冴えない彼女の育てかた♭ #08「フラグを折らなかった彼女」ゲームのヒロインだって人間なんだよ。
加藤恵だって人間なんだよ。



倫也と恵の二人だけで送る至高の回。何か特別なことがあったわけでも修羅場ったわけでもない。どちらかというといつも通りの日常の延長線上にある平坦な一幕。しかし、そのどれらよりも密度が高くて見応えのある回に仕上がっていたのが流石のメインといいますか。恵推しの自分にはことさら満足度の高い回でありました。もうこれで終わっても満たされている。
今回は特に感情らしい感情を初めて分かりやすい形で表出した恵の姿が印象深かったけど、普段から分かりにくいというだけで、勿論恵には人間らしい感情が元から備わっていて。人との関係って変わるんだよとは今回の恵からの有り難すぎる言葉だけど、過ごしてきた時間や気持ちの変化によって態度や行動も変わるもの。一緒に積み重ねてきた時間が人と人との在り方を変えていく。
ゲーム内ヒロインの心は汲めても現実のヒロインのヒロインの心は汲めなかった倫也でしたが、その倫也に業を煮やして恵が様々な反応を見せてくれるようになったのも、これまで一緒に過ごしてきた時間があればこそ。サークル活動で常に行動を共にし、この一年あまりの期間で一番長い時間を一緒に過ごしてきた倫也相手だからこそ見せる反応。
今回倫也と恵が二人きりだったのも、より恵の生の感情を解放しやすい状況にするためだったのかもですね。二人きりになってから恵が見せてくれた様々な人間らしい生の感情。彼女だって怯えたり照れたり寂しがったりもするし、悲しんだり喜んだり怒ったりもする。分かりにくいだけで元からあったそれらの感情。倫也たちと過ごしてきた時間が、恵の態度や行動に変化を与えこういう形で表出された。
倫也以上にサークルのことが大好きで、そこで出会った仲間や友達を誰よりも大切に思っている。引っ張り込まれたときには一番の門外漢であったはずの恵が、一番目立たなくて感情の起伏に乏しかったはずの恵が、実は誰よりも熱い気持ちをサークルや仲間に向けていたのが明るみになるというのが本当堪らんよね。それをこの感情解放に重ねてくるのだから、その破壊力たるやね!
倫也が目指すあくまで理想のヒロインに重点を置いた当初のゲームコンセプト。過ごしてきた時間や付き合いの長さによって変わる人間関係の変化や心の変遷。人間的魅力を描き出すストーリー重視の次回作。次に向かうに当たって、まさにそれを体現して見せた加藤恵の人間的魅力。その神髄を存分に堪能することが出来る回だったのではないかと思う。
いつぞやの次回予告で英梨々や詩羽がネタ気味に話していたけど、真打ちは遅れてやってくる。メインヒロインの本領発揮であるのと同時に、加藤恵の人間的魅力が如何なく発揮されていて自分は満たされたのです。あっちにフラフラこっちにフラフラしながらも最終的にはここに戻ってくる。ありがとう恵さん。やはりあなたは最強にして至高のメインヒロインだったよ。圧倒的に強かったよ。




決してサービス要素があったから推しているわけじゃないんだ。それも大事だけどそれだけじゃないんだ…。ということで出し惜しみせずに、ここで決めると言わんばかりにあらゆる要素で魅了してくれた恵に乾杯、もとい完敗。もうこの倫也との距離感というか空気って恋人とかじゃなくて熟年夫婦のそれだもん。新婚ですらないんだもの。
上でも書いたようにこれで終わっても個人的には満足というか既に結構満たされているわけだが、正直残りの回でこれを超える見せ場が来るのかという思いもなくはない。でも本作ならきっとそれをやってのけるのだろうなぁという予感が何とはなしにあるだけに、残りの回も今まで以上に期待しつつ最後まで見ていけたらいいな。これから始まる怒濤の終盤。楽しみでもあり怖くもあり。
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