天体のメソッド #08「彼女の信じること」これで全てが丸く収まるほど甘くもなかった。
どうするどうなるノエルと円盤!?




長い間凍り付いていて乃々香と汐音のわだかまりが解消されようやく歩み寄りの気配を見せたと喜んだのも束の間。終盤ノエルと円盤の存在が物語に一石を投じてくることは何となく予想出来ていたつもりだったが、自分が思っていた以上に展開が早い。せめて、せめてもう少し乃々香と汐音がイチャイチャ、もとい友達として仲良くしていく姿を見たかったよ!それは本当に最終盤までお預けかな。
乃々香と汐音の和解ということで、今回は特に今までその心情を読み取り辛かった汐音の内面に迫っていたように思う。子供の頃に抱いた純粋な思いって後々の人格形成や生き様に多大な影響を与えると思うのです。それは汐音にしても乃々香にしても同じで。しかし純粋故に残酷でもあり、後々重たく圧し掛かってしまうことも往々にしてあるわけで。
乃々香だって約束を違えるつもりなんて微塵もなく、母親の療養が終われば直ぐに戻れると信じて疑わなかった。汐音だって乃々香が直ぐに戻ってくることを信じて疑わなかった。二人の純粋な子供の気持ちを踏みにじるかのように進行してしまう現実が残酷なわけでね。そしてその後歩んだ両者の生き方は対極そのもの。片方は全てを忘れることで苦痛から逃れ、片方は全てを覚えていて苦痛を抱えながらも待ち続けた。故に生じてしまったすれ違い。
ただ複雑に捻じれてしまった関係でも仲直りのキッカケは意外と些細なことというのは颯太の言葉通りなのかもしれません。二人にとっては「再会の約束」こそが本当に大事なものであり流星群を見ることは、その約束を果たすためのキッカケに過ぎない。しかし乃々香の母親が居ない以上は、当時を本当の意味で再現することはもう叶わない。
だからこその代替のプラネタリウムなのかなと思えたのです。新しい友達関係の始まり。幼少時に二人が友達になるキッカケを作ってくれたのは乃々香の母親だったけど今回は違う。今の汐音と友達になりたい。それが乃々香の意思。
もう一度友達になりたいという汐音に対する乃々香の「違うよ」という発言。それに対する汐音の自己紹介を交えた形でのレスポンス。これは序盤で全てを忘れていながらも汐音と友達になりたいと言った「今」の乃々香に対する時間を置いた返答なんだなとね。ちょっぴり複雑で、でも根底にある思いは単純明快。そう思ったわけなのです。
拗れていた期間が長かっただけに、乃々香と汐音の仲睦まじい姿をもっと見たかったと冒頭で書いたが、逆に短かったからこそ凝縮されたシーンに尊さを見出せる。汐音の友達になってくださいからの一転した態度は、ノエルが置かれている境遇を察してのものでしょうけど、汐音が何かに気づいた合間のシーンがなかったら心中穏やかではいられなかったかもしれない。
今後は物語の核心部分である円盤とノエルの存在に迫っていくのだろう。乃々香たちがかつての関係性を取り戻せば取り戻すほど、逆にノエルの孤独感と異質感は浮き彫りになっていく。未だ詳細が不明な円盤に関しても、本当に乃々香たちが呼んだものなのかという疑問が改めて提示された。物語も終盤に突入。行きつく先はどこなのか。最後にみんな笑って一緒にいられるのか。まだまだ目が離せません。


有無を言わさず汐音を引き留め、緊急時には水をぶっかけることを躊躇しない。
温和な見た目とは裏腹に、実は作中で誰よりも行動力があるのはこはるではないかと最近思い始めた。
前にも言ったけど腹黒ではない…。ないはずなんだ。これは純粋な好意からくる行為なんだ。
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ノエル=円盤だと自己申告してるのでそれを前提に考えてますが、実際はそのままの意味ではないのかも?