魔法陣グルグル #19「歌え!バトーハの塔!」これぞ噂に名高いグルグル史上最低の光景。



花の国防衛戦からバトーハの塔攻略までを描いた今回のお話。レイドに連れ去られたヒロインククリの奪還という王道冒険譚に相応しい話の流れなんだけど、そこはやっぱりグルグルで全くシリアス風味になることなく、むしろいつも以上に賑やかで馬鹿馬鹿しい騒動に彩られるのが流石である。ククリを前にしてヘタレてしまうレイドが良い味出してくれてるよなーと。
主にプラナノの復活までの顛末が描かれた前半パートと、バトーハの塔攻略の顛末を描いた後半パートで構成されていた今回の話ですが、ククリがワンチンから教えられたハートの魔法の極意にもあったように、今回は一つ我が儘という要素で共通性を見出すことが出来るのかなと感じました。いや、グルグルのキャラって基本普段から気の向くままに動いている人が多いけど。
生まれ変わったプラナノは、ニケとククリの教育や性格の影響で、以前よりも気が強くて思うがままに力を行使する王女になってしまっているし、そんなプラナノに対して父親であるニケは本人の意に沿わない命令を下したりしている。自分たちの我を通して珍しく役に立ったタテジワネズミもそうだし、おやじに関しては言うに及ばず。皆なにがしかの我が儘を通す姿が見受けられる。
ククリを連れ去ったレイドに関してもそれは言えると思います。ククリをニケから切り離したのもレイドの我が儘なら、何としても彼女を振り向かせようと悪戦苦闘する様もまた彼の我が儘によるもの。何かを成すためのエネルギー。それは人の我が儘から生まれる物と言ってもいい。そして、恋するハートは本作でも究極の我が儘を力に変える魔法なのである。
それは誰を攻撃するか分からない。その我が儘が他人を傷つけることもあれば、時に自分自身をも傷つけることだってある。昔話で悲劇として語り継がれているように、我を通すことは怖いことでもある。だから慎重にもなるよね。恋するハートを使わないこともまた、ククリの優しさであるのと同時に、一種の我が儘の表われと言えるのかもしれません。
ククリの可愛いポーズで戦意を封殺されて引いたレイドも甘ければ、封印の魔法を使って相手を容赦なく撃退しなかったククリも甘いのかも知れない。でも、その甘さこそが昔話やギリ封印の時とは異なる可能性への道を切り拓くために必要なことかもしれない。ニケがプラナノに頼んで生まれたチョコの木もそうですが、甘さと我が儘を軸に一本筋の通った話運びが見事な回でした。



ククリを手中に収め、いつも以上に張り切りながらも、いつも以上に空回っているレイド様の一挙手一投足が見逃せない回でもありました。ある意味ククリ以上に反応が乙女だしピュアだし。ニケやキタキタおやじとのラップバトルも楽しかった。ノコギリ山のボス・カセギゴールドとかもそうだったけど、魔王軍ってこういう舞台装置とか変なところで徹底してこだわってるよなぁ。
頑張ってもククリの心はレイドには向かない悲しい運命なのだけど、それでもククリ会心の可愛いポーズを目の当たりに出来ただけでも、今回のレイドは報われたのではないかと思います。やはり可愛いは正義なのである。
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プラナノなんか不良っぽくなっちゃいましたね。
あれはあれでいいかも。
ククリをさらったレイドでしたがやっぱりフラれてしまうという。
報われないですね。
ラップバトルはなかなかおもしろかったです。