うらら迷路帖 #12「お風呂とお祝い、時々笑顔」迷うべからず矢の指す方へ。


見事に九番占選抜試験を突破した千矢達へのお祝いと一時の骨休めを兼ねた温泉旅行。最終回に温泉回と視聴者的にもご褒美的な内容でしたが、ただ和やかな空気のまま終わるのではなく、自然体で互いのことを深く理解し必要とし合っている皆の関係性。千矢を始め紺、小梅、ノノの考え方の変遷というか内面的な成長を感じられる話運びが心地よさをもたらしてくれる。
うららとして位を一つ上げたとしても、それは千矢達にとって通過点の一つであって終わりではない。自分たちのまだ見ぬ未来に思いを馳せ、希望を胸に前へ進もうとする千矢達の姿を描きつつ、今後の展望を示唆して終わる本編の締め方も、占いとうららを主題に据えている本作の性質に沿ったものではないかと感じました。
先が分からない未来や見たこともない新しい世界に踏み出していくことは怖さもある。でも分からないから可能性は無限大で未だ知る由もないワクワクや楽しい出来事。自分の運命を左右するような人との出会いだってあるかもしれない。過去のお話で学んだことを改めて肌で感じ噛みしめることが出来るのも、迷路町に来る前の自分と来た後の今の自分の違いを知るからこそだと思います。
不安もあったけどいざ飛び込んでみたら、そこには自分と同じ一番占を目指すという志を持つ掛け替えのない仲間達や、自分を導き支えてくれる人たちとの出会いがあった。皆で一緒に積み重ねてきた時間がある、今度はまだ見ぬ未来に希望やワクワクを見出すことが出来る。そして自らの実体験が伴っているからこそ、迷路町に来て良かったという千矢や紺の発言が、より味わい深く響く。
今回の小旅行に棗屋一同だけでなく、佐久隊長を始め大島塩沢まで含んだ警ら隊一同が帯同したのも、千矢達が迷路町に来てから出会った人たちとの繋がり。彼女らと育んできた時間の尊さを意識させるためだったのかもしれませんね。大島塩沢の両名は冗談で言っていた感もありましたが、新しい家族にも似た繋がりが今の棗屋にはあるように思えました。
その中で見習いうらら四人が力を合わせて壁を乗り越える姿も描かれていて、棗屋を出て学校に行っても皆がいれば大丈夫だとも思わせてくれた。まだ見ぬ未知の世界。一人では怖くても皆と一緒なら踏み出すことが出来る。不安よりもワクワクや楽しいことがあると前向きに思えるのも心許せる仲間達が居てくれるからこそ。皆が一緒に居てくれるなら、この先何があっても怖くない!
迷路町に来たから出会えた大切な仲間。未知を恐れず踏み出したから経験することが出来たワクワクドキドキで溢れる楽しい毎日。千矢達が出会ってから得たもの。成長した姿。出会えたから抱ける希望に満ちた未来への展望。これまでのお話のベースラインを丁寧になぞりつつ、この先のワクワクな毎日を予感させてくれる。そんな最終回だったんじゃないかなと思いました。



最後の最後まで安定の夫婦っぷりを披露してくれたニナ佐久両名に完敗、もとい乾杯!大島塩沢両名が言うまでもなく、その距離感や空気感は夫婦のそれでしたし、我が子が成長していく様を見守るかのような眼差しは完全に父親と母親のそれでした。いつまでもお幸せに!

自分が触れている物はごく一部なので、きらら系作品にしては珍しくというと語弊があるかもしれませんが、いわゆる日常系とは少し趣が異なる今作の作風を存分に堪能させて頂いたかなと思います。主人公の千矢に母親探し、一番占になるという明確な目標があるだけに、ストーリー性も生じて一つひとつの出来事を乗り越える度に着実に成長していく姿も見て取れた。
起伏は然程激しくないし何か劇的なことをやったわけではないかもしれないが、この一風変わった特殊な世界観に合わせた丁寧な作劇と話運び。軸になる話に合わせたキャラ描写も相まって、私にとっては視聴後に程よい充足感というか爽快感を得られる作品でもありました。キャラクターの可愛さに関しては言うまでもなく、難しいことを考えずに見られる作品があることの有り難みも身に染みて感じた次第。
このあとの学校での生活となると今までとは全く異なる新しい作品の顔が見られるような気がします。原作未読の自分にとってはまさに「未知の領域」なのですが、新しいワクワクドキドキを求めて原作にも手を出してみようかと思っている今日この頃。とにもかくにも事前の期待値通り安心感のある作品でありました。製作スタッフの皆様、出演者の皆様、お疲れ様でした!
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千矢の謎は謎のままでしたね、うーん気になる。
温泉回ということでサービス回でしたね。
みんな疲れを癒せたかな。
九番占になってこれからってとこで終わりましたね。
もっと続きがみたいです。
ずっと4人なかよしでいてほしいです。