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甘城ブリリアントパーク 第2話「華やかなだけでなく気苦労が多いのはマスコットの世界も同じである」

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甘城ブリリアントパーク #02「時間がない!」

文字通り従業員の命が掛かっているテーマパーク再建。
支配人代行の座に就いた西也の経営手腕は如何ほどのものであろうか。
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前回に続き、甘城ブリリアントパークの置かれた更なる厳しい現状が見えてくる中で、今回は同時にファンタジー要素の説明回。甘城企画との契約内容もさることながら、それ以上にテーマパークを訪れたゲストの楽しい気持ちの結晶『アニムス』が得られなくなればメープルランドの住人にとっては存在の消滅という結果に繋がってしまう。アニムスの集積機能を備える施設である甘ブリが置かれた状況は、職場がなくなるとかそういうレベルを飛び越えて文字通り従業員の多くの命が掛かっている危機的状況であった。

この状況下においても「キャスト」の多くに危機感が見られなかったのは、甘ブリが置かれた状況が秘匿されていたからに他ならないわけですが、従業員の危機感を煽った西也と彼の心情の繋げ方が上手かったなと思うのです。栗栖に子役時代のことを指摘され落ちぶれた西也の現状を憐れまれたわけですが、ここに来て西也個人と甘ブリの置かれている現状が被ることに気づいた。

西也が甘ブリのために動こうとしたのは困っている彼らを見捨てておけないという気持ちより、かつてエンターテイメントを提供しお金を得ていた元プロとしての矜持の方が大きかったのではなかろうか。今の自身の境遇と甘ブリの境遇が重なってしまうだけに、何もせず諦め嘆くだけの彼らの姿に我慢ならなかったのではないかと思われる。従業員を煽る言葉は、同時に自身をも煽り奮い立たせていたようにも感じる。甘ブリを再建することが、ひいては自身の再建に繋がることを無意識化で感じ取っているようにも映った。

また西也の内面が少しずつ見えてきたのと同時に、今回はいすずの心情にも触れられていて彼女が頑ななまでに強硬な姿勢を崩さない理由も理解出来た気がする。支配人代理としてこの一年従業員の命を背負ってやってきたいすずでしたが、この世界における常識に欠ける彼女の行動は何の成果も出せずに空回り。遂にはパークを閉園ギリギリの状況にまで追いやってしまった張本人でもあり、その責任を一身に背負っていたからなんだなと。

いすず一人が悪いとは言わないけど代理とはいえ支配人の立場についていた以上はその責めを問われるのも必然。その重責を知っているからこそ、最後にいすずが西也に対して言った「ありがとう」の一言は彼女の心からの本心なのだろう。この世界における常識に欠けるいすずの精一杯の誠意、自分の代わりに重責を担う立場に就いてくれたことへの感謝。たった一言ではあったけど様々な感情が凝縮された「ありがとう」だったのではないかと感じる。

ファンタジー要素の説明回であったわけですが、とりわけ気になったのは本作の魔法が制限なしに何でもできる万能なものではなかったことでしょうか。西也の心を読む魔法にしても一人に付き一度きりしか使用できないという制限が存在し、無尽蔵に使えるものではない。そもそもそんな便利な魔法が使い放題であったなら多少なりとも甘ブリの経営状況も変わっていただろうし、現状を鑑みるに本作の魔法がテーマパーク再建においてはあまり頼りにしてはいけないものだということは把握出来た。

そうなると甘ブリの再建には常識的な経営手腕が問われてくることになると思うのでここからどう巻き返すのかはやはり見ものです。いすずの発言から経営のプロすら匙を投げたことが明かされたわけで、いくら西也が頭脳明晰とはいえ一筋縄ではいかないだろう。栗栖とのやり取りで西也の経営の才能みたいな片鱗は窺えたましたが、それでも一学生であることには変わりませんからね。子役時代に培ったであろう芸能のノウハウがあるのでエンターテイメントに関して完全な素人というわけでもないですけど。

更に従業員のやる気を引き出すためとは言え煽りに煽ったせいで現状はキャスト全員から総スカンを喰らってるような状態。ここからキャスト一同とどうやって信頼関係を構築し甘ブリを建て直していくのか楽しみです。テーマパーク、人間関係、西也自身と建て直していかないといけないものが多く共通しているのも本作の魅力だろうか。


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時に子供は残酷な言動を繰り出すことがあるわけですが、マスコットはマスコットでやさぐれてるなぁ(笑)
本作の場合「中の人などいない!」が本当であるからしてこれがマスコット本人の偽らざる気持ちなのです。
現実のテーマパークでマスコットに入ってる人の本音が見えたような気すらして若干怖くもなってきたよ。
しかし一番怖かったのはマスコットを殴る蹴るしてる子供を見て笑っていたモブのお母様であった。

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