異能バトルは日常系のなかで #09「『布告』ガールズアプローチ」徐々に表面化していく文芸部の面々が抱える思い。
女の戦いは異能バトルよりも恐ろしい。




夏休みを目前に主人公の与り知らぬところで進行するそれぞれの恋模様。自覚を持って動く者、他者からの干渉で動く者、気づかされる者。それぞれの反応は多種多様なれど、根底に抱える寿来へ対する感情は共通している。
ラノベ原作のいわゆるハーレム物に属する作品のアニメにおいて、この問題を表面化させること自体が珍しいかなと思うし、故に何らかの決着が着くところは是非とも見てみたい。実際のところは結論は出せずに誰かを選ぶってことは難しいだろうけど。美少女が勢揃いの中に男一人のコミュニティでそれが為される時は、作品の完結を意味するところでもあると思うし。
寿来が誰かを選んでくっ付いてしまうことは、文芸部が保っていた絶妙なバランスを崩してしまうことにも繋がりかねない。ひいてはそれが彼らの「日常」を崩壊させる可能性があることは、序盤の頃の感想でチラッと書いた覚えがあるが、それが表面化しそうな気配。いずれにしても異性としての感情を自覚して動いてくるヒロインズの干渉に対し、寿来が如何な反応を示し対応していくかは見物である。
灯代に対する鳩子の宣戦布告は、これまでの話の積み重ねもあって遂にこの時が来たかと。その直前に二人だけで会話するシーンを作り、寿来に対する理解度の違いと鳩子の不満を見せることでより強烈な印象を与えられた。千冬と彩弓に関してはこうやって巻き込んでいくのかと感心して見てました。特に彩弓に関しては静夢を上手く絡めて来たなという印象。
傍観者を自負する彼の今回の干渉は、若干行き過ぎていて当事者になってしまっている感もあるが、静夢の目的はただただ事態を面白おかしくすること。それだけ。他の三人と異なり、彩弓は自分の気持ちを自覚しながらもどこか一歩引いた姿勢を取る傾向にある。故に煽って火を付ける。全員が対等の条件、横並びの状態からのスタート。傍から見てる分には確かにその方が面白いのは間違いない。視聴者もある意味では傍観者であるからしてね。
女子トイレでマジに語る静夢の姿はシュールであるが、逆にそれが今作における彼の特殊な立ち位置や異質さを浮き立たせているようにも映った。
千冬に関してはもうただただ微笑ましいです。カレーの例え話も円との会話も全て癒しとなる。灯代と鳩子の会話でも出ていたけど「穢されてない」ってこういうことを言うんだろうなぁと。お姉さん方が割とリアルでドロドロしてきた中で千冬の存在は本当に貴重である。もうロリコンでも良いんじゃないかな、かな。
それにしても前回の引きからこういう流れは想像してなかったなぁ。サブタイトルに偽りなしの回ではありましたが。ちょこっとだけ触れられたけど寿来の覚醒異能に関しては、詳細不明のまま進行してしまった。各人の反応から最初のヘッポコ能力とはまた別の何らかの危険性を孕んでいるようにも映ったが果たして…。

実は厨二から卒業しようとしていた寿来をその道に引き留めた張本人であったらしい灯代さん。
銀髪の桂にサングラスをかけて自らを「妾」と呼称する。
寿来が可愛く見える程に痛々しかったであろう灯代さんの姿を是非とも見てみたかった。
回想でも何でもいいので今後その姿を見る機会が訪れることを願うばかり。
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