日刊アニログ

たった一度のあの夏が始まる
いつか離れることが分かっていても好きという気持ちは止められない。
まだ無自覚ながら嫉妬しまくるイチカが可愛くて同時に切ないです。

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海人とイチカって本当に似たもの同士の二人ですよね。
ネガティブな妄想したり平静を装おうとする考え方したりと思考や行動が似ている。
恋人同士って訳ではないけど既に他人が入り込めない独特の空気を形成している。

伝えたいけど伝えられないという点でも二人は似たもの同士だと思うわけです。
内に抱えている思いは今はそれぞれ違っているけど言葉に出来ないという点では同じ。
海人はイチカに対する思いを、イチカは自分の正体といつか街を去るという事実を。
それでも互いを思う気持ちは何となく伝わりそれは周囲にも同じことで。

この二人を見守っている他のメンバーには当然いつもと違う態度は伝わりますよね。
ただでさえ表情に出やすい海人やイチカですからある意味当然なんですけど。
普通に振る舞うことを意識している時点で既にそれは普通の状態ではないわけで。
特に聡い哲朗と檸檬先輩の二人に関しては何があったか丸わかりの状態です。

海人の周りにいるみんなは優しいというか良い人達ばかりですよね。
面白がっている節もある檸檬もイチカの悩みを聞いて背中を押してあげていたりするし。
哲朗に関しては若干の打算があるのかもしれないけど友人のことを考えていてくれて。
柑菜や美桜は友人として心底元気のない海人のことを心配してくれています。

ただそんな優しい周囲の人間は同時に報われない人達でもあるわけで切ない。
海人を心配してイチカと仲直りするよう助言を贈り地雷を踏みまくる柑菜。
結果的に二人の関係が修復され安堵する柑菜は良い子なんですがやはり報われない。
そんな柑菜を見る哲朗とその哲朗を見ている美桜だって報われることがない。
一方通行な思いが多いだけに負の面がこれでもかというくらい連鎖しますよね。

そんな一方通行な中で僅かながら双方向を向き始めた海人とイチカの関係。
鈍いところまで似ている二人の意識や関係を進展させるには荒療治も必要で。
イチカにとって見知らぬ第三者の女性の登場と海人への接近は良い刺激になりますよね。
哲朗の姉である真奈美の登場はイチカが抱える無意識の感情を引き出してくれました。

結果的に海人の思いを偶然言い当てたことについては流すことになりました。
しかし人間関係は確実に変化し始めていてそれは周りにも影響を与えずにはいられない。
少年少女らの特別な一夏がどんなものになっていくのかこれからが本番ですね。

次回 第5話「先輩はヒロイン。」

基本的に今まで一方通行な関係だった海人達が迎えた関係の変化。
誰かの変化は他の誰かに影響を与えて常に変化し移ろいゆくものだと思います。
この人間関係と変化を描いて夏休み突入の流れは良いですね。
最後に海人とイチカが並んで歩きつつ夏への思いを語りEDへ突入の流れ。
この先何が起こるのか期待せずにはいられない最高の引き方だったと思います。

喜びや悲しみ、痛みといったものを全て引っくるめた全員にとって特別な夏。
一生にたった一度しかない特別なあの夏が皆に何を思い何を経験していくのか。
誰かにとっての喜びは誰かにとっての悲しみや痛みに繋がることもあるかもしれない。

でも一夏が過ぎ去って時間が経った時に誰もが笑ってあの夏は今でも良い思い出だと。
そんな風に皆で集まって言えるような夏になると良いなぁと思わずにいられません。
物語的にはここからが本番でしょうしこの先どうなるか楽しみすぎます。

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第12話「あの夏で待ってる。」
第11話「行かないで、先輩。」
第10話「先輩と僕らの。」
第9話「せんぱい」
第8話「先輩がPINCH.」
第7話「先輩の気持ち。」
第6話「先輩にライバル。」
第5話「先輩はヒロイン。」
第4話「先輩はすごかった。」
第3話「先輩が言っちゃう･･･」
第2話「先輩といっしょ…」
第1話「困ります、先輩。」

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