冴えない彼女の育てかた♭ #05「締め切りが先か、覚醒が先か」マスターアップ直前の再びのすれ違い。



英梨々メイン回はどうしてこうも切なく重苦しい展開になってしまうのだーと思わず叫びたくなる回でしたが、ある意味これこそが英梨々メイン回の神髄とも言えるのかもしれない。そう感じてしまう倫也と英梨々の再びのすれ違いが悲しくも見応えある内容に仕上がっていたのかなと思います。
幼き日に本意ではなかったとは言え疎遠になり、以後長きに渡ってすれ違い続けてしまった幼馴染みの二人が、今こうして再び噛み合わずにすれ違ってしまうなんて悲しくて悲しくて。関係性の噛み合わなさではなく思惑の噛み合わなさとでも言いましょうか。倫也にしても英梨々にしてもそれぞれ胸に期する強い思いがあるからこそのすれ違い。ああ、なんともどかしいことか。
美智留の登場によってパチモン幼馴染みなどと弄られるようになっても、やはり英梨々にとって倫也は幼い頃から付き合いのある特別な存在。関係が断絶されても倫也に対する「復讐」を原動力に、彼に認められる為に壁サークルまで上り詰めたクリエイター。それが柏木エリなのですよね。倫也に認めてもらいたいし期待して欲しい。でもその思いは未だ届かない。
柏木エリの一番の理解者であるはずの倫也が、実は英梨々に対して期待などしていないのではという詩羽の鋭すぎる指摘。それも過去の二人の経緯あってのものかもしれません。変化に対する恐怖。英梨々がクリエイターとして進化して更に成長し、手の届かない存在になることへの無意識下の恐怖。自分の元から同士が去って行った幼き日の経験があるからこそ感じる恐れみたいなもの。
倫也から向けられる「信頼」に喜ぶ英梨々と、無意識に変化を嫌う倫也の姿は各シーンの言動にも如実に表われていた。マスターアップ直前の工程再確認の際の英梨々の反応、那須高原の別荘に向かう英梨々に「帰ってくるよな?いなくなったりしないよな?」と思わず確かめてしまう倫也の反応。そういうシーンの積み重ねの上に最後のすれ違いが来るから堪らないのだ。
倫也に期待して欲しいし背中を押して欲しい。信頼と期待を込めて「描け」と言って欲しい。にも関わらず倫也が発したのは「お前のやりたいようにやればいいよ」という残酷な一言。放任主義、自主性の尊重。そういえば聞こえは良いかも知れないが、それこそが詩羽が指摘したようにクリエイターとしての柏木エリに倫也が期待していないことの何よりの表われになっているのがもうね。辛いね。
産みの苦しみがあるからこそより充実した喜びや達成感も生まれる。これだけ苦しい思いをしている英梨々が少しでも良い思いをするための前振りであることを「期待」して「信頼」しつつ。英梨々が報われる姿を見られることを楽しみにしながら次回を待つことに致しましょう。このまま最低主人公にならないために倫也も本当に頑張りどころだね!


持ち前のステルス性能ですら隠しきれなくなる溢れんばかりのヒロインオーラ。その佇まいは最早メインヒロインの枠すら飛び越えて正妻の貫禄すら漂わせている気もするが、倫也のことを抜きにしても個人的に英梨々と親交を深めていた恵が、このあとどんな立ち回りをしてくれるのかも楽しみなところ。
派手さはないかもしれないけどターニングポイントになるような動きをしてくれるんじゃないかなぁという。これも一種の期待ですね(笑)
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