僕たちもこれから段々と忘れていくのかな?狂気と混乱に満ちた合宿所内で次々に犠牲になっていくクラスメイト達。
全てに終止符を打つため覚悟を決めた恒一と鳴の二人が遂に死者と向かい合う。
火が回って倒壊する建物の下敷きとなり死亡する者や狂気に駆られた人間に殺される者。
要因は様々なれど一度動き出した事態は加速度的に混乱の度合いを強めていきました。
その中でも今回は今まで影が薄いと散々言ってきた風見君の本領発揮となりましたね。
桜木さんに思いを寄せていた彼はやはり復讐という名目で恒一に襲い掛かってきました。
実は4月から災厄が始まったとは知らない風見君が恒一を疑うのは仕方ないとも思います。
恒一が転校してきたせいで教室の机と椅子が一つ足りなくなったようにも見えますしね。
結果的に彼が来た5月に桜木さんが犠牲となったことで「ある年」になったと判断しても。
ただそれらの事情を斟酌したとしても風見君の行動は常軌を逸したものでしかなかった。
恒一を死者と疑っているにも関わらず他のクラスメイトも容赦なく手に掛ける非道ぶり。
記憶が消えずに間違っていたと分かっても気にする素振りすら見せない姿は正に外道!
しかし因果応報というかクラスメイトを理不尽に殺した彼の末路もまた同じものでした。
恒一を守るためにバールを持った赤沢さんに後頭部を二度強打され結果的に帰らぬ人に。
怒りや憎しみの感情を生徒に向けた点は管理人さんも共通していたのかもしれませんね。
彼女が突然錯乱したのは何故かと思っていましたが亡くなった高林君が孫だったとは…。
管理人の視点からすれば増えた一人の死者が高林君を殺したと言ってもいいですしねぇ。
だからといって見境なく殺すことが許されるはずもなく彼女の末路も相当に悲惨でした。
千曳さんが来なかったら望月&勅使河原ペアも相当にヤバかったし本当無事で良かった。
従兄を奪い友人達を奪い恒一すら奪おうとする災厄を止めるため鳴と対峙した赤沢さん。
皆が脱出した炎に包まれる合宿所内で向き合うとかどこの最終決戦だと思いましたがw
この期に及んでも鳴に味方し続け自分を止める恒一に赤沢さんもとうとう業を煮やした。
かわいさ余って憎さ百倍というか好意が憎悪に反転して纏めて始末を図ろうとするとは。
結果的に赤沢さんも災厄から逃れることは出来ずその最後は壮絶なものとなりましたね。
全身にガラスが突き刺さりながらも思い出を取り戻した赤沢さんの表情は安らかだった。
恒一君はこんな時ぐらいは優しい嘘をついても良いのにと思わなくもなかったのですが。
そこは赤沢さんらしく今際の際でもきちんと突っ込んでくれたし良しとしましょうか。
災厄による犠牲者をこれ以上増やさないために全てに決着を付ける覚悟を決めた二人。
死者の元へ一人向かった鳴に追いついた恒一がとうとう知ることになった死者の正体。
恒一の叔母であり副担任も務めていた三神怜子が今年紛れ込んでいたもう一人の死者!
一度は覚悟を決めた恒一でも目の前で叔母に止めてと言われれば決心も鈍りますよね。
鳴の言っていることは正しいのか、もし間違えていたら取り返しの付かない事態になる。
恒一がこう考えるのは当然ですが鳴の新証言、様々な人物が言った一年半前という時期。
何より鳴の信じてと言う言葉に背中を押され遂に恒一が死者を死へ還すことが出来た。
全てが終わった事件後のエピローグはそれまでとは打って変わって明るい色合いの世界。
ここ数話の間ずっと続いていた緊張をようやく解くことが出来て安心して見ていられた。
死者が死に改竄されていた記録や記憶は元に戻り三神怜子を覚えているのは恒一達だけ。
それも時間の経過と共に記憶の修正力が働いていずれは二人とも忘れてしまうけれども。
忘れてはいけないことって確かにあるけど忘れることが必要なこともあると思うのです。
そういう意味で鳴ちゃんの台詞は深いなと思うし記憶の修正も一つの優しさなのかなと。
まぁ災厄を引き起こしてる現象に優しさも何もあったもんじゃないとも思うんですがw
恒一の終わったんだよねという言葉に無言で微笑み返す鳴ちゃんの仕草がまた意味深!
確かに今年の災厄についてはこれで止まり犠牲者がこれ以上増えることはないでしょう。
しかし現象そのものを止めた訳ではなくまたいつかの新学期から再び現象は始まるはず。
恒一達が後輩に託したメッセージが正しく伝わり後悔しない選択をと願うばかりですね。
毎回怖いと言いながらもそれを補って余りある面白さで惹き付けてくれた作品でした。
新しい情報が開示される度にこうかな違うかなーと色々考えることも出来ましたしね。
正直自分が当てられた事なんて殆ど何もなかったわけですがそれはそれで良いのです。
この辺のホラーやミステリーに対する個人的な見解は1話の感想で既に語ったので割愛。
ホラーはどちらかというと苦手な分類に入る私ですが特に今作では音の要素が怖かった。
もう場面毎に適した音楽や効果音を的確に使用してきて不安や緊張を煽る煽る(^^;
今回だと視点の中心になってる人物の背後から突然不意打ちで襲ってくるところとかね。
突発的な音にはビックリするけど刃物が人に突き刺り血が吹き出る描写等が加わるので。
そういう意味を含めて突然鳴り響く音という要素に1クールの間怯え続けておりましたw
夜見山で上手くやっていくための心構え4も判明ですがこれは序盤では出せませんよね。
これを公開しちゃうと怜子さんと三神先生が同一人物だと早々に分かってしまうのでw
増えた死者は誰なのか分からないというのが作品の肝でもあると思うのでこれは当然か。
災厄自体は依然として残るけど今作では今年の現象を如何に止めるかが重要ですもんね。
話自体はこれで綺麗に終わってると思うしこれ以上の展開は逆に野暮かもしれませんが。
藤岡未咲が関わる前日譚としてのエピソード第0話は話の補完として楽しみにしたいです。
鳴が最後の方で観覧車に乗るのを拒否したのはこの話と繋がってくるような気もしますし。
今期の中で最も次週の話を待ちわびて何度も見直した作品は間違いなくAnotherでした。
製作スタッフの皆様、出演された声優の皆様本当にお疲れ様でした。
こんなに素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございますの言葉しかありません。
毎回大したことも書けなかった感想もどきに最後までお付き合い頂いた皆様。
元からなかった期待を更に裏切って落胆させてしまったかと思いますが(笑)
このような記事を最後まで読んでくださり本当にありがとうございました!
これを以て私のAnother感想を締めたいと思います。
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関連エントリー第12話「Stand by oneself -死者-」第11話「Makeup -惨劇-」第10話「Glass eye -漆黒-」第9話「Body paint -連鎖-」第8話「Hair stand -紺碧-」第7話「Sphere joint -変調-」第6話「Face to face -二人-」第5話「Build limbs -拡散-」第4話「Put flesh -輪郭-」第3話「Born work -骨組-」第2話「Blueprint -思惑-」第1話「Rough sketch -素描-」http://hienkyaku.blog50.fc2.com/blog-entry-2642.html
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うんうん頷いたり、ニヨニヨしたり…毎回楽しく読ませて頂きました(^^)
原作では死ななかった生徒が死んでしまったり、逆に原作で死ぬ生徒が生き残ったり…
改変点も色々とありましたが、やはり何と言っても風見君が…!
4話以降の“沈黙”は意図的な演出だったということが判って納得が行った反面、やりきれなさも…
死者の正体が明かされるシーンの演出はアニメならではの盛り上がりでした(^^)
アニメ化の報を最初に聞いた時は「どうやって映像化するの?」と思いましたが、実に上手く処理しましたね…
(最初は「“現象”の影響で恒一の目には怜子さんのビジュアルで映っている」ということなのかと思ってましたが、普通にオンとオフでモードチェンジしてたんですね^^;)
あと、これは事前に仕掛けを知ってたお蔭で楽しめたネタですが…
三神先生役だった宮牧美沙代さん(怜子さん役の榊原奈緒子さんの変名)を紹介したプロダクションの公式プロフィールのページが、Another最終話の放送と同時にひっそりと消えました。
こういう細かい仕込みまで手を抜かないスタッフの姿勢が心憎いです(^^)