りゅうおうのおしごと! #05「天衣無縫」敗北の悔しさを味わい更に強くなっていく。



二人のあいの穏やかじゃない出会いからのプチ修羅場。八一を容赦なく追い詰めていく。あいの鬼気迫る詰問に震え上がりつつ。あいを挑発して見せた天衣の言動と、自分の物だと信じて疑わなかった八一の一番の座を脅かす天衣は、恋愛云々だけでなく一番弟子としてのあいの立場を揺るがし刺激する存在で、本当に絶妙なキャラ造形の元に配置されているキャラだと再認識させられる。
八一とあいの間にある特別な繋がり。師弟関係。それは姉弟子にも介入することが叶わない領域だし、棋士としては格上の彼女に負けることでは得られない物もある。同じ名前を持つ同い年の同性。故に生じる危機感焦燥感。盤外の出来事がもたらすメンタルの揺らぎは、初歩的な詰み筋の見落としに繋がり結果として敗北。条件は対等なはずなのに生じる差は、否応なしにあいに差を突きつける。
前回姉弟子が指摘していたけど、正式に八一の弟子となり学んでいるはずなのに、ここ最近のあいは弱くなっていたという評。それも、やはり安泰感というか危機感の欠如が一因となっていたことは間違いないのだろう。親の反対を押し切り、単身大阪まで押しかけてきた根性。弟子を取ることに消極的だった八一に認められなければという危機感。当初のあいには強さに対するギラギラしたものがあった。
でも、今は将棋を指すことも両親公認となり、正式な師弟となったことで、どこか気持ちの面で鋭さが鈍り、当初あった危機感や焦燥感が薄れていたところがあったのだろう。天衣に対しての敗北が、何よりあい自身にそれを痛感させるものになる。自分より洗練された棋風。戦法の研究に対する貪欲さ。自分にない物を既に得ていることに対する悔しさ。
同い年なのに自分にない強さを持ち、明確な差を感じさせる相手が立ちはだかることでしか感じられない物。得られない物がある。格上の八一達では伝えられない。初めての敗北の味。それを知ることで、いや知らなければ踏み出せない領域がある。だから、あいにとってはこの敗北も、天衣との出会いも得がたきものなのだと。この悔しさを乗り越えた先にある強さ。
それを得られたなら、この一敗は何百勝するよりも遥かに価値のある一敗となる。人目を憚らず悔しさに涙し、それでも顔を上げて天衣を真っ直ぐに向き合えるあいならきっと大丈夫。年齢的にはずっと年下の天衣に同じように敗北し、人知れず誰も見ていないところで悔しさに涙した桂香の姿は、だから象徴的で焼き付くシーンでした。悔しさが人を強くする。
夜叉神の名を忘れていた八一にムッときた天衣もそうだが、何かに対して感じた悔しさ。そこから生じる反骨心は、何よりも強い原動力となり何事にも揺らがぬ心に通じる。悔しさを感じる内が華というか、それすら感じなくなり諦めの境地に達してしまったら、本当の意味で終わってしまう。自らを高みに押し上げる為には、そういう存在が必要不可欠なのかもしれません。
同じ名を持つ同い年のライバル。自分にそういう感情を与えてくれる天衣と、早期に巡り会えたことは、あいにとって僥倖だったのではないかな。恋も将棋ももう負けない。負けたくない気持ちがあいちゃんを強くしてくれる!この短期間と僅かな経験で確かな成長の兆しを見せてくれる吸収力の高さ。将棋に対する健気でひたむきな姿勢。まったく、小学生は最高だぜ!って本当に言いよったわ!流石ロリ王、その称号は伊達じゃない!


姉弟子に対する無自覚な煽りだったり、天衣に対する誤解を招きかねない勧誘文句だったり。八一くんもまた一級のフラグ建築士であることに、最早何の疑いもないのです。例え盤上では百手先まで読めようとも、女心は一欠片も読み取ること叶わず。今回の修羅場は終わりの始まりに過ぎなさそうなのです。その内、刺されても何らおかしくない罪作りな男がここにいる。

Q.どうしたら信じてくれるんだよ?A.拷問します。師匠は本当のことを言ってくれないので痛みと恐怖で自白してもらいます。一切の迷いなく淡々と言い切るあいちゃん凄いよ。愛が重いよ。その重たさと何より躊躇しない姿が、もういっそ清々しくて心地良いよ。八一が親心ならぬ師匠心から天衣があいの起爆剤に、発奮材料になってくれたらと願っていたことを鑑みるとね。事前に種明かししてるとあいの対抗心が天衣じゃなく、専ら八一に全て向いちゃいそうなところあるので、情状酌量の余地は多少ありそうなところだけどね。それでも、やっぱり隠し事はいけないことだよね。仕方ないよね!南無。
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ロリ王八一が修羅場を迎えました。
またあいのヤンデレ属性が!
そしてあいと天衣の対決。天衣のほうが上手でしたね。
これであいも強くなってくれるといいけど。
小学生は最高だぜ!の名言でましたね。