日刊アニログ

甘城ブリリアントパーク #03「テコ入れが効かない！」

今の時代、安易に水着を出しただけでは集客増加に繋がらない…。
でも自分は簡単に釣られると思います。

---

もう本当に後がないところまで追いつめられている甘ブリの経営状況なので、今後何かを仕掛けるにしても一つのミスも許されないのが現状である。そこで支配人代行の座に就いた西也が提案した改革案は、現実的なものもあれば非現実的なものもあり、キャスト側から反対意見が出るのも当然の内容のものもあった。

今後に向けて資金は絶対的に必要になるものだが、当面の目標は収益を挙げることではなく、目標人数を集客することにある。まぁ集客と利益を出すことは切っても切り離せない事柄なので、どちらかを追及すればもう片方も自然とついて回るものですけどね。

西也が無理を承知で無謀とも言えるような改革案を打ち出したのは、集客のための宣伝はもちろんだけど何よりも従業員側であるキャストの意識改革を行いたかったのではないだろうか。何事もやる前から無理だ、駄目だと決めつけ行動に移すことが出来ない。長きに渡って低迷したことでパークに蔓延している負のオーラの払拭。

第1話において西也が「誰かに夢を見せたいなら、まず自分たちがその夢を信じるべき」だと発言していた。いい加減な気持ちで成し遂げられるものではないし強い意志と信念が必要だというのが、エンターテイメントを提供する側としての西也の考え方でもある。あの改革案には支配人代行としての自分の考えをキャスト全員に浸透させたいという西也の気持ちが表れていたのではないかと思う。

実際に甘ブリが低迷した要因の一つにキャストの意識不足というのはあって、それを象徴していたのがモッフルがモンペアに手を出したシーンであったと思う。どう考えても悪いのはあのDQN一家だけど、現実的な観点から言えば如何な事情があろうと従業員がゲストに手を出すなんてことはあってはならんことなわけです。

西也の入場料無料案に対し「プロの自分が無償で芸を披露するなんてあり得ない」とモッフルは主張していたけど、こういうことをやっていてはプロ意識が欠如していると取られても致し方ない。頻繁ではないにしても都合の悪いことを魔法でなかったことにしてきた非常識さは、間違いなく甘ブリが低迷し衰退していった要因の一つであると思うわけです。

西也のやったことは炎上マーケティング的な要素が多分にあったものの、起きたことをなかったことにするのではなく、それを如何に自分たちに有利な状況に繋げられるのかということをメープルランドの住人達に体現して見せたところに意義があったと感じる。これが今までの甘ブリにはない西也を招き入れたことで生じた変化であり、西也の経営的な手腕の一端が発揮された場面であったと思えた。

また視聴者視点で言えば「水着だやっほー！」となったとしても、この世界の住人視点で見れば遊園地主体のテーマパークを求める人物が、水着を着た美少女のPVを見たとしても行こうと思う者の方が少数だろう。水着の宣伝が効果を発揮するとは西也も期待していなかったようだが、先の炎上を利用した件も含め彼の何とか現状を打破したいという思いは伝わってきた。ということで今回は、支配人代行の座に就いた西也が、従業員の意識改革に重きを置いているのかなと思わされた話でありました。

しかし現状打破のためには、このテーマパークでなければ見ることの出来ない特有の「何か」が必要であると思うが依然としてその形は見えてこない。加えて支配人ラティファには何やら秘密があるようで、経営に関わることではないと言いつつプラスに働くこともないであろうことは窺い知れる。甘ブリ再建の大きな転機となる出来事がどのようなものになるのかは、引き続き楽しみにしていきたいところである。






ある程度テーマパークの運営が持ち直すまでは、現実的な経営要素が前面に出てくるため、どうしても話が地味になりがちなのは避けられない。そこを補填すると言えるかは分からないけどマスコット同士の醜い抗争や罵り合いは華やかなテーマパークの裏の面を象徴し、マスコットの見た目とのギャップも相まって物語に華を添える役割の一端を担っていると思う。ただこればかりでは遠からず飽きも来ると思うので、それを感じる前にストーリーに大きな動きが見られれば良いなと思うところです。


にほんブログ村

関連記事

• 甘城ブリリアントパーク 第5話「支配人代行としての存在感を見せた西也の咄嗟の機転が光る」
• 甘城ブリリアントパーク 第4話「西也といすずが互いに欠点を補い合う関係になっているのが良い」
• 甘城ブリリアントパーク 第3話「これぞ炎上マーケティング！だがそれで集客を見込めるほど甘くもない」
• 甘城ブリリアントパーク 第2話「華やかなだけでなく気苦労が多いのはマスコットの世界も同じである」
• 甘城ブリリアントパーク 第1話「本物のファンタジー要素を含んだテーマパーク再建物語」