天体のメソッド #11「流星群の夜」いつかはこの時が来ると覚悟はしていた。
しかし実際に来てみると悲しいものはやはり悲しい。




思いは一つで願いも同じなのに再度バラバラになってしまった乃々香たち。冒頭で彼女たちが個別に思い悩む姿を挟みつつ、かつての関係を一つ一つ再構築していく中で、円盤召喚時にいたメンバーの最初の願いが何であったのかを初めて明かしていく流れは美しい。
多少の差異はあれど全員の願いは大元の部分で一致していて、色々と遠回りもしたけどここに至ってようやく収まるべき形に収まった。回り道をしただけに、かつての関係を取り戻し全ての始まりとなった展望台に全員が集結したシーンは感慨深いものがある。当時と変わらない。でもここから始まる新たな関係の第一歩。汐音の自己紹介と率先して写真撮影を行う姿にそれが象徴されているように感じる。
ノエルのおかげで今の自分たちがある。感謝の気持ちがあるから願いをかなえてくれたノエルにお返しをしなければならない。別れを覚悟の上で、今度は自分たちがノエルの願いを叶える番と気丈に振る舞おうとする皆の姿にもらい泣きしそうになってしまった。
これまでみんなを見守ってきたノエルが一人一人に接し宥めていく姿は、誰よりも年上然としたもので毅然としたものであった。それは円盤としての役割を全うするために動いているノエルだからこそのものなのかもしれない。それだけに本当の別れの直前でノエルが見せた涙を堪えきれずに流す姿が印象に残る。
初めて円盤や役目とは切り離された「ノエル」個人の感情がストレートに出た場面で、これが乃々香たちと接する中で生まれたノエル自身の感情なんじゃないかなと思わされたところ。円盤として乃々香たちの願いを叶えることは当然のこと。でもみんなと触れあう中で無意識のうちに別れたくない気持ちが生まれ、齟齬が生じてしまった。
願いを叶えるために円盤が予め定めているノエルの一連の行動をメソッド、ノエルの感情をデータと置き換えると分かり易いかもしれない。乃々香たちの願いは成就し手続き上は問題ないが、データであるノエルの感情に当初は想定していなかった要素が入り込んできた。故にエラーが発生し、それが自分の感情を持て余し涙を流したノエルの姿に繋がるとでも言えばいいのかな。
そう考えるとこれまでの一歩進んで二歩下がるような、こじれにこじれた乃々香たちの物語にも意味が出てくるのではないかなと。乃々香たちの関係がアッサリ修復されて、すんなり願いが叶ってしまったのならノエルにそういった感情は芽生えなかったかもしれない。何度も衝突し、すれ違いを繰り返しながら進んできた乃々香たちをずっと見守ってきたノエルだから生じた別れたくないという思い。
作品タイトルのことも鑑みて、こう解釈すると自分の中で色々と納まったような気になる。
あくまで気がするだけですが。
乃々香たちの願いが成就し消失してしまった円盤とノエル。最後にもう一度ノエルと再会する流れに持っていくのか。あるいはこの大事な経験と思い出を胸に秘め未来へ向けて歩き始めるのか。このままお別れではあまりに切ないのでもう一度再会する展開を自分は希望したい。
この流れでまとめに入って次で終わりかと思ったら来週はまだ最終回じゃない!?
てっきり次で終わるものだとばかり…。
きちんと話数の把握くらいしとかんかい!って話ですね、はい。
いずれにしても次でまとめて割と綺麗に終われるんじゃないかという流れなだけに、残り2話でどういう話を展開するのかは純粋に楽しみ。ノエルとの再会を望むのであれば、新たな願いを模索するのに1話使うのも有りだけど、それだと少し間延びしそう。
もしくは物語自体は来週で完結させて最後の話はおまけ的なエピソードをやってくれるのであればそれはそれで良いかも。ギスギスも涙もない。当初自分がこの作品に求めていた再会した友人同士の仲睦まじい姿を描いてくれるとかね。そして最後はみんなでニッコリになって終わる。そうなれば嬉しいな。
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