日刊アニログ

喜びや悲しみ全てが詰まってるあの夏を俺達は忘れない
人がその瞬間や思い出を残し続けていくことの意味を考えさせられた作品でした。
海人達が経験した特別な一夏は映像という形となり様々な人の心に残り続けていく。

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忘れたくない忘れないで欲しいという思いをこれでもかと見せつけられた気がします。
皆が追っ手を引き付けてくれた際の逃亡中の電車内で海人やイチカが交わした会話。
過去にイチカと同じように地球に不時着し恋に落ちてその思いを残そうとした謎の声。
これらを映像や記録に残すことの意味が本作を通して伝えたいメッセージなのかなと。

1話と同様に海人が語っていた死生観は彼が両親を早くに亡くしたことから来ていたもの。
人は死んだら天国ではなく人の心に旅立ち思い出となってその中に生き続けていく。
でも時間の経過というのは無情でどんな大切な人も思いでも徐々に風化させていきます。
楽しい思い出も悲しい思い出も、そして人を好きだという気持ちも例外ではないと思う。

良く人は二度死ぬという例えがなされますがこれは好きって気持ちも同じなのかなって。
物理的に死亡し遺された者の心の内に残り続ける限りは人は本当の意味で死んでなくて。
誰からも忘れ去られて思い出されなくなった時にその人物は永遠の死を迎えるのだと。
時間と共に思いが風化し忘れてきて当時の感情を思い出せなくなれば気持ちの死も同じ。

人の死と今回のイチカと海人の関係で言うともう会えないってことが共通してますよね。
絶対的な別離は最初の内は強く思い出に残ってもやはり時間の経過がそれを風化させる。
ここで大事になるのが折に触れて当時を思い出すきっかけになるものの存在かなと思う。
映像や記録に残すのは風化させずに自分の中の気持ちを強く保ち続けるために必要で。

海人はあの夏の映像の続きを撮り続けることで先輩への気持ちを保ち続けていたのだと。
電車の中でのずっと好きで居続けるとこれからもずっと好きでいて下さいという言葉。
連れて行かれるイチカを目の前にして海人が伝えた絶対に迎えに行くという言葉。
そして別れ際にイチカが発した忘れられる訳がない、ずっと待ってるねという台詞。

あの夏の思い出と気持ちを忘れず胸の内に抱き続けて再会出来る日を待ち続ける。

イチカだけではなくて海人も含め二人の揺るがぬ決意と思いが込められた意味なのだと。
もちろん柑菜、哲朗、美桜の三人にとっても二人と同じ気持ちを抱いているとも思います。
個人的にですが『あの夏で待ってる』というタイトルをこう解釈したいなと思いました。


最後は凄い綺麗に纏まっていて感動的な最終回だったんじゃないかなぁと思います。
気になっていたこととかも色々明かされましたし1話で感じたテーマを再度確認出来た。
個人的には10話で柑菜の思いに区切りが付いた時にここで終わっても良いかと思ったけど。
やっぱり作品のテーマやメッセージ性とかを考えると最終回まであっての作品なのかなと。

全てをハッキリとさせずに何点かぼかした表現も視聴者の想像に委ねられた部分かなって。
あの謎の声も担当された声優さんを考えるどうしてもみずほ先生って思っちゃう（笑）
記録に残っていた状況が異なる部分もあるのでセルフパロ的な扱いなのかもしれないけど。

最後に映像の中で笑っていたイチカもハッキリ帰ってきたという描写があった訳じゃない。
ただ七海お姉ちゃんからのお土産を纏っていることやその前にあった特別顧問という描写。
りのんが特別顧問として滞在し宇宙船の設計図のようなものを檸檬先輩が見ていました。

謎の声の音声記録から過去に地球が宇宙人と接触した事実が認められたということかな。
それともりのんの協力で宇宙船を修理したかコピーをして宇宙との繋がりを証明した？
いずれにしてもMIBがここまで大規模に存在している以上宇宙との接触は前からあったか。

何にしてもあの後にランクが格上げされて原住民との接触が許可されたのかなぁと。
そして未完成だった映画を無事に完成させて後輩達の心に残し続けられたのではないか。
ここも個人的にはハッピーエンドを願いたいしやっぱり戻って来たと思っていたい（笑）

そしてとんでもない車や兵器を持っていた檸檬先輩の正体が何とマジのMIBだったとは。
真奈美さんの旦那様もMIB所属のようでそれが今回一番ビックリした事実だったかもｗ

思春期の少年少女達の恋愛を通して好きで居続けることや記録として残すことの大切さ。
そういったものを改めて考えさせられる作品だったのではないかなぁと思います。
各キャラに思い入れも生じて苦しい辛いと思う時もあったけどそれも含めて楽しかった。
収拾がつかなくなってきたのでこれであの夏で待ってるの感想を締めたいと思います。
最後に製作スタッフの皆様、出演された声優の皆様、本当にお疲れ様でした！

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第11話「行かないで、先輩。」
第10話「先輩と僕らの。」
第9話「せんぱい」
第8話「先輩がPINCH.」
第7話「先輩の気持ち。」
第6話「先輩にライバル。」
第5話「先輩はヒロイン。」
第4話「先輩はすごかった。」
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