HUGっと!プリキュア #15「迷コンビ…?えみるとルールーのとある一日」キュアえみ~るとキュアらりるれルールーコンビの大活躍!
新番組『えルっと!プリキュア』もよろしく!




未だ人間の尺度で物事を推し量ることが未だ出来ないルールーと、幼さ故に斜め上の行動に走るえみるコンビが織りなす面白カオス空間。ルールーとえみるの掛け合いを見ているだけでお腹一杯になる。濃密で充実していた今回のお話でした。主要キャラの三人に殆ど出番がなく、これまで接点のないルールーとえみるの二人で話を進行させていたのに、ここまで面白いギャグ路線の話を構築出来るのだから凄い。
細かいことを含めたら全てのネタを回収しきれないくらい様々な仕掛けがあり、至る所に創意工夫が凝らされているのを感じられて、本当に見ているだけで楽しくなってしまう回だったんだけど、ギャグに振り切っている一方で物語の本筋に関わる物事も進行させているから素晴らしい。抑えるべき所はしっかり抑えた上でのハチャメチャ回だから余計に楽しく感じてしまうのかもしれない。
理屈だけでは推し量れない人間の心。その難しさを心身共に未成熟で幼さ残る愛崎えみるとの交流の中で刺激され、揺り動かされるという切り口も面白いんだけど、人間の心を知ろうとしながら未だそれを理解するに至らないルールーが、新たな感情の発露と共にえみるの兄に向かい合い、自分の本当の気持ちを押し殺そうとしているえみるを鼓舞する形になっているのも面白い。
それを受けて命令に依らない自発的な行動。自由意思に基づく選択。本物のプリキュアではなく偽者であることを自覚しながらも、志や心は本物であろうとするキュアえみ~るの姿勢が、人間の心や感情を学び、それを模そうとしているルールーに、理屈を超えたメッセージを訴えかける。巡り巡ってルールーに返ってくる形になっているのが良いな。まさに、情けは人のためならずを地で行くような話。
その慣用句表現の意図するところではないが、人間ってやっぱり理屈だけで全てを推し量れるわけではなく、例え見返りがなかろうと時に不合理な行動に走ることもある。でも、それを含めて人間であり、複雑怪奇にする感情が人間を人間たらしめる要因になっている。偽者と本物のプリキュア。確かに形は違う。でも、きっと肝心なのはそこじゃない。ヒーロー像じゃないけど大事なのは志なんだ。
たとえ外面的には偽者でも、その中身に正しい心や感情が宿るなら、それはもう本物と何ら変わらない。えみるが機械的な反応を示すルールーに、それを示してくれていたいたということが。二人の交流の中にそれが見えたことが今回一番大切なことだったんじゃないのかなと感じた次第です。キュアえみ~るは初代の夏子と京子。キュアエコーこと坂上あゆみの系譜に連なるものあるんじゃないかなぁと。
ともすれば破綻しそうなギャグ要素に振り切った内容だったけど、ルールーが新たな感情に目覚めるという物語の本筋に絡めた構成になっていて感服するしかない。テンポ良し、演出良し、各キャラの顔芸良し。語り尽くせない程に魅力的な要素に溢れている回だっただけに、これはもう実際に一度見てもらうしかない。みんな見ようぜキュアえみ~る!またえみるちゃんが活躍する回あるといいですなぁ。



今回はほぼほぼ出番のなかった主要キャラ三人だけど、お互いに触れられたくないところに触れられて微妙な空気になるさあやとほまれのシーンだったり、はぐたんに名前呼ばれて嬉しさの余り壊れてしまっている三人だったり。いつもとはまた違う姿を拝めて楽しかった。テンション上がったときのさあやちゃん本当に面白くなるので好き。



ルールーとえみるの掛け合いも本当に楽しかったなぁ。家に連れてきた直後はまだ友達とは…って遠慮していたのに、最後にはもう友達ですよねって擦り寄っていくのも可愛らしくて。キュアえみ~るとキュアらりるれルールーによる『えルっと!プリキュア』の実現の有無は置いておくとして。今後のルールーにとって今回えみるがもたらしたものが大きく残ってくれたら幸い。
えみるちゃんも今後まだまだ活躍してくれそうだし、当初の見立てより本編での位置づけ高そうな所にいるのが改めて伝わってきたので。またどこかで楽しい回を提供してくれる要員になってくれたら個人的には嬉しい限りなのだ。


ぷくーっと膨れあがるおこルールーちゃん可愛い。無機質だったルールーちゃんが、自覚しないままに少しずつ感情に芽生えていく姿は堪らないものがある。このあとどこまで変わっていくのか。本当に楽しみ。
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