魔法陣グルグル #23「決戦!ギリの城!」今ここに最終決戦の火ぶたが切って落とされる。




物語最後の舞台となるザン大陸上陸からギリ城での攻防を描いた今回のお話。遂に辿り着いたラストダンジョン。最後通告を言い渡され、いつになくマジモードのレイドとカヤとの対峙。因縁深き相手との決着を付けるべく始まった戦いは、まさに最終決戦の幕開けに相応しいものであり、流石に今回ばかりはシリアス一直線…にはならない安心安定のグルグルクオリティに魅せられる。
そう、ここに来て光るのはグルグル最大の特徴にして魅力でもあると私が思っているシリアスとギャグの絶妙なさじ加減。後がなくなったレイドとカヤは勿論本気で掛かってくるが、対するニケとククリはここに至っても基本的には平常運転。向かってくる彼らの本気をいなし、自分のペースに持ち込むニケとククリがいることで、シリアスとギャグが渾然一体となる空間が形成されている。
シリアス一辺倒ではない。だからといってギャグ一辺倒でもない。振れ幅があってどちらにも傾きうる空気が漂っているから、胸に秘めたククリへの思いをぶちまけるレイドの言動がより引き立つし、ククリが消滅したと思い込み、カヤに飛びかかって激情に駆られているニケのシーンも印象深く刻まれる。ダサいポーズやおふざけをやっている二人が、マジになるから際立つのだ。
また、割と本気の魔法バトルに興じ、カヤの暗黒太陽でククリ消滅という洒落にならないシリアスな幕引きと思われた魔法使い組の方は、双方残した余力で本当の決着…ではなく肩すかし気味のあいこで幕を引く。シリアスなバトルがあったからこそ引き立つギャグ的な幕引き。ククリ本人をどうこうではなく、あくまでグルグルを超えることに執念を燃やすカヤ相手ならではの決着なのです。
どちらかに依っただけでは生まれない。これまでの物語での積み重ねから単純な一魔族や魔王軍の一員としての立場だけではない。立場と個の二つで揺れる。ニケとククリと特別な因縁が生じたレイドとカヤとの決着だったからこそ、どちらが欠けても成立しなかった。ギャグとシリアスの混在。レイドとカヤもまた、それを体現するキャラの一翼だったのではないだろうか。
シリアスなレイドとカヤも格好良いし、ククリと友達になれたレイドとのあれこれも良いし、今はニケにククリを託すレイドも良いし、その決断をしたレイドを励ますカヤも良いし。魅力的な敵キャラが居るから「主役」が光り輝ける。レイドとカヤの魅力、ひいてはグルグルの魅力を改めて実感する回でありました。どこか抜けていてどこか憎めない。素敵で面白いこの二人。好きに決まっている!



さてさて、無事に因縁のある幹部との決着を付け、遂に迫ったギリとの邂逅。果たして魔王ギリの正体とは。悪魔ガルリロが語るように、本当に魔王は冒険を望むククリのグルグルによって生まれた幻の存在なのか。グルグルはククリのハートの具象という、これまでの物語における描写があるから、その話は真実味を帯びてニケ一行や視聴者に伝わる。
未だ謎のベールで覆われたギリの実態や如何に。本当にここで引き返してしまっても良いのか!?合流した総裁とルンルンも加わて送る最終決戦の行方はどうなるのか。グルグルの物語も次で最終回。ここまで来たらもう最後まで見届ける以外にはないのです。
しかし、あれだね。振り返ってみるとグルグルのアニメ第一作目では、本当に直前で引き返して終わったんだよねぇ。子供の頃に受けた衝撃。アレも今となっては良い思い出。
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ニケたちがレイドとカヤとのシリアスバトルに。
ま、あまりシリアスでもありませんでしたけど。
レイドは念願叶ってようやっとククリと友達になれました。
衝撃の事実が、魔王ギリなんて存在しない!?
えー、ククリが魔法で作り出してたんですか、なにそのオチ。
と思ったら、ルンルンの総裁が登場。
今まで半分忘れてたんですが。
グルグルも次回で最終回なんですね。
さてどのような結末を迎えるのか。