ハナヤマタ #09「シスター・コンプレックス」身近な存在だからこそ素直になれず伝えられないこともある。
それでも互いのことを考える二人はやはり姉妹なのです。



予想していたより大事にならなくて一安心。それも周囲の的確なフォローあってのことでヤヤについては舞台に上がる前から、ある程度なるがこうなるのではないかという予見をしていたし多美にしてもそれは同様。付き合いの長い二人だから突発的事態にもある程度冷静に対応出来たのかなと思える。また体調不良で本人的にも一杯一杯であっただろうハナがなるの手を引っ張るところが良いですね。
よさこいの世界になるを引っ張ってきたのはハナであり、先に立ちなるを引っ張る役目を担うのがハナであるのが変わっていないことを示しているようにも見える。なるに手を差し伸べ引っ張り上げるのがハナ、両サイドで手を添え支えるのがヤヤと多美という構図が、これまで築かれてきた関係を示しているように見えて素晴らしい。
また、途中で中断しかけたこの舞台をどんな形であれ最後までやり切ったことは非常に大きいのではなかろうか。トラウマを抱えるなるにとってそれが発動したままそこで終わってしまうのと最後までやり切るのとでは、次に向かおうとした時に掛かる重圧が全く異なる。その意味で本番と位置付ける花彩よさこい祭りの予行演習としてこのイベントに参加した意義は十分にあったと言えるだろう。
皆のフォローあって大事には至らず今回の事態は収束しましたが、なるが抱えるトラウマを完全に乗り越えたわけではない。本番前にもう一度なるが己自身と向き合いトラウマを乗り越える必要はあると思いますが、周りにこれだけの理解者がいてくれればきっと大丈夫なはず。


憧れが強すぎるが故にそれが反転した時に抱く感情もまた強いものになってしまう。ましてやその対象が最も身近な存在である姉なら尚のこと。真智がサリー先生に憧れて求めていたのは、何でも一番で完璧にこなす理想の姉の姿。そこに不安定な非常勤講師という立場であるサリー先生と、実は正式認可に至ってなかったよさこい部の不安定な現状を見せることで、真智の感情を揺さぶってくる構成はお見事ですね。
普段あまり内面や感情を表すことのない真智会長なので、それを引き出す為にはコンプレックスや現状に対する不満を刺激するのが一番効果的でもある。今までのなる達とは異なりあくまでサリー先生を介してよさこい部に関わりを持ち見ているという点も新鮮です。



そもそも反発心や対抗心って相手のことを強く意識しているから生じてしまうものではないでしょうか。今にして思うと真智がやたらと勉強に熱を入れていたのも理想であった姉の姿に近づきたい思いがあったの同時に、昔とは異なる今の姉の姿を見せられていることも大きかったのではないかと。やればやるほど、意識すれば意識するほど自分にとっての姉の理想像と、現状の姿の差を痛感し知らず知らずの間に不満を蓄積させていく。負のスパイラルです。
だから他でもない真智自身が一番分かってると思うんですよね。自分がどうしたいのか、どうなりたいのか。でも長い時間を掛けて形成された複雑な心境を簡単に方針転換することも出来ない。突っ張っちゃうのが当たり前になってしまっているから。
となれば素直に向き合うためのきっかけを与えるのは外部の人間。姉妹の事情をよく知っている多美になるわけですが、関係ないと言われてむくれてムキになる多美お姉ちゃんの姿が面白い。考えて見れば年下のなる達と共に行動する機会が多いので、どうしても年上としての振る舞いをすることが多い。だから同級生の友達に悪戯を仕掛けるようなノリで動き回っていた多美の姿が凄く新鮮に映った。
お嬢様ではあるけど意外と我が強くて押しも強いお人ですよね、多美お姉ちゃん。




憧れていてくれるのを知っていたから、それを裏切って失望させてしまったのを知っているから再び失望させたくない想いで言い出せないサリー先生。そして理想の姉を追い求め同じ苦労と経験を積み姉の気持ちを理解しているのに、長年のわだかまりから素直に気持ちを言い出せない真智会長。もどかしさと何とか気持ちが通じ合って欲しいと思っていたから二人の和解シーンにグッと来てしまった。
親の言いなりだった自分に初めてやりたいことを、夢を与えてくれた妹。
その妹を心配して正規採用ではない非常勤という立場でも傍に居たいと願った姉。
否定しつつも常に理想の姉を追い続け、同じ道を歩みんできた妹。
互いに互いのことを常に思いあっている関係。どちらも姉妹が大好きなのである。
姉の真意を知った真智が伝えたのはたった一言「どう…だった?お姉ちゃん」である。しかしそれは仕方ない。長年掛けて築かれた今までの冷え切った関係が直ぐに元に戻るはずはないのだから。でもその問いに笑顔で応えたサリー先生のピースサインが「全部分かってる。ありがとう」の意を体現してるように見えたのです。
決して多くを語ったわけではない。でも二人の関係が明確に変わった瞬間。
その一言に、一つの動作に様々な思いが凝縮されていた和解シーンであったと感じた。
本当にここのお互いのやり取り、表情の変遷は素晴らしい。最高でした。
ということで今回はなると真智の二人が、長年抱え続けていた悩みに対して解決の糸口を見出し、きっかけを掴んだ回だったと思うのです。まだ完全解決に至った訳ではない。なるが次に舞台に立った時、今回と同じ症状が出ないという保証は今のところまだない。次の合宿を通して更なる成長を遂げられるかは見ものである。
真智会長とサリーちゃん先生の関係にしても直ぐには元に戻らないかもしれない。冷え切っていた期間と同じくらい元に戻るのに時間が掛かるかもしれない。でもこれからの活動を通して少しずつわだかまりを解消していく二人の様子を見られるのならそれはそれで素敵なことではないだろうか。
憧れの人のようになりたいと願っていた点において、なると真智は似通った性質を持つキャラだったと言える。そんな二人のトラウマやコンプレックスを前回と今回で上手く描き出しプラスの方向に持っていったのではないかと思います。

なるちゃん達の通う学校の部活動一覧。排球部やら篭球部など漢字表記なれど至って普通の部活動。
学校アイドル研究部?まぁ今の時代ならこういうのも有りかな?有りですね。
恋愛研究部?ううむ、まぁ年頃だしこういうことを研究するのも有りかな?有りで。
そんなことを考えつつ何気なくもう一度見直したら戦車部…戦車部!?
漢字表記に紛れてとんでもない部活動が紛れ込んでるじゃないか。
こ~れが私たちの戦車道~♪
部活動として見たらよさこい部よりもよっぽどマイナーなジャンルの部活じゃないかな。
正直この三つの部活動よりは活動実績が作れそうな気もするけど気のせい?
これらの部活に顧問が付いてるのだから、よさこい部に顧問が付いてもいいじゃない。
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