うらら迷路帖 #08「いけないこととわかんないこと、時々すっぽこぽん」今はもうひとりぼっちじゃない。


頑張る為の休息も時には必要。一時の余暇を満喫する水着回としての側面と、ある意味いつも通りのイチャイチっぷりを惜しげもなく披露してくれる。そんな千矢達の百合ップル的な側面を兼ね備えたご褒美回でもありましたが、同時に紺が人知れず抱えていた不安を打ち明け、仲間と共有していく物語の軸もしっかりあって、ご褒美とシリアスが良い塩梅で混じり合っていた回だったのかなと感じました。
うららの気を混ぜ合わせて行う秘術『泉中術』が主に紺に大きな影響を与えていましたが、今回は泉中術の性質にも含まれる共有が、一つ大きな鍵となっていたように思います。泉中術を行った際に千矢と紺が見た黒い何かが、実際のところ神様なのかお化けなのかは分からない。
ただ、それを見たことによって禁忌に触れたのではと内心恐れる紺が、千矢に気持ちを打ち明けるキッカケとなったことに変わりはない。泉中術を用いなくても神を視認する力を持っているかもしれない千矢のうららとしての資質。ニナ先生には打ち明けていたけれど、それに対する嫉妬というか羨望の感情。同時に力を失い自分が置いて行かれることに対する不安な気持ち。
良くも悪くも千矢と泉中術で力と気持ちを共有したことで生じた不安を、今度は直接千矢に伝えて共有することで解消する。水着シーンで幼少期の紺が一人ぼっちで誰かと一緒にするような遊びをしたことがないのが改めて示されていましたが、子供の時と違って今はもう一人ぼっちじゃない。諦めそうになってしまいそうな時に、背中を押して寄り添ってくれる仲間達がいる。
秘密を共有してこそ仲間の絆が深まるとは小梅の台詞。仲間と気持ちを共有することで絆が深まり、一人ぼっちの時には出せない力が生まれるというのは、泉中術に通じるところがあるのかもしれませんね。一人で抱え込むことが多い紺に、自分の気持ちを打ち明けるキッカケをくれた泉中術が見せた黒い神様もしくはお化け。
今回に限ってはあれは紺が無意識下に抱える不安な気持ちが表出し、視覚化されたものなのではないかとも思えました。泉中術を通して千矢にもそれが伝わり、間接的に小梅とノノにも伝わっていく。皆に共有されていくことで生まれ更に高められる力。それを感じることが出来た回でした。一人じゃないから辛いときも顔を上げて前を向いて歩んでいける!



泉中術が発端となって紺が思い悩むことになった今回のお話でしたが、そもそも泉中術が発動したのは千矢と紺の波長がピッタリと合っていたからに他ならない。いわゆる相性バッチリというやつなのです。今回の二人のやり取りを見ていても大胆な告白めいた台詞に見えてしまったりして個人的にはご褒美でしかなかった。もうこの二人の間に割って入れる人もそうはいないだろう。
紺ちゃんが惚れるのも無理ない千矢ちゃんのイケメンっぷりと積極性なのでした。四人で一組。その中でも更に特別な気持ちを共有し合っている二人の未来に幸あれ。今週もご馳走様でした。
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泉中術の件からも互いの相性はバッチリだと思っていた二人は悩むことになるのですが。
実際のところ、相性はあくまで相性であって、既に仲良くなっているのであれば関係ないとのことでした。
本来仲良くなれないはずの二人が一番仲が良い不思議、そこに無限の可能性があるということでしたが……