魔法陣グルグル #16「守れ!パンフォスの遺跡!」真っ白な新しい旅立ち。



パンフォスの遺跡の攻防戦からアラハビカ編の終了までを描いた今回のお話。光と闇。人間と魔物。現実と夢。あらゆる物が混じり合い、様々な境界を飛び越えることで成立していたのが魔境アラハビカ。アラハビカ編の肝はまさにこの境界を越えることにあったと改めて思わされる。最強のグルグルの正体や実は遺跡の主になっていたククリの夢が実体を伴って顕現したのもその表れで。
王女姿に扮したククリが大立ち回りを繰り広げた寸劇は、ククリのハートの半分に込められた思いが表出したものでもあり、ニケに対するメッセージ性を帯びたものでもありました。悪魔化したのもそのハートの半分に当たるものだったわけだが、外側に向かおうとするククリの半身。良くも悪くもそれはニケと旅立ってから得られたドキドキやワクワク。そして不安や悩みで形作られたもの。
辺境のジミナ村の中でも更に端っこにある魔法オババの家の片隅に眠っていたククリの本体。勇者ニケが迎えに来るまでの生活がククリの半生であるなら、もう半分はニケと旅立って以降の出来事で出来上がっているのです。あの狭い一室からニケが手を引き境界を越えて外に連れ出してくれたことで生まれたククリのハート。その二つが一つに混じり合って今のククリがいる。
そのククリの成り立ちは、そのままグルグル最強魔法の「恋するハート」の性質に直結する。魔法陣の中で膨れあがった夢を爆発させて、外へと飛び出させて魔法陣の外側を夢と同じように染める。光と闇。現実と夢。表と裏。境界を越えその垣根がなくなり事象が一つに纏まって形を成す。これがグルグルの本質でもあり、アラハビカ編のテーマでもあるのではないかなと。
ニケのプレゼントに対するククリからの控え目な答え。それに応えようと心象風景の中で眠るククリを、彼女のハートを理解したニケが、それを届ける為に初めて出会った時と同じように迎えに行くというのが良いよね。夢から覚めても続く夢のような時間。起きてても見られる夢。それはこれからニケとククリが共に形作っていくものに他ならないのだから。
真っ白な状態から生み出していく夢。夢から覚めても見られる夢のような現実。ククリのハートの魔法陣も夢から覚めた魔境アラハビカも、これから現実世界で新たに形作られていく。境界を超えて垣根がなくなることで生み出されるもの。その重要性を改めて示してくれたアラハビカ編の物語だったと思います。結構駆け足展開で情報密度も高かったけど、それでも押さえるところは押さえてくれたかな。
グルグルの詳細が明らかになったり声だけとはいえ遂に魔王ギリが登場したり。今まで作品の根幹に関わる重要な要素とされながらも謎で覆われていた諸々の要素が、色々な形で表出したことを鑑みても、やはりアラハビカ編は物語全体における一つのターニングポイントとなる位置づけだと思います。故に再出発となるここからの旅立ちは仕切り直しでもあるのだろう。
ここからの出来事によって形を変えていくククリのハート。その先に生み出すククリだけの魔法陣。真っ白な旅立ちの果てに二人が形作る最強の魔法は如何なるものになるだろうか。激動だったアラハビカの後の静かな旅立ち。しかし、より激しさを増していくこの先の物語も要注目。



ククリが最後まで明けられなかった心の一部分。自分に自信が持てなかった最大の理由が「胸が小さいこと」だったとしたら…。悪魔化から始まった一連の騒動も、ちっぱいを嘆くククリの悩みで皆が振り回されたということに。今回ククリのハートが完成していたらギリも危なかっただけにね。原作でジュジュが指摘してるようにギリはおっぱいに救われたという見方も成り立つわけです。
これもアラハビカの戦いが表と裏の事情で成り立っていたことを示す一例か。ともあれせっかく丸く収まっただけにね。明かされない方がいい真実も世の中にはきっとある。ククリの名誉のためにも「おっぱいの戦い」という裏の真実は、トマとジュジュが墓場まで持っていくことだろう。一部の人間の頭を真っ白にした真実は、未来永劫語り継がれることはないのだ(笑)
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ミュージカル風な感じでしたね~
あーそういえば前作でもこんなのあったな~って思ってました。
最強のグルグル「恋するハート」についてわかりましたね。
まだククリが使いこなせていないのでギリは助かったと。
魔王ギリついに登場しましたね。声だけですが。
まだ完全に復活していないよう。
アラハビカ再建されてよかったですね。