冴えない彼女の育てかた♭ #03「初稿と二稿と大長考」個々の思惑が一つの形に纏まった時に見えてくるズレ。
色々な意味でプチ修羅場です。



波島兄妹のメタ登場演出から始まり英梨々と出海の火花散る女の戦いや、愛してるでお馴染みのicy tailを巻き込んでの貫徹作業など、表向きに見えるところでのプロレスというかプチ修羅場が物語を面白おかしく彩る一方で、主に倫也の観測が及ばない水面下で静かに、しかし確実に進行していくもう一つの修羅場要素というか不安要素を織り交ぜ重ねて描いていく作劇が印象深い回でした。
英梨々と出海が何で火花を散らしているのか。それが意味する本当のところを倫也は未だ気付いていないし、伊織の発言の真意にもあの段階では気づけない。詩羽の第二稿シナリオを巡る恵と詩羽のやり取りも知らないが故に気づけないし、密かにスランプに陥っていた英梨々の状態にも気がつけていない状態です。こと英梨々の件に関して言えば、彼女と直接言葉を交わした恵も同じかもしれない。
ゲームは総合芸術とは今回の倫也の発言ですが、それぞれが作り上げた物を組み合わせて一つの形に仕上げる。同じ所を向いて各々が動いてきたはずなのに、いざ突貫作業で仮とは言え一つの形に仕上げたところで、それらが噛み合わないことを初めて痛感するというのが面白いところだなと感じます。同時に最高に皮肉めいているなあとも感じるところです。
運命を感じたメインヒロインを主軸に据えた理想のゲームを作る。倫也のその思いから始まったゲーム製作でしたが、今なお各々の思惑は複雑に絡み合い作品に込める思いも一つのものに統一されてはいない。その微妙なズレの積み重ねが今回のラストにこういう形となって表われたのかなと思ったり。いや、実際倫也の発言の真意は次回にならないと分からないところがあるのであれなんですが。
シナリオ単体で読んでいたときは絶賛し、恵には信者乙とまで言われる程に讃えまくっていた倫也が、しかし一転してクソゲーと切り捨てリテイクを命じた理由は何なのか。こと商業的な目線で間違えたことがない伊織の発言の意味するところは何なのか。英梨々の現状も気になるところですし、まだまだ課題は山積している。どうするどうなるゲーム製作ということで次回も楽しみにしたいと思います。



今日も陰に日向に倫也を支える恵さんはもうメインヒロインの枠を飛び越えて正妻というか嫁というか。そのレベルにまで達しているのではないかと思えるくらいの立ち位置に納まっている感があった気がする。以前のように美智留やicy tailのメンバーが加わってもモブ化せずに存在感を発揮し続ける彼女もまた、他のヒロイン達と同様に変わりつつあるのかもしれませんね。
おそらくサークルメンバー内では踏み込みすぎず、一番冷静に状況を俯瞰して見ているだろうだけに、今後の恵の役割や活躍には今まで以上に期待せざるを得ないのです。ともあれ今週もメインヒロインの出番がいっぱいあって存在感もバッチリで自分にとっては得しかなかったというお話。
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