冴えない彼女の育てかた♭ #07「リベンジまみれの新企画」変化と停滞、そして成長。
静かに確実に次へ向かってそれぞれが動き始める。



変わっていく。人も物も環境も常に移ろい変化し続けていく。それは何かの経験だったり一つの区切りだったり。進学就職エトセトラ。人間同士の関係も環境も不変ではいられなくて。絶えず変動し続けるそれらに対応するために変化し、そして務めて維持しようとしなければ自然消滅することもあるのだろう。ということで今回は改めて変化と停滞、再出発といった要素を感じる内容でした。
ゲームの売り上げと評価は上々で追加発注も掛かるくらいの好調具合。でもそれは既に終わった企画でもあり、もうサークルメンバー同士を結びつけるものにはなり得ない。一つの仕事を終えた霞詩子としての詩羽は、新しい仕事と卒業進学という新しいステージに進もうとしているし、倫也との長年に渡るわだかまりが解消された英梨々の接し方にしても、新たなステージに進んだと言える。
それは一つの区切りを迎えた者に生じた変化です。豊ヶ崎学園が誇る二大美少女が、公衆の面前であのようなやり取りを堂々と繰り広げるのは、まさしく変化の象徴。その表われなのではないかと映る。そして、そのように人や環境に変化の兆しが出始めている一方で、未だに停滞したままの人がいる。それが倫也でありイラストレーターとしての柏木エリなのかなと思うわけです。
"復讐"を原動力に倫也を振り向かせたい一心で創作に励んでいた英梨々にとって、倫也にとって一番のイラストレーターになったあの時点で、創作者としての唯一最大の目的を既に達成してしまっている。良くも悪くもあのマスターアップが分岐点にして一つの区切り。一種の放心状態ではないですが、最大のモチベーションを失った今の英梨々に簡単に次はないのも無理からぬこと。
あの日から今日に至るまで新しく一枚も描き上げられていない事実が何よりの表れ。あのゲーム作りの終盤で着手した新たな手法が馴染まないのもあるだろうし、過去のトラウマから英梨々に対して強く言えない倫也の心情も理解出来なくはないのだが、それは一種の停滞に他ならないと思うわけです。
そして、それは倫也にしても同じ事。運命を感じた恵との出会いに端を発したゲーム制作。それと同等の創作意欲を掻き立てる何かってそう簡単に湧き上がるものじゃない。それが職業としてのものではなく同人サークル活動であるなら尚更だ。
倫也の停滞は恵との関係性が象徴的で、冬コミから二ヶ月近く経った今でも冷戦状態が続いていること。そしてゲームの完成と発売から二ヶ月近く経った今になってようやく恵がゲーム作りとサークル活動にどれだけの情熱を注いでいたかに気がついたことからも明らかではないかと感じる。変わり始めている周囲の人々と環境下で、今回の倫也は未だに停滞したままだった。
サークルを続けろ。君たちの居場所を残せ。伊織の助言にもあったように常に意欲をもって次に向かおうとしなければ、それらを存続させていくことは難しい。倫也の黒歴史でもある昔の同人誌を持ち出して成長がないという突っ込みを入れていった伊織でしたが、だからこそ今の倫也には成長し変化していくことが求められるのではないかと思うわけです。
倫也にキッカケをくれるのはやっぱりメインヒロインで。あの日、桜舞い散る坂道で衝撃と運命的な出会いを恵から感じたように。今度は雪が降りしきるこの場所でまたしても彼女に意欲を掻き立てられるのだなと。そんな彼が新たに打ち立てた『冴えない彼女の育て方』は、サークルメンバーを繋ぎ止め共に次へ向かうための作品になるのかはたまた…。
一つの終わりが一つの始まり。色々な意味で岐路に立たされている倫也達の明日はどうなるのか。物語もいよいよ終盤戦に突入。どうなるか楽しみでもあり胃が痛くもなり。


本筋とは一切関係ないんだけど今回はホモチョコを見て一人盛り上がっていた店員のお姉さんが、やたらと印象深く異質な存在感があって気になって仕方がなかった(笑)まぁリアルはともかく創作物を見たり読んだりしているときに、百合ップル百合ップル盛り上がっている自分も、こんな感じだったりするんじゃないかと我が身を振り返ったりね。だって妄想は止められないもの!それが原動力に繋がるんだよ!
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