あまんちゅ! #10「今日という一日を迷うコト」迷うこと自体、今をもっと楽しくするためのチャンス。
迷ったられっつらゴー!



ダイビング部の女子部員だけで過ごす休日の一幕。人生でたった一度しか訪れない今日という日を素敵な一日するために、あれこれ迷って動けなくなっている内に過去になっていくと微睡んでいる愛先輩を、予期せず来訪したぴかりとてこが連れ出すという筋書きでしたが、そもそも迷うということは、後のぴかりの台詞にもあるように現状に満足していないという思いの表れ。
一般的に悪いことと捉えられがちな迷い。しかしそれを悪いことではなくむしろ良いことなんだと捉えるぴかりの考え方。基本的に思い立ったら吉日。何事も即断即決で一見すると迷うということに一番無縁に思えるぴかりに、迷うことの意義や楽しさを語らせるというのが面白い。買い物シーンでぴかりは何事も即断即決で迷いとは無縁なキャラという印象が、愛目線で改めて語られるだけに余計にですね。
てこも愛も迷うことを基本的に後ろ向きで駄目なものとして考えている。それは冒頭のシーンや買い物のシーンで触れられていたけど、特にてこは優柔不断で迷ってばかりの自分に自己嫌悪すらしてしまっている。でも何も迷っているのはてこだけではない。自分と同じようにぴかりや愛も悩んでいるということを、他のみんなも同じなんだということを知る。
ぴかりが自分と同じように悩むことがあると知った。そんな彼女の言葉だから、てこだけじゃなくて愛も含めてその言葉が胸の中にスッと入り説得力が伴うものになるのではないかと思う。迷うのは今に満足してないからだけど、迷うこと自体が今をもっと楽しくするためのチャンス。それを実践して充実した毎日を楽しんでいるぴかりを見ているからこそ、迷うのは良いことなんだと自然に思えてしまう。
人生で一度しかない今日という日が素敵に輝くように、明日という未来が楽しくなるように迷うのも悪くない。引っ越してきて何も知らない町や景色。自分の見る世界に満足出来なかったてこは迷い続け、それでも決断して一歩を踏み出したから今とても充実している。
ぴかりと出会った日に迷いながらもれっつらゴーしたてこがいたから、あの日遠かった願いがいつの間にかこんなに近くまで来ている。それも日々迷いながらもその日その日を素敵で輝かしいものにするために楽しく生きてきたからこそ。そんな日々の積み重ねがあったから今ここまでこれたのだと思えます。あの日の願いが手の届くところまできたてこ。それが実現する日は素敵な毎日の中でもきっと格段に特別な日になる。
今回も何かを否定したり一方を切り捨てるのではなく、全てを受け入れた上で悩むことは悪いことではなくむしろ良いことなんだと、考え方や気持ちの持ちようになって変わるものなんだと登場人物の考え方を変化させていくのが良い。それが実にあまんちゅらしい話運びだったのではないかと思いました。


起き抜けに愛ちゃん先輩に踏まれる誠先輩が羨ましい…ではなく自宅での愛の姿が印象深い。誠がぴかりとてこ提案の買い物に同行しなかったせいで、愛は恥ずかしさを逸らす矛先がなくて慌てふためいていたけど、愛にとっては弟の存在が毎日を素敵にするために必要不可欠な存在なのかもしれない。傍若無人な姉に日頃悩まされることの多い誠にしても、愛の存在は毎日を素敵に過ごすためにやはり必要で。
普段いるべき人がいない悩みも毎日を素敵に過ごせるかどうかの大きな要素になり得るのではないかと。姉弟のやり取りを見ていてふと感じたりしたのであります。
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