NEW GAME!! #12「ぜひ買ってくださいね!」またいつか皆で一緒に新しいゲームを作るんだ。



感動のグランドフィナーレを飾るに相応しい内容で満たされる。原作を読んだときも感動してしまった八神コウの旅立ちなんだけど、アニメならではの美麗な映像表現と出演陣の熱演も加わって破壊力増し増しで素晴らしいの一言に尽きる。出会いもあれば別れもある。確かにこの別れは一つの区切りだが、ゲーム制作にしても登場人物の関係性にしても、一つの終わりは新たな始まりでもある。
紅葉とツバメ。新人二人が加入して以降の物語は、お互いに対する相互理解が一つ軸になっていたと思うのですが、それは旧知の間柄にあるコウやりんの関係性においても当てはまる。互いに対する理解があり信頼があるから相手に対する尊重の気持ちも芽生える。数年とは言えお別れはやっぱり寂しい。
でも、それでも背中を押してあげられるのは、クリエイターとしてより高みを目指そうとする相手に対する理解とリスペクト。尊敬や敬意の気持ちもあるからだと思うのです。そして、それはコウとりんに留まらない。ペコ制作に纏わる経緯を知り、青葉に対する理解を深め一クリエイターとして彼女に対し敬意の気持ちを持った紅葉とのライバル同士の関係においてもそう。
そして憧れで繋がる青葉とコウの間柄にもそれは当てはまる。青葉が居てくれたから今のままでは駄目だと思うようになったコウがいて。自分に対して憧れを向ける後輩というだけではなく、一人のクリエイターとして青葉に対して敬意を抱いたからこそ、コウは一大決心をして自分を更に磨いて高めるために、より広い世界に飛び出すことを決意したのです。
ゲーム制作者に限らないかもしれないが、往々にして創作に携わる人間は、現状に満足し歩みを止めた時点で緩やかに、だけど確実に創作者としての死に向かい始めている。常に新しい物を求め高い目標を持ち続ける貪欲さ。そのための自己研鑽を怠らない勤勉さ。新たな可能性を切り拓き模索し続けられる者でなければ、どれだけ高い資質を持っていてもどこかで終わりが来てしまう。
故に今回は他の皆も先を見ている姿が描かれている。ペコの制作は終わったけど、その制作過程で新たな仕事を覚えた者。他にやってみたいことを具体的に思い描いている者。形や中身は違うけど皆それぞれ先を見据えている。どこまでも続く終わりのない道。一人停滞しそうになっていたコウに、その先へ進む原動力をくれた青葉は、だから特別で敬意を持つに値する対等の存在になった。
青葉にしてもコウとの別れは一つの区切り。憧れの人からの感謝の言葉。でももうそれだけではない。一人前のデザイナーとして認めてくれたからこそ掛けられる今後に対する期待。より高いところを目指す自分に付いてこいと言わんばかりの発破。そこに紅葉との新たなライバル関係が加わるからこそ、青葉もこれまでを顧みた上で先を見据えることが出来るのだと思います。
各キャラ同士の関係性をしっかりと清算しつつ、八神コウが新しい物を求めて旅立つように、メンバーそれぞれが今より先にあるものを見据えて新しい一歩を踏み出す。そこをしっかりと描ききってくれたことが何よりも嬉しい。一つのゴールは新しい道のりの始まり。さながら新たに挑戦し求め続けるニューゲームのように。
終わりのない道を、強い覚悟を以て歩み続ける前途有望な若きゲーム制作者たち。産みの苦しみもあったからこそ迎えられた感動の瞬間。そんな彼女たちを待ち受ける無限の未来の可能性に夢膨らむ素敵な最終回だったかなと思いました。



今回というか第二期最大の見所の一つであると思っていたコウとりんのお別れ。やはりというか下手したら青葉とコウの別れのシーンよりも注力されていたのではないかと思えるくらい。制作サイドの意気込みがこれでもかという程に伝わってくる力強い描写に魅せられてしまいました。ここぞの場面で最高にイケメンになるコウちゃんと言ったら全く!
原作だとコウのフランス行きの話を聞いたりんが、やっぱりヤダと引き留めようとするのは、ペコのイベントが終わって皆に話を打ち明けたあの場だったけど、アニメでは一度時間を置いて送別会後にこのシーンを持ってきていた。一度はグッと飲み込み一拍置いてりんが本心を打ち明けたことで、より彼女の台詞に込められた万感の思いがヒシヒシと伝わるものになっていたように感じる。
何よりりんの本心に応えるコウちゃんの台詞は、もうどう聞いても完全にプロポーズの言葉にしか聞こえないもの。あの場に居た者が満場一致でバカップル認定するのも無理からぬくらい。他の誰も入り込む余地がなかった二人だけの空間。これを見られただけで自分はもう満たされたと言っても過言ではない。第一期最終回の
感想で書いた願望が、ある意味実現したとも言える。
今は一時離れてしまうかも知れないが、繋いだ手のように二人の絆は決して切れることはなく。もういつまでもお幸せにとしか言えないよ!この二人に関してはね!


第一期に比べると第二期は消化した原作の分量も多かったし、季節的なズレが生じていたエピソードも一部だけどあっただけに、全体の整合性を保つのも大変だったかなと思いますが、それでもここまでキッチリ仕上げてくれたことに感謝しかないのです。
新人の紅葉とツバメの二人に関しては、自分も最初は抵抗感あったんだけど、原作単行本を一気読みして彼女たちが抱える事情や背景も一度に知っただけに、それらを知った後では他のキャラと同様に他にはない個性を持つ愛すべきキャラとして定着したのです。この辺は掲載誌の連載で一月ずつ追っている人や、アニメで始めて触れた人とは感じ方が異なる部分だったかもしれない。
第二期は第一期よりテーマとして重たい内容を含んだものもあったけど、そういうのがあったからこそ作中で語られ描かれる登場人物達の成長に説得力も出るし、苦しみや辛いことがあったからこそ生まれる喜びもあると思うだけに、一期との差別化を図るという意味でもこれはこれで良かったのかなと思います。
今回のアニメ化で原作の最新六巻の終わりまで綺麗に消化しただけに、仮に続編があったとしても少し先のことになるのかなと思いますが、ともあれまた機会があるのなら再び巡り会える日を楽しみに待ちたい。原作単行本は追いますがアニメ版の感想はこれでひとまず締めたいと思います。制作スタッフ並びに出演陣の皆様。本当にお疲れ様でした!
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コウが会社を去ってしましましたね~
でもみんなに見送られてやっぱり人望あったんですね。
フランスというと言葉とか大丈夫なんでしょうか。
ペコのゲーム完成しましたね。売れるといいですけど。
最近めっきりゲームをやってないや。
綺麗に終わってよかったです。