プリパラ #120「甘くはいかないノンシュガー」紆余曲折を経て辿り着いたチーム結成の儀式。
三者三様なのん達が開く新たな可能性の扉。




らぁらたち主要キャラがほぼ不在のまま展開された今回のお話。ノンシュガー結成までの話の中で、今彼女たちが抱えている問題、ユニットとして目指すべき方向性やコンセプトを改めて示してくれているのが素敵。また、のんやペッパーに比べてリアルでの描写が少ないちりの家庭事情や普段の生活を更に掘り下げつつ、メンバー同士の歩み寄りと目的の一致を見るところまで描いていたのは見事でした。
今回は未だに渋るちりの説得がメインでしたが、このメンバーのチーム結成に反発していたのは何も彼女だけではありません。当初のんはちりと組むなんてあり得ないと言っていたし、ペッパーも自分より弱いのんの言うことを聞くのに抵抗していた。そこからのんはウサチャの熱い思いを知ることで、ペッパーはウサチャを食べる条件を付けることで。自分で翻意してこのメンバーでチームを組む「決断」をしている。
ちりの説得のために彼女の家を訪ねたのも、主にのんの自らの意思に基づく決断です。しかし、プリパラの中ではジャニスから行動を強制され、リアルでは歴史ある華道の家の娘として祖母から行動を強制される。そこにちりの自由意思に基づく選択や決断というものは皆無で、元来の性格から反発することも出来ない。のんが推察したように、プリパラ内でちりがああなってしまう理由の一端は、ここにあるのだと思う。
だからそこから変わることって大事なんだと思います。自分の意思で行動を選択し決断する。それがプリパラ内での制御の効かない自分を変える一歩になるのではないかと。祖母に与えられた花を活けるのではなく、自らの手で選んだ花を活けたことも、ジャニスに言われるのではなく、自らの意思でのん達とパキリたいと言ったのもちりの決断。これらはちりの変化の兆しなのではないでしょうか。
また、ちりにとっては切っても切れない花。祖母に与えられた花ではなく自分の手で選ぶ際に、同じ花を見てのんとペッパーがそれぞれの経験から違った見方をしているのが印象深い。でもそれこそがウサチャの感じたノンシュガーの新たな可能性。ちり1人では行き詰まっていた花の道。そこにのんやペッパーならではの考え方が加わることで新境地が拓ける。
1つの同じ事柄に対して各々が向き合い異なる解釈が混じり合うことで、1人だけでは作り出せない凄いものを生み出せる。ちりの悩みを皆で解決する過程でユニットコンセプトを改めて明確にし、ちりにとってはとても大切で切っても切れない花に対するペッパーの思いを知ることで、生理的に無理とまで感じていた彼女に対する苦手意識まで払拭させていたのが見事でした。
つぼみの中から顔を出し、大空に向かって両手を広げ羽ばたくちりのイメージは、束縛や強制から解放され自らの意思で行動を広げたことの表れ。彼女が活けた力強く屹立するヒマワリとキングプロティアの花は、ちりの独り立ちを表しているようにも映る。花言葉に王者の風格の意味を持つプロテアと、憧れや情熱の意味を持つヒマワリの融和。ちり会心の力作『雨乞い』は、まさに今のちりとペッパーに相応しい。
チーム結成を果たし無事にデビューライブも終えたノンシュガー。神チャレンジライブこそ発動はしなかったし、セレブちりを含めチーム全員が本当の意味で一丸となる日はもう少し先なのだろう。そう簡単に全てが円満解決しないからこそ、甘くはいかないノンシュガーなのだと思います。しかし、怖いと思っていた祖母がプリパラに出入りしていることが判明し、リアルにおいては心許せる友達が出来た。
これによって少しずつでも抑圧から解放されていけば。プリパラの中のセレブちりちゃんにも何らかの変化が生じていくのではないか。簡単にはいかない道。甘くはいかないノンシュガー。でも新しい可能性に向けた道のりの第一歩は着実に踏み出した。これから仲間と一緒に行動する時間を自分の意思で増やし、更に一丸となって高みを目指す。そんなノンシュガーの今後の活躍に期待せずにはいられない。




ちりとペッパーにとっては作中初のCGお披露目でもあるノンシュガーのデビューライブ!ウサチャがそれぞれをジャンケンの属性に例えたように、それぞれ個別でグー、チョキ、パーと切り替わるところのカットの可愛さが半端ではない。グーが肉球、チョキがウサギ耳、パーが扇と各キャラの特徴を反映しているのも細かいこだわりを感じられて良い。皆の中にウサチャが見たビジョンなんだけど(笑)
新曲『シュガーレス×フレンド』の歌詞の中にもグー、チョキ、パーのフレーズと、ノンシュガー各メンバーの名前がそれぞれ入っていて凝った歌詞だなぁと。中でも「Non!Non!キッチリ!ペッパ(結果)All Right!」はなかなかに洒落たフレーズではないかと思います。悪いところに駄目出ししながらも皆を牽引していくのん、繊細なちり、色々と大雑把なペッパーと各キャラの特徴も感じられますしね。



セレブちりちゃんの
登場回でも書いたし上でも少し触れましたが、彼女がプリパラの中と外で性格が真逆になってしまうのは、今回のんちゃんが指摘したように、抑圧された環境の中で無意識下に溜め込んでいたストレスを解放したい思いが作用してのことかもしれませんね。
リアルでは歴史ある華道の家の跡取り娘として祖母にやることを強制され、プリパラの中ではジャニスに一方的にやることを決められる。言い返すことも出来ずに決められてしまう自らの行動。元々のお嬢様としての下地に、抑圧された日々の暮らしの中で積もりに積もったストレスによる反動。セレブちりちゃんが生まれた理由が分かったような気がしました。
行動を制限され束縛されている籠の中の鳥という側面は、初期そふぃ様にも通じるところがあって、ノンシュガーの結成はソラミスマイルの結成に通じるところもあるのかなと思います。そう考えるとのんちゃんは憧れで目標でもある姉らぁらの背中を、かつて姉が辿った軌跡を着実に一歩ずつ追っていると言えるのかもしれないですね。



今でもプリパラに出入りする大正時代のレジェンドちりばあの衝撃。久しぶりのアダルト勢の参戦だけど校長の時以上の衝撃があったかもしれない。いや、だってまさか入ってくるとは夢にも思わなかったので。でも女の子は誰だってアイドルになれる。そこに年齢の壁などない。時間も、レオナ限定だけど時には性別だって超越する。長い時を経ても変わることなく自分を受け容れてくれる場所がある。
そんな場所があることって物凄く幸せなことではないかな。そんな夢と希望に溢れるプリパラの素晴らしさを改めて噛みしめたのだ。リアルと姿を変えられるからこそ出来る業なのだ!
さてさて、最年少組のノンシュガーが頑張っている一方でちりばあを出し存在感をアピールする年長組。対極に位置するコスモ姉さんやあじみ先生だって勿論神アイドル候補の一角…のはず!そんな大人でぶっ飛んだ彼女たちが次回何を見せてくれるのか。久しぶりの年長組の活躍に期待したい。
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