りゅうおうのおしごと! #10「スピニングドラゴン」崖っぷちまで追い詰められた師弟の行く末や如何に。



大一番の始まり。ハワイを満喫する序盤の楽しい雰囲気もそこそこに、竜王戦七番勝負は早くも暗雲立ちこめる不穏な展開に。ただでさえ一つの勝敗、一手一手が通常とは比べものにならない重さでのし掛かるタイトル戦。その初戦で先制パンチと言わんばかりに、研究の第一人者を自負している自身の得意分野で、真っ向から上回れたら茫然自失となるのもやむなしと言ったところだろう。
タイトル通算百期と永世七冠にリーチを掛けている百戦錬磨の名人相手に、序盤にして早々にペースを握られてしまえば、巻き返しを図ることだって容易なことではない。八一にとっては初めての防衛戦。精神的に揺さぶられて棋士としての自分を根底から否定された感覚に陥ったことで、どう進めばいいのか何が正しいのか。何を信じて指せば良いのかも分からなくなる。
本来持っているはずの力だって、平常心を失えばまともに発揮することは適わない。初戦に屈辱的な敗北を喫し精神的に一気に墜ちていく八一の姿は印象的でしたが、それ故に辛いものがありました。特に内弟子で親身になってくれるあいに対し、八つ当たりに近い形でキツい態度を取ってしまったことは、例え本意でなかったとしても彼の未熟さを物語るのに十分に余りあるものでした。
どれだけ才気に溢れていると言ってもまだ十代半ばの若者。初めてのタイトル防衛戦。技術面では卓越したものを持っていても、精神面の成熟ばかりは時間を積み重ねなければ得られないものも多い。あいとの間に生じた亀裂にしてもそうだけど、今回の竜王戦は八一にとって一人の棋士として。師匠として。何より一個の人間としての精神的な成長を問われているものではないかと感じる。
タイトル戦は早くも三連敗で崖っぷち。もう後がないギリギリのところまで追い詰められてしまった。でも、この状況下だから得られるもの。この絶望と苦しみを乗り越えて見えるものってのもあると思う。もう前に進むしかないのです。足掻いて足掻いて足掻き抜いて、この絶望的状況を打破する一手を。暗闇から脱し希望の光が差し込むところへの道筋を見つけることは出来るのか。
誕生日プレゼントに師匠の勝利を願った健気で可愛い弟子の期待に応える為に。タイトル防衛という最高のプレゼントを携えて、八一があいの元に馳せ参じることを期待したいね!逆境でこそ強く在れ。そこに至る為にはもう奇跡の四連勝を成し遂げるしかないのだが、どう見せてくれるかな。物語もいよいよ最終盤。最高に熱くて盛り上がる展開を期待している。



本筋とは離れるけど姉弟子がこれだけ頑張ったのに!珍しく素直に勝負に出たのに!いや、まぁここで八一が素直に応じてしまったらラブコメ的には終わりだし、そもそもこんなややこしいことにもロリ王なんて不名誉なタイトルを冠することもないんだろうけどさ!でも、今の八一に必要なのは恐れず迷わず勇気を持って一歩踏み出すことだと思うんだ!姉弟子はドンマイ…。



やさぐれ桂香さんの暴走と清滝師匠の意外な趣味を巡るやり取りが面白かった。そうか、初回で八一と銀子があいを師匠の家に連れてったときに、内弟子(仮)って師匠が例えていたのは、こういうゲームに精通していたからなのね。ブラックカード所持の廃課金勢。あらゆる意味で恐ろしすぎる。
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