ラブライブ!サンシャイン!! #12「はばたきのとき」みんなと一緒に自分たちだけの景色を求めて。
これは0から1を求めて歩み続けるAqoursの物語。



見事ラブライブの予選を突破したAqoursだけど廃校危機は依然として好転しない。μ'sと同じ所まで来たはずなのに同じでない。では自分たちとμ'sの違いはどこにあるのか。何が違っているのか。改めて大元にあるμ'sに目を向けて、その差は何かを模索することで、憧れの存在の本質がどこにあるのかを見極め、遂に自分たちが目指すべき方向性に思い至る。
憧れて追いかけることから始まった。そんな経緯とこれまでの物語があるから、遂にそのレールから自らの意思で外れて、自分たちだけの景色を求めて歩み出そうとする千歌たちの出した答えに万感の思いすら抱けてしまう。きっと当初の彼女たちでは気づくことは出来なかっただろう。μ'sの後を追いかける中で、自分たちはゼロであることを知った今の千歌たちだから至ることの出来た答え。
だからこれまでのお話も決して無駄なものではなく、Aqoursが自分たちならではの目的や方向性を見つけるために必要なものだったんだと思います。誰かの背中を追うのではない。自分たちの気持ちに素直になって自由に何もないところを突き進む。開拓者でもあるμ'sが輝いていた理由と彼女たちの魅力の本質。ひいてはスクールアイドルの本質ってそこにあるのではないかと。勝ち負けや比較は本質に非ずなのですね。
自分の気持ちに正直になって素直に、思いのままに自由に動いて突き進むというのは、これまでの回でAqoursメンバーが加入する際にも描かれていたことで、だからこそ本作で千歌が導き出す結論として相応しい。自分の気持ちに正直に、やりたい気持ちや好きな気持ちを諦めない。図らずも彼女らはμ'sの本質に、スクールアイドルの本質に近づいていたのだと思います。
自分たちの気持ちに嘘をつかずに障害を乗り越え、走り続けてきた今の彼女たちだから大切なことに気がつくことが出来る。μ'sの背中を追いかける道ではなく、自分たちだけの景色を見るための道。そのスタートラインに立つことが出来る。そしてそれこそがμ'sのように輝くために必要なこと。だからそこに思い至るために誰かの干渉があってはならないし、ましてやμ'sの誰かと今会うのは駄目なのよね。
続編ものにおいて前作キャラの直接登場は、場合によっては全てを揺るがしかねない禁じ手にもなり得るものだと個人的には考えていますが、今回神社であの人に会うという千歌の言葉からスピリチュアルなあの方が遂に登場するのかと一瞬思った。でも違うのですよね。守るべき音ノ木坂は守って残ったけど、それ以外のものは残してない。だって皆の夢を叶えるために全力で走り抜けるのがμ'sの凄いところで本質。
穂乃果に似た少女やμ'sメンバーの示唆はあくまで夢の余韻のようなもの。千歌たちに大切なことを気付かせる要因ではあるけど、きっとそれ以上のものでもない。それらの存在を感じながらも違う道を歩む決断を下すから千歌たちの言葉に重みが伴う。だから仮に何らかの形で憧れのμ'sとの接触があるとしても、それはゼロから歩み始めた千歌たちが自分たちならでは何かを見られたそのときではないかと。
そんな風に思えたのであります。さてさて、これで晴れてμ'sの背中を追う路線から独自の道を歩むAqoursが見られるというところで次回最終回。もし約束された続編なんてものがあるとするなら、ここまでの話はAqoursの下地作りと捉えることも出来るけど果たしてどうなるか。本当の意味で一つになって歩み始めた千歌たちが、最後にどんな可能性を見せてくれるのか。最後まで見届けられたら良いなと思います。



本編は至って真面目にいい話をしていたと思うけど、それに並行して挟まれていた小ネタが、前回の微妙にギクシャクした関係性を思わせた曜と梨子の間柄が良好であることを示してくれていたのが上手いなと。前の東京行きのときに発覚した梨子のこの設定が活かされる日は来るのかと思ったことがあったけど、こういう形で使うとはなぁ(笑)
傍目からはイチャイチャしているようにも見える千歌と梨子を見守る曜ちゃんの図なんだけど、それでも以前のような反応を示さなくなったところからも、曜の中で気持ちの整理というか割り切りが出来たのだなと思えるし、帰りの電車シーン一つを見ても梨子と曜の間に変なわだかまりみたいなのはないんだってことも感じ取れる。細かいところだけどこういう形で前回のフォローを行っていたのは巧みではないかと思った。


ダイヤ会長のポンコツ化が止まらない。誰か助けてあげてくれ。比べたら駄目って言う千歌の金言が飛び出した回で比べる自分も大概だけど、やはりかしこいかわいいえりーちかを尊敬している彼女は、その道から逃れる術を持たないとでも言うのだろうか。この世界の生徒会長が背負う業の深さを改めて実感させられた…ような気がする。
まぁでも愛すべきキャラであることに変わりはないし良いか。長い間自分を抑え続けてきたダイヤが、衝動のままに、思いのままに動けるようになったことで見せるようになったのが今のこの姿。だからどれだけポンコツであろうと素敵なのです。こう言っておけば今回の内容を踏襲した流れに持っていけるんじゃないかな、かな?だから曜ちゃん「ダイヤさんのくだりはいらなかった気がする」なんて言わないであげて(笑)
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