天体のメソッド #06「本当の友達」改善の兆しを見せ始めた乃々香たちの仲睦まじい姿が印象深い。
一方で未だ糸口すら見えない乃々香と汐音の関係はどうなるか。




わだかまりを解消するためには本音をぶつけ合う必要があるということでやってきました温泉回。互いに包み隠さず全てを曝け出すという意味で「裸のお付き合い」を通して親交を深めるのかなと思っていたけが、そう単純な話でもなかった。しかし普段とは異なることをすることで生じる変化も確かにあって、その辺りは柚季の意図したことが功を奏した部分もあろう。
乃々香からすれば温泉に招待されずとも、花火の際の謝罪を持って柚季のことは許していただろうが、柚季の心情がそれで納得出来たかどうかはまた別問題である。柚季が自分の気持ちと乃々香に対し、如何にして向き合いケジメをつけるのか。柚季にとってそれが簡単でなかったことは、夏から初秋へ季節が変遷してなお悩んでいたことからも察することが出来る。
また今回は温泉旅館でのやり取りを通して二つのことが同時に描かれていたように思うのです。一つは乃々香と柚季の仲直り、もう一つは乃々香と汐音のすれ違いである。特に気になったのが乃々香と汐音の関係であり、直接会うことはなかったが、あと一歩というところでのニアミスが、現時点における二人の心の距離感を示唆していたように映った。
近いようで遠い。遠いようで近い。そんな微妙な距離感。そして些細な誤解ですれ違ってしまっている可能性のある二人の今の関係。今回乃々香と汐音が直接対峙することは一度もなかったが、直接的なやり取りを経なくても双方の関係性を上手く描き出す作りになっていたのは見事。
また要所要所で存在感を放つノエルの立ち回りは今回も健在であった。現状で乃々香が接触の難しい相手に対しノエルが突破口を作るのは、前回の柚季の時と同じで今回も汐音に対して一つのキッカケを作っていた。誰かと一緒にいることの楽しさを否定しつつ、ノエルとの一泊旅行で揺さぶりを掛けられたのも事実であり、これも変化の一つと言えよう。その意味で汐音にとっても今回の温泉旅行は意義のあるものとなったのではないだろうか。
今まで険悪だった人物の関係に改善の兆しが見られ、未だギクシャクしている乃々香と汐音が直接やり取りするシーンがなかったため、今回は終始和やかというか緩い雰囲気が漂っていたがそれが心地良い。特に最悪と言ってもよかった柚季と颯太の会話シーンは、今までとは一線を画すものであり感無量。互いに憎まれ口を叩きながらも嬉しくなってしまう。
仲の良い兄妹でなければ成立し得ない二人の今の姿は、今までと一番大きく変わった部分かもしれない。乃々香と柚季の関係も大事なんだけどどうしても兄妹仲の方に目が行ってしまった。
終始締まりのない緩い雰囲気では物語としていけないのかもしれないが、本作が始まる前に期待していたのがこういった雰囲気だったので、今回のテイストは個人的には好印象。颯太を基点としたギャグ的な要素も入り、これまでとは一味違う印象を受けた回でもありました。


妹と一緒に温泉旅行なんか行けるかと言ってしまった手前、素直になれなくなってしまった颯太が可哀想であった。いやね、素直に行きたいって言えばいいじゃないと思うかもしれないけど言えないんだよ!年頃の男の子のプライドというか譲れない部分だよ!素っ気なく振る舞いつつ誘ってくれるの待ちなんだよね。本当良く分かるよ、その気持ち。
「
俺、来年はこの街にいないんだぜ…。誘ってくれてもいいと思うよな?」
今回他の何よりも重く響いた台詞になりました。一瞬期待しただけに当てが外れてショックも大きかっただろうなぁと。顔ハメ看板に話しかける颯太の姿がもう不憫で不憫で…。相談相手がこはるが普段収納に苦戦してる看板なのは何の因果であろうか。哀愁しか漂わない。
一切の悪気はないんだろうけど一点の曇りもない笑顔で「手は打ってきた」と発言したこはるさん。
一番優しそうなイメージのこはるが恐ろしく見えてきた今日この頃。腹黒ではない…はずだ。
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