月刊少女野崎くん #06「魔法をかけて、あ・げ・る♡」知らないことで安息を得られるのならそれでもいいじゃない。
真実は時として残酷なものなのである。



傍若無人に振る舞う結月の最大の被害者。野崎くんの後輩でもある若松くん登場。
誰よりも繊細かつ謙虚な心根を持つ彼もまた何故女性キャラではないのかと小一時間問い詰めたい…。
いや、本作の男性キャラらしいといえばらしいとしか言いようのない良い人なんですけどね。
本作の男性キャラは何故にこうも女子力の高さを兼ね備えている人間の多いことか(笑)
野崎くんとは中学のバスケ部繋がりの関係のようですが何気に回想の野崎くん4番つけてるんですね。バスケで4番と言えばキャプテンナンバーであり、若松くんが語る通りそれだけ上手かったのではないかと推測できるのだけど、そんなスポーツマンであった野崎くんが何をきっかけに少女漫画の世界に足を踏み入れることになり、しかも描く側の人間になったのか。こう言ったらアレだけど若松くんの悩みよりも気になるところであったかもしれない。


理想と現実。リアルでは犬猿の仲だけど、実は互いに精神的に支え合うかけがえのない関係というのは、如何にも少女漫画チックでラブコメ展開としてもしばしば見受けられる王道の関係性である。
しかし如何せん視聴者視点においては、その元ネタというか実態を知ってしまっているがゆえに、理想と現実のギャップで笑わざるを得ない状態に置かれているのが何とも悲しい物なのである。千代だって年頃の少女らしく素直に喜んでいるしこの漫画を読んで心ときめかせる読者の少女たちもこの関係性に夢を見るのであろう。ここにも知らない方が幸せという要素がチラついているのである。
しかしあれですね。やっぱり野崎くんの漫画は現実の女性が男性キャラのモデルに、男性が女性キャラのモデルになってしまうように出来ているんですな。何といっても今作の男性キャラは女子力高い人ばっかりだし、こうなるのも仕方ない。



自分が苦手としている相手に気に入られてしまうっていうのは往々にしてあることのような気がする。
気に入られてしまった背景には若松くんの懐いてるとも取れる行動にも相応の責任があるとは思うが。
ただ気に入られたのが若にとって不眠症の原因にもなっている結月なのがね。
しかもその不眠症を解消するのに役立っているのが他ならぬ結月の歌声というのは何という皮肉であろうか。
でも真実を知らないことで心身の安息を得られるのだからそれでいいではないかと。残酷な真実を知ってしまったら若松くんが心身ともに壊れてしまうよ…。本人は知らないうちにローレライ(結月)に対してプロポーズにも近い告白しちゃってる気もするけど知らないから幸せなんだ。千代も真相を知らないからこそ後輩のシャイボーイが照れ隠しで手袋を渡したんだと喜んでるわけだし。
結局若松くんの苦情は一切結月に伝わっていないのが悲しすぎるところでもある。
結月からしたら懐いている後輩が自分の歌を褒めちぎってるようにしか見えなかっただろうから当然か。
いずれにしろ結月の場合は自分に都合の良い考え方すると思うから何を言っても無駄かもしれないが。
若が結月に宛てた果たし状の丸文字からも彼の女子力の高さが窺い知れるのであった。



SOS聞こえた、やっとあなたに聞こえた~♪というわけで風邪でダウンしてしまった野崎くんからの緊急ヘルプ要請。普通に考えて行動していればヒロインになれたのに、環境に慣れて染まって来てしまっている千代ちゃん裏を読みすぎた。堀ちゃん先輩と若松くんと同じ結論に達するというのが、野崎くんにとって千代が一アシスタントとして彼らと未だ横並びの関係であるということを示しているようにも見える。
仮にだけどさ、この場にみこりんが来ていたとしたら絶対看病用の道具を揃えて息を切らして駆けつけてると思うのですよ。自分が千代ちゃんに対してマスコットキャラ的な印象を持ってしまっているのは、こういうところの積み重ねがあるからなのではないかと今更ながらにして思うわけです。



先輩には先輩の矜持がある、意地もある!甲斐甲斐しく世話を焼いて素直に言うことを聞く若松くん相手に出来ないと言い出せなくなるのもよく分かる。誰でも最初は初心者なんて先輩風を吹かせても、いざ新人が自分より的確な仕事したら焦る気持ちもよく分かる。180度態度を変えた二人の対応は大人げないとも思うけど文化部も上下関係はあるからね。仕方ないよね(笑)


台詞が分からないから周りの人物を参考にしよう~と言っても周囲にいる人がアレですからね。
みこりん以外をモデルにしたらマミコが面倒臭いヒロインになってしまうのも致し方ないこと。
何の疑問も持たず愛すべき親バカっぷりを発揮する堀ちゃん先輩には流石の千代も呆れるしかなかった。
普段は力に訴えて雑な扱いもするけど本当に鹿島くんのこと大好きですね、堀ちゃん先輩は。

頑張って仕上げてくれたみんなの気持ちは嬉しいだろう。でもプロの漫画家としての仕事である以上はちゃんと仕上げなければいけない。例えキャラの台詞や表情がマッチしていてもトーンや効果を一つ間違えばギャグにしか見えない漫画の恐ろしさを見た。トーンや効果って本当に大事でこれら次第で受ける印象が大きく変わるものなんですね。
これ作業していた三人のうち誰か一人でも途中でおかしくないかと疑問を持たなかったのだろうか(笑)
このままでは鈴木くんとマミコが情緒不安定でおかしな人になってしまいかねない。
よく子供の夢を壊してはいけないと言いますが、今回は正にそれに尽きるのではないのかなと。
例えば天下のミッキーマウス筆頭にゆるキャラの中に誰が入ってるかとか知らなくても良いのです。
夢のテーマパークも一つ裏に入れば予想以上に現実的なあれこれがあるとか知らなくて良いのです。
お気に入りのアニメや漫画作品の思いもよらない裏話や制作事情。
そんなものを知ってしまったが故に評価が反転してしまったなんて経験をした方もおられるのではないか。
要は知らないことで幸せな気分に浸れるのなら、幸せになれるのならそれでいいではないかというお話。
無知は罪?それも場合によりけりなのではないかとお気楽に考えているのが私なのです。
若松くんもとりあえず安眠できるようになったし結月との関係もこれはこれで有りなのではないか。
迷惑を被るのは変わらないかもしれないが気に入られているという証でもあると思うので。
新曲を調達してこなければならない野崎くんの心中は察するに余るところありますけどね。
それにしてもみこりんが出てこないとヒロイン不足が深刻だ!
今回全く出番がなかった余波なのか次回予告の中だけで物凄いヒロインっぷりを披露してましたけど。
そこに関しては千代ちゃんに頑張って欲しいし応援もしてるんですけどままならないものだ(笑)
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