アイカツスターズ! #23「ツンドラの歌姫、降臨!」神秘のベールで包まれた歌組屈指の実力者。
歩く個性とまで評させる白銀リリィの完全復活!




体が弱く暑い時期は療養のため四ツ星から離れていた白銀リリィの本格的な登場。それに並行してアイドルとしての個性やキャッチコピーを見つけるために、学園の中を奔走していたゆめたちの姿を描く新展開に向けての布石を打っていた回という印象。その中でも特筆すべきはやはり歌組屈指の実力を持つリリィの存在で、今回は彼女のキャラの描き方が面白いなと感じたところです。
ツンドラの歌姫という二つ名が示すとおり、我々視聴者も今回初めて彼女の存在を知った作中のゆめ達にしても、その名前からリリィは神秘的でクールなアイドルなのではという想像を働かせて彼女のイメージ像を形作っている。今回リリィとゆめ達が直接接触することはなかったけど、直接会わないから映像や伝聞の話、妄想で補完することになり、歌姫としてのリリィの神秘性が保たれ強調されることになる。
それはアイドル白銀リリィの一面で間違ってはいない。しかし彼女はそれだけではないのも事実。伝聞や映像だけでは伝わらないリリィのアイドルであるとき以外の一面。直接会って彼女と接している幼馴染みで数少ないリリィの理解者でもあるゆずの視点で見るから、もう一方の等身大のリリィの姿が印象に残ります。それぞれの立場から白銀リリィというキャラの二面性を見せているのが巧みだなと感じる。
その佇まいやポエミーな台詞回しも相まって、リリィをよく知らない人からは神秘的でつかみ所のない人と思われがち。でも名作から引用したポエムっぽい台詞も、よくよく聞いてみると彼女の熱い気持ちが込められた意味のあるものだということが分かるし、見た目に反して一切の妥協や半端は許さず入念な準備が必要で、それが成されるから輝けるという熱い気持ちを持っている。
そう、リリィ様はクールで神秘的な見た目に反して内に熱い気持ちを秘めた人でもある。そういう気持ちを持っているから見ている人を惹きつけ魅了するし、歌組幹部生になるほどの実力を有することも出来る。妥協や中途半端を一切許さず、目の前のことに全力で取り組むところなどは、後輩であるゆめ達と何ら変わらない。リリィもまた日々アイカツに励むアイドルの一人なのですよね。
それを一番理解しているのがゆずで、そんな彼女が仲介役となり、リリィの秘められた一面を引き出すというのが良かった。リリィもゆずが相手だから見せた姿というのがあったと思うし、幼少期と変わらず柔軟に付き合うシーンや、最初は乗り気じゃなかったステージへの出演を思い直すシーンなどは、その筆頭であると思います。ゆずと接しているときのリリエンヌの姿も、白銀リリィ像を形作る一面なのです。
ということで今回はリリィと直接会わないゆめ達から見たリリィ像と、直接会っているゆずから見たリリエンヌ像で、白銀リリィというアイドルを描いていた回だったのかなと思いました。実力は間違いなく本物で、ゆめ達が求める強烈な個性を備えた存在。それだけにリリィの登場はゆめやローラにとっては見過ごせない存在だと思います。
今回はゆめ達の口から改めてS4になる決意が語られ今後の展望が示された回でもあったけど、2学年で幹部生のリリィは、現状で最も次期S4に近いアイドルと言っていい。S4を目指すゆめとローラの前に立ちはだかる大きな壁。そんな彼女と出会ったときに、ゆめとローラは何を感じてどう動くのか。壁を乗り越え夢に手をかけられるのか。そんな妄想が広がるリリィ登場回で新展開がますます楽しみになった!



ツンドラの歌姫リリィの初ステージ!そんな彼女のステージは妖艶な美しさを見せる夜空のそれとはまた別種の美しさで、ありていに言うなら神秘的な美しさを感じさせてくれる。新曲『Dreaming bird』も、これまでのアイカツスターズにはなかった曲調で、リリィならではのステージ演出に華を添えてくれていたように思います。前作で例えるならユリカ様とスミレちゃんの合体ステージみたいな印象。ふつくしい。
一年の一定期間を避暑地で過ごさなければいけないリリィにとっては、その期間はいわば捕らわれた籠の鳥。そんなリリィが思いを込めて歌うからこそのこの歌詞であり、舞台やスペシャルアピールの演出なのかなと思いました。



ゆずとリリィの付き合いの長さから来る特別な関係性が素敵。表向きには神秘的でクール、内には熱いものを秘めているリリィ様だと思ったけど、幼馴染みのゆずと接しているときは、それらとはまた違う茶目っ気のようなものも見せてくれて完璧じゃないかとすら思えてしまう。自分を理解してくれているゆず相手だから見せる顔があって微笑ましく尊さを感じてしまうのです。
そんなリリィ様が実際に復学して他の人と接したときに、どんな表情や一面を見せてくれるのか楽しみでならない。そんな無限の可能性を秘めているリリィ様の魅力に、本格的な初登場回である今回だけですっかりやられてしまった感がある。


今回はどうしてもリリィ中心になってしまったけど、四ツ星学園に伝わる七つのラッキーを探し回っていたゆめ達のことも忘れちゃいけないですね。特に七夕のときは願いは自分の力で叶えるものと言っていた真昼が、ゆめたちと一緒に学園巡りをしている姿が感慨深い。姉とのわだかまりもとけ張り詰めた雰囲気がなくなり、この半年間でゆめたちと打ち解けたのだということを実感出来る。
最後に個性は自分の力で見つけるものと言っていたあたり、真昼の本質が揺らいだとかではないんだけど、上昇志向は変わらず持ちながらも良い意味で柔軟になったというか。それはローラにしても同じかもしれない。劇場版でも感じられたけど、ローラと真昼の相性の良さも窺えて、妥協や中途半端にやることを良しとしない二人の姿勢は、今回のリリィに通じるところがあったのではないかと思います。

一人だけおねむだった小春ちゃんが、とにかく可愛かった。美組のアイドルはこれだから侮れない。
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