魔法つかいプリキュア! #43「いざ妖精の里へ!あかされる魔法界のヒミツ!」奇跡を願う思いがもたらす世界を超えた繋がり。
プリキュアが世界を結ぶ。



レジェンド女王によって語られる世界の成り立ちと魔法の根源。今まで気にはなりながらもその詳細の殆どが不明であった多くの事柄についての経緯や真実が判明し、一つの流れとなって収束していく様は、一種の快感すら伴い、頭の中にスルリと流れ込んで溶け込んでいく。ここに来てようやくまほプリ世界の全容がおぼろげながらも見えてきた感じです。
種族を超えて同じ世界で仲良く平和に暮らしていた世界が分かたれてしまったのは何故なのか。魔法の呪文の語源がどこから来ていたのか。リンクルストーン・ダイヤが魔法界とナシマホウ界の両方に存在していたのは何故なのか。今作においてプリキュアが「伝説の魔法つかい」と称されているのは何故なのか。そして、その出生も存在も定かではないはーちゃんとは一体何者なのか。
主立った疑問点と作品を構成する諸要素。それらがマザー・ラパーパの存在が明るみに出ることで結びついていくのが見事でした。その全てが完全に判明したわけではないけどおおよそは察せられる。そして、本作における魔法とは、プリキュアとは何なのかということが改めて示されることで、それぞれに求められる役割というか立ち位置がハッキリと浮かび上がったような気がします。
魔法とは願いでありプリキュアとは世界を結び思いを紡いでいく伝道者。マザー・ラパーパの祈りが込められた魔法の名を冠するプリキュアとはそれを体現する存在。みらいとリコがナシマホウ界と魔法界を再び結ぶ架け橋たる存在であるなら、はーちゃんとはその大元になったマザー・ラパーパの願いの象徴。彼女の思いを受け継ぎ具現するための存在なのではないかと思える。
分かたれた二つの世界に生まれそれぞれに違う世界で生きてきたみらいとリコ。そんな彼女たちだから出来ることがあり、元が一つであったことが分かったからこそ成し得るとも思える。魔法の根源とは願いであり、その願いは人々の思いの中からこそ生まれるもの。そこには世界の違いなんてなく。大切な人を守るために魔法と向き合い使ってきたみらい達。それはかつてマザー・ラパーパがそうしたからこそのものかもしれない。
かつて世界を守ったマザー・ラパーパの願い。あまりにも膨大な時間の経過によって歴史の彼方に忘却されかけた真摯な思いは、しかし妖精族によって細いながらも確実に受け継がれ、マザー・ラパーパが願いを込めた名を冠するみらいたちへと託された。種族も時間も超えて紡がれてきた願い。奇跡を願う人の思い。まほプリのテーマを改めて噛みしめることが出来る回だったんじゃないでしょうか。
最初の関係性は敵とスパイでありながらも立場や種族を超えて思いを育んできたチクルンとの一時のお別れ。それはやっぱり寂しいものだけど、また会いたいというお互いの思いがあれば大丈夫。その願いが奇跡を起こしお互いを結びつける。それが魔法であり、人々の願いや思いを伝え、結びつけてくれる存在がプリキュアなのだから。


ここに来て見事な復活を果たしたスパルダさん。ドクロクシーやより上位の存在であるデウスマストの眷属すら屠るレベルになった今のプリキュアを相手にしては正直厳しい面もありますが、ここに来ての闇の魔法つかい勢力の復活の意義は、彼等の直接的な戦闘能力云々ではなく、オルーバが人間の築き上げた闇の魔法を貪欲に取り込もうとしていることにこそあるのかなと思う。
種族を超えた思いの繋がり。力は乏しくても目に映る人たちの為に今の自分が出来る精一杯のことをやりきる。来たるべき災厄に対して人間側が立ち向かう際に、奇跡をも起こしうる大きな力を生み出す重要な要因として常々描かれてきた。
であるならば今のオルーバの行動は本来は抹殺対象でしかないはずの人間。その彼等の負の思いの象徴で具現たる闇の魔法を取り込み、種族を超えて繋がろうとしているとも言えるのではないかと。眷属が人間を取るに足らない存在と認識しているのは、シャーキンスやベニーギョの対し方からしても明らかであるが、その彼等がやらなかったことをオルーバはやり切ろうとしている。
これって形は違えどもみらい達の強みをオルーバも手にしようとしていることの表れではないかと。そんな風にも見える。ただでさえ強い彼等がそれを手にするって脅威以外の何物でもないわけで。勿論復活した旧幹部の皆さんに見せ場があれば個人的には嬉しいのだが、虎視眈々と冷静かつ的確に力を積み上げているオルーバさんの動向も、より注目して見ていけたら良いかなと思った次第です。
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