドルは料理の一つや二つ作れないと生き残れないのよ!」というとても有り難いお言葉を残してくれていたわけですが、それから幾ばくかの歳月が過ぎ去った現在。果たしてにこにー基準でシャイ煮と堕天使の涙は如何様に評価されるのかと気になって仕方がない。
それは置いておくとしても意外と気が合いそうな鞠莉と善子コンビのノリノリ具合が面白かった。曜ちゃんが相変わらず隙のない完璧な姿を発揮していただけに、余計にイロモノコンビとしての印象が強まっていたような気がする(笑)ただ料理の美味しさはともかくネタとして美味しかったのは、鞠莉善子ペアで間違いないのかもしれない。
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