日刊アニログ

甘城ブリリアントパーク #08「恋心が届かない！」

モブでも主要キャラに劣らない個性派キャラが勢揃い。
入れ替わり回はどうしたって内容がカオスになりがち。

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体調不良でダウンした西也に代わって替え玉で急場を凌ごうということで、これまで殆ど描かれることのなかった高校がメイン舞台となった回。率直に言うとラブコメディ要素全開で面白かったのです。マスコットのゲスさも全開で話のインパクトとしても今までで一番だったかもしれない。

ただ面白かったけど今この話をやってる場合なのかという思いもあるにはある。今回使用した替え玉用の着ぐるみ技術がテーマパークの再建に役立つキーアイテムになるというなら話は別だけど。

前回のラストで栗栖が再接触してきたことによって、否応なしに残り期間が少ないことを意識付けられただけに余計にそう感じてしまったのかもしれない。西也の出席日数も大事かもしれないけど甘ブリの状況はそれ以上に切羽詰っているだろうと。支配人代行が不在では新しく何かを仕掛けることも出来ないのかもしれないけどそれでもね。日替わりの替え玉だったので登板日以外は見えないところで甘ブリのために頑張っていたんだ。そう思うことにしよう。

さてさて。今回は明らかに無理のある替え玉であったが、それでもある程度凌げてしまったことで西也と周囲の人物との距離感。また西也に対する周囲の人物からの評価が見えてくる回だったのではないかと思う。本人が本筋に殆ど絡まなかったのにも関わらず、西也の人物像や彼に対する周囲の認識が浮き彫りになる作りは面白いと思った。

本人に成り変わることで普段は見えてなかったものが見えてくる。それを受けて初めて気づくこともあるだろう。それが顕著に表れていたのがいすずだったのではなかなと。普段学校で西也と共に過ごす時間のあるいすずは、他のマスコットたちよりも余計に見えてなかった面を実感出来る立ち位置にいる。最後の西也とラティファのやり取りを見守る様子も含め、出会ってから西也に対する心象が一番変化しているのはいすずなんだなと実感させられた。

しかし何をするにも体が資本であることはどの世界、どの業種であっても万国共通の不変の真理ですね。「健康は何よりの宝」というラティファ様のお言葉は至言。彼女の場合、生来の身体の弱さに加えて他にも複雑な事情を抱えているらしいことが示唆されているので、その言葉が余計に重く響く。ラティファの言葉でなければ西也は大人しく聞き入れなかったんではないかなぁとね。いすずとの差がこういうところでも感じ取れて切なくもなる。

メインは土田さんと木村くんの関係に替え玉西也を絡めたドタバタラブコメの様相を呈した回だったと思うけど、その裏でいすずの心境が見え隠れしていた回でもあったように思えた。最終的にただ一人、今回の裏表全てを見ていたことになる中条椎菜の存在も光っていました。ある意味、影の主役でしたね。

サブタイトルに偽りはなかったが、しかし残り期間は本当に少なくなってきたぞ。
どうする、どうなる、甘ブリの未来。





京アニ作品、ノリの良い陽気な弄られキャラ、声が阪口大助さん。あ、春原だ！美少女キャラだけを堪能したい人にはあれかもしれないけど自分はこういう男性キャラめっちゃ好き。人間の主要男性キャラって西也しかいない作品なので尚更新鮮に映った。ギャグ要員とそこから生じるギャグ要素ってやっぱ重要だ。

そして今回の表の主役。キーパーソンの土田香苗は…。何というか色んな意味で危うい子だ。まともな貞操観念があるかと思いきや些細なことでも感情が大きく揺れ動く。その振れ幅の大きさが危険極まりない。このまま独り身だと将来的にいけない人間に騙される可能性大なだけに、木村君とくっ付いて幸せになった方が良いと思う。間違ってもマカロンやティラミーのような者に引っかからないことを切に願う。

しかしモブキャラでも主要キャラに負けず劣らずの個性派揃いなところは流石の京アニクオリティと言ったところでしょうか。この高校の女子の平均レベル高すぎてもう何も言えないよ。羨ましい限りだ。


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