天使の3P! #06「ベーシストを連れてくな!」その我が儘が人を救うこともあるんだよ。



皆の溢れんばかりの優しさに涙せざるを得ない。やはり優しい世界は良いものだ。前回のラストで思わぬ反響を呼んだPVが、場合によっては悪意を呼び込むものになるのではと危惧したのだけど、家族を思う皆の優しい気持ち。大切な人を思う善意で溢れる内容に満たされてしまう。血の繋がりが家族を形作るなら、共に過ごした時間も家族を形作る。
大切な家族を思う優しさと温かさ。今回は本当に希美の幸せを願う周囲の人々の善意で成り立っていた素敵回だと思う。希美の祖父に当たるライアンも、希美を困らせたくて養子縁組の話を持ちかけたわけではなくて。娘の駆け落ちを断固として認めなかった後悔に対する罪滅ぼし的な感情もあるだろう。でも、それ以上に彼が願ったのは孫娘が幸せに暮らすことに他ならなくて。
希美を困らせることにもなったけど、それは純粋に孫娘の幸せを願う祖父の優しさと温かい気持ち。直前になって希美が翻意したことに一抹の寂しさと残念さを感じても、それに一切反対せず受け容れてくれたところからも、彼が本心で希美の幸せを願ってくれていたことが伝わってくる。血の繋がりを持つ祖父の優しさが、最後の希美が感じた幸せに通じていた。
一方で響や潤、そら達も願っていたのは希美が幸せになることのみ。本心では行って欲しくない。でも、本当の家族と一緒に暮らせる機会を邪魔していいのかという思いはどうしたって働く。同じ境遇に身を置く潤とそらなら尚のこと。希美だって本心では引き留めて欲しいと思っているのに、他でもない家族の皆が自分を思ってそうしてくれていることが分かるから何も言えなくなってしまって。
でも、家族だから言える我が儘もある。家族だから我が儘を言っても良いのだと思う。血の繋がりとは別に同じ時間を過ごして育まれた家族の絆。今の希美にとって本当の家族と言えるもう一つの家族。姉妹に等しい潤とそらの"我が儘"によって、希美が真に願った本当の幸せが満たされるというのが堪らないじゃない。家族の絆は何よりも強いと感じさせてくれる。
前回仮に何かあった時に本来的に子供たちを守るのはマスターの役目というようなことも書いたのだけど、今回の一件に関しては、家族という枠組みで見たときに部外者である響だから、三人の背中を後押しできた側面があり、マスターとは別に主人公としての彼の役割を担保する話運びだったのは見事だと感じたところです。マスターが同席した状態で役割を果たしているから余計にね。
自分の気持ちを素直に出す。初めての歌詞作りで自分の気持ちと向き合い、素直に引き出すことの難しさを知った上での今回の展開だから、最後に本当の気持ちをぶつける潤たちの言葉が、どれだけの葛藤を乗り越えて絞り出したものであるのかが痛切に伝わってくる。互いのことを心から思い合う女子小学生の何と眩しく尊いことだろうか。
潤たちが作った初めての歌詞は、希美を思うが故に本音を言い出せない潤とそらが、素直な気持ちを伝える為に用いるのかなとも思ったのですが、希美が祖父に対して自分が居るべき幸せな場所がどういう所なのかを伝える為に用いていたのも良いなぁ。もう一つの家族がどういう風に形成されていったのか。その情景を交えつつ素直な気持ちを伝える為のEDも最高でした。ここ数話はEDへの入りも素敵。
いわゆるいつものサービス要素こそ控え目だったかもだけど、それを補って余りある優しさと尊さに満ち溢れている回だったのではないかなと。バンド名の由来たるリトルウイングの家族の絆。堪能させて頂きました!



そういう意味では本編がシリアス風味だっただけに、サービス要員としての役割を一手に担っていた感のあるくるみちゃんの孤軍奮闘ぶりは、やはり見逃すことは出来ない。お兄ちゃんとのデートを満喫しつつ、その時その時で響に大切なことを気付かせてくれて、背中を押してくれるのはくるみちゃんなんだなぁ。
本編を動かす意味でもサービス的な意味でも欠かせない要員。天使の3Pキャストインタビューで、くるみちゃんが制作陣やキャスト陣に大人気で「プロ妹」と称される程の存在感を持っていると語られていましたが、その意味が段々と分かってきた気がする。本編でなくても懺悔室でお風呂ノルマをこなすくるみちゃん。その生き様、まさにプロ妹の鏡!
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希美がイギリスに行かなくてよかったですね。
小学生3人は一緒にいないとだめですよね。
響の背中を押してくれたくるみはいい妹です。