あなたの名前は死を連想させるから視聴中に感じさせられた得も言われぬ圧迫感が凄かったです。
まだ何も起こっていないのに作品から伝わってくる不気味な雰囲気。
夜見山という舞台と登場人物の特異性を見せるのに申し分ない1話だったかと思います。
ホラーやミステリー作品において物語の舞台は正に土台で重要な要素の一つですよね。
これがいかに作り込まれているかでそこで動くキャラの活き方も全然違ってくる。
今作の舞台である夜見山がホラーをやる上で凄い合ってるなぁと感じました。
どこか時代に取り残された感じのある田舎町。
その土地限定の因習や余所者を警戒する排他性を感じさせる土地柄と住人達。
猟奇やホラーをやる上でこれ以上ないくらいの舞台となりますよね。
更に言うとその中でも閉鎖的な空間が多数登場してるのが印象的。
エレベーター、病院、社会的にも一種独立している空間である学校。
その学校の中でも特異である3年3組という限定された空間で起こる物語。
これらの舞台設定が緊張感や焦燥感を存分に高めていると思います。
エレベーターで鳴が出てきて霊安室に向かうシーンは怖かった(^^;
舞台の他にもホラー要素を盛り立てるものとして伝承と人形がありました。
作中で随所に人形が写り込んできて霊安室に向かう鳴も人形を持ってました。
人形の怪談は沢山ありますが本作においても重要な要素の一つになりそうですね。
今回を見て人が恐怖を感じるのってどういう時かなぁと漠然と考えました。
目に見える現象や自らに危機が迫るのを実感出来る時ってやはり怖いですよね。
ただ個人的にそれ以上に怖いのは自分には認識できない危険と言いますか。
明らかに何かあると感じ取れるのにその原因が何なのか分からない。
これが人間が最も恐怖を感じることなんじゃないかと思っているわけです。
主人公である恒一もそれを何となく感じ取っていたかと思います。
表面上はみんな優しいけど自分が知らない何かを隠し持って接している。
それはクラスメイトだけではなく大人である教師陣も同じこと。
表面上はみんな仲良くと言ってるのにそれが本心のものではないというか。
だから登場人物達の発言が全て不気味に聞こえてしまうんですよね。
そして異常なクラスを形成する要因となっているのが対策係の泉美と他数名なのかな。
恒一が泉美の欠席を気にしたときに話題を変えるよう敕使河原に視線を送った風見。
それを厳しい視線で見ていた数名のクラスメイト達。
クラスメイト同士が秘密の漏洩を防ぐために互いを監視し合っている感じですよね。
そんな全ての大本になっているのが26年前から受け継がれてる「みさき」の話。
いない人物を全員が口裏を合わせることであたかも存在するように扱う。
泉美の対策係というのは転校生の恒一にそれを知られないように対策する係?
どうもこの街出身の人間にとって「全員で」卒業することは大事なことなようで。
恒一の自己紹介の時に先生が言った皆一緒に卒業発言もここに起因していそうですね。
泉美はお見舞時に恒一がこの街で暮らしていた経験があるかをしきりに気にしてました。
あれもおそらく見極めだったのではないかと思うんです。
恒一がこの街で暮らしていたなら「みさき」の話も知っていてもおかしくない。
しかしそうでないとなれば恒一に対する接し方も考えなくてはならなくなると思うので。
そしてそのみさきと同じ名前を持つ見崎鳴がまた不思議で不気味な存在でしたね。
クラスの中で一人だけ古い机を使い他の誰にも触れられない異質な存在。
恒一に含みのある助言めいたことを言ったり病院の霊安室に行ったりと全てが謎。
彼女が物語においてどういう役目を担っている人物なのか非常に気になりますね!
今回使用された曲目OPテーマ「凶夢伝染」:ALI PROJECT
歌:ALI PROJECT / 作詞:宝野アリカ / 作曲・編曲:片倉三起也
うん、これは間違いなくアリプロの曲だ(笑)
良くも悪くもこの特色ある曲調はブレることはありませんね。
でも今作のような不気味な雰囲気漂う作品には非常に合いますね。EDテーマ「anamnesis」:Annabel
作詞・歌:Annabel / 作曲・編曲:myu
本編は全体通して暗いのにEDは凄く明るいですね(笑)
EDでも一人だけ部屋の中にいない鳴と思しき人物が印象に残るなぁ。
最後に消えてしまうあたりがまさにいない人っていう感じがして。次回 第2話「Blueprint -思惑-」いやー綾辻行人さん原作のホラー、ミステリーものと言うことで凄い期待してました。
そしてその期待を裏切らない期待以上のものを感じさせてくれる素晴らしい出来。
本当に面白かったし続きが凄く気になります。
ただ出来の良い作品に対して延々と妄想しか書けなくて申し訳なく思えてきます。
ミステリーにおいては真相を当てるというのが楽しみの一つだと思います。
ただそれも大事ですが個人的にはそれよりも大事だと思う楽しみ方がありまして。
それは現時点で与えられた情報から真相解明されるまでにいかに妄想出来るか。
個人的にはその解釈が正しいか間違ってるかはさほど重要な問題ではなくって。
ミステリーでは正解発表までいくつもの解釈をしてどれもがあり得る可能性と考える。
ひぐらし、うみねこ風に言うと猫箱の中の猫、シュレディンガーの猫箱理論ですね。
こっちの方がたった一つの真実に拘って断定する考え方より楽しいと思うのですよ。
うん、理解力のない自分らしい苦しい言い訳ですね(^^;
いやもちろん自分が予想したことが当たっていればそれに勝る喜びはないのも事実。
真相に至る理解力のない人間の戯れ言と思って聞き流して頂けるとありがたいです(笑)
書きたいこと多すぎてまたしても長くなったのは反省点ですねぇ。
上手く纏められなくていつも以上に支離滅裂な内容になってしまってるし。
来週以降はもっと簡潔に短くできるよう頑張っていこうと思います。
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「Another」の感想記事を読み漁っている内に流れ着きました。
(今期最注目のアニメ。原作の大ファンなので非常に楽しみです^^)
1話と2話の感想を続けて読ませて頂きましたが、とても丁寧な考察で読み応え満点ですね♪
簡潔になどと言わずにどんどん妄想を拡げて欲しい…と無責任なことを言ってみたり(笑)
他のアニメの感想も読ませて頂きますね。