天体のメソッド #05「光の花」長年抱え続けてきた罪悪感からの解放。
これで良い方向に向かい始めたら良いな。




柚季を軸とした周囲の人物との関係の修復と柚季が向き合うことから逃げた己の罪と向き合う回。過去の回想シーンの描き方が断片的で一見すると確かに分かりにくい部分があると自分も感じたが、断片的とはいえ今回の回想シーンで水坂兄妹に起こった出来事やそれぞれが抱える胸の内は見えてきた。
子供って自身に責任があることを理解した上で、何かに責任をなすりつけて逃避しようとすることって確かにある。柚季の場合、円盤が悪いと思うことで兄である颯太に怪我を負わせた罪悪感から逃れようとしていた。それで罪の意識から逃れられないことも自分が悪いことも分かった上で、そうせざるを得なかった柚季の気持ちも分からなくもない。
こうなった時って下手に優しくされるよりも責められた方が気が楽になることってあると思うのですよ。実際柚季もそう思っていたはずで、だから颯太が優しく接し謝罪してきたことに反発してしまった。悪いのは兄ではなく自分。円盤にその原因を求めることがお門違いということを他でもない柚季自身が一番痛感してるから。
今まで私は柚季の願いは「関係の修復」だとばかり思っていたが、本当の願いは「贖罪」だったのかもしれない。そして贖うための道は二つであるように思う。誰かに咎を責められることで罪の意識に苛まれ続けるか。もしくは自分の非を受け入れて素直に向き合うか。最終的に柚季が選択したのは後者であり、柚季が周りに赦されるの同時に、柚季が乃々香を赦す関係になっていたのが素晴らしい。
上述したように悪いのは自分であり罪の意識をずっと背負ってきた柚季だからこそ、全てを忘れ去っていた乃々香の存在が許せなかったんだなと思い至る。二人が今日まで辿ってきた境遇は対照的であり、その二人が赦し赦される関係になっていたのが良いなと感じた。
また存在自体が異質ながら可愛らしい見た目や言動も相まって、誰に対しても自然と接近出来るノエルが果たしていた役回りも光っていた。特にしがらみがなく、自由に動き回れるノエルは、状況的に乃々香が接触し辛くなっている相手に対し乃々香の気持ちを伝える代弁者になっている。表立って頑張っていた乃々香と、その自然な立ち回り故に派手さはないけど物語を動かすキッカケを作るノエルの表裏一体な関係も面白い。
結果的に花火の打ち上げこそ叶わなかったが、乃々香とこはる筆頭にそこまでの努力の過程、柚季の葛藤を乗り越えてこその和解だったと思うし、逆に年相応に出来る限りを尽くしたことが、柚季の気持ちを動かすキッカケになったとも思うのでこれで良かったと思う。夜空に浮かぶ円盤に花火が映し出されたのは、ノエルの粋な計らいか。それとも柚季の「願い」が成就したことを反映してのものなのか。解釈の余地が残るのもまた一興であると感じた次第である。
同時にノエルが単純に天真爛漫で考えなしのキャラとは言えないのではないかと思わされたところでもある。乃々香の代弁者的な立ち位置のことと合わせて、実は見た目に反しとても思慮深いキャラなのではないかとね。いや、見たまんま天真爛漫で直感的な行動が良い方向に向いてるならそれはそれでいいんだけどね!


汐音とノエルの会話シーンはちょっとニヤけてしまった。汐音はクールな見た目に反してやたら甘党の気があるみたいだし。乃々香との関係をノエルに問い質し、乃々香のことが気になって気になって仕方のない汐音の乃々香に対する思い入れの深さマジ半端ない。前にも言ったけどもうこれ絶対に乃々香のことが大好きだよ。汐音に関しては、3話で自分が感じた通りになりそうな予感しかしなくて期待せずにはいられない。
強すぎる思いが反転した際の反動は物凄いと書いたけど、乃々香に対する汐音の想いがもう一度反転したら最強クラスの百合キャラ誕生待ったなし!いや、是非ともそうなってくれという身勝手な願望です。はい。
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