この素晴らしい世界に祝福を!2 #10「この素晴らしい仲間たちに祝福を!」前門の魔王軍幹部、後門のアクシズ教徒。
嗚呼、早くおうちに帰りたい。



行くも地獄、退くも地獄の状況に追い込まれたカズマさん御一行の最終決戦。カズマ側にしても魔王軍幹部だったハンス側にしても、互いに誤算に次ぐ誤算で生じることになった今回の戦闘と対立構造が、実にこのすばらしい世界の残酷さというものを感じさせてくれる気がする。戦闘後に双方が辿った末路を鑑みても、やはりどちらも可哀想としか思えない。嗚呼何と悲しき世の仕打ち。
半ば成り行きで生じた幹部との決戦ではありましたが、機動要塞デストロイヤー戦のときと同様に、街の衆を含めた総力戦は何だかんだいって滾るものがありますし、普段おちゃらけているからこそやるべき時にはしっかりやるカズマ達の行動にも魅せられる。見せ場と言わんばかりの通常時とは明らかに作画力が異なるアクア渾身のゴッドブローや、激昂ウィズの氷結魔法など見応えも抜群でした。
普段はどうあれここぞの時に仲間を見捨てず、自らの犠牲を厭わない作戦行動を取れるカズマはやっぱり主人公で、ハンス相手に切った啖呵も仲間への信頼に溢れたものになっていて格好いい。そんな彼だからクズマさんだのカスマさんだの言われながらも皆に慕われ中心に居るのだと思います。それだけに決着が付く瞬間に骨になってその辺に転がっていた姿は涙を誘う。笑いも誘う。
割とシリアス風な戦闘の中でも魅力的なこのすばテイストは健在で、本作の面白さが損なわれていなかったのは流石であります。要所要所のギャグと掛け合い。何故か感動風に仕立て上げられるアクシズ教徒の結束。本来の姿に戻ろうとも最後の最後までアクシズ教がもたらす悪夢に苦しめられ屠られたハンス。心情的には冒険者側の勝利を喜びたいのに不思議と素直に喜べない。
しかし、それが本作が魅力的に感じる所以でもあるのかなと思うところです。これまで同様に魔王軍幹部を討ち取り街を救った英雄!にはなれないところが実に本作らしい。救ったはずの信者に追い立てられたカズマたちと、身内に正体をバラされた挙げ句に敵対されて屠られたハンス。嗚呼どちらも本当に哀れなり。この世の不条理を感じずにはいられない!
しかし、外に出て改めてこの世の不条理を痛感したからこそ、住み慣れた街の有り難みを実感することが出来るのだと思います。カズマさん御一行がどんな無茶をしようと変わらずにいてくれるアクセルの街。迎え入れてくれるそこで暮らす人々の温かみ。やっぱり我が家が一番というアクアの台詞に全てが凝縮されていましたが、当前のようにただいまとおかえりを言い合える場所があることの尊さが身に染みるのです。
何より最後の最後で実際にもう一度死んだからこそ、生の尊さを実感するカズマさんが良いですなぁ。第1期の
最終話では転生先のこの世界の不条理さを嘆き、次があるなら今度こそ自分が格好良く活躍出来る世界に行けますように…なんて言っていたカズマが、ここで目覚めここで眠りここで生きている。そんな今を受け容れているのです。今のカズマの生はもうここに根付いている。
日々の暮らしを送る拠点。人がいてお家があって街がある。生きている実感を持てる場所があることの有り難み。その有り難みを存分に味わい余韻に浸れるエンディングまで含めて、この素晴らしい世界で生きていることの尊さを感じることの出来る最終回なのでありました。EDテーマのタイトルが「おうちに帰りたい」だった本当の意味も、最後の最後でようやく分かった気がします。
例え不条理なことがあっても生きていれば楽しいこともきっとある。そんな皆が懸命に生きているこの素晴らしい世界に祝福を!カズマさん御一行が巻き起こす面白おかしい珍騒動を堪能しつつ、第1期と同様に生きることとはなんぞやということを妙に考えさせられる異世界冒険ファンタジーなのでした。ありがとうこのすば!また会える日が来ることを願いつつ、本編の感想を締めたいと思いまする。


第1期でガッツリ嵌まって楽しみにしていた第2期。設定上の面白さやキャラの言動の奇抜さ、新鮮さは慣れもあったかもしれなけど、それがあってもトーンダウンすることなく安定していて今期も物凄く楽しませてもらいました。国家転覆罪の容疑者として投獄・裁判から始まり最後は宗教絡みの大事件。やはりファンタジー色より現実色の強い問題が印象深く刻まれる作品だった気もします(笑)
今期は前期と違って続編決定の報せこそなかったものの、またいつの日かカズマさん御一行の騒がしい日々の営みに触れられる日が来ることを願うばかり。日付こそ一日違いですけど去年のこの時期に一期の最終回記事を書いてたんだなぁと妙に感慨深くもなりました。何も変わらずこうしてアニメを見て感想書いていられるのも生きていればこそ。平穏な日々の有り難みを改めて噛みしめる次第です。
3期の代わりと言わんばかりに制作決定したゲームで寂しさを紛らわせつつ。またアニメという媒体でカズマさん達と巡り会える日が来ることを願っている!その日が来るまでお布施という名の我々の戦いは終わらない。むしろこれが始まり!そう、俺たちの本当の戦いはこれから(ry。
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