日刊アニログ

冴えない彼女の育てかた #00「愛と青春のサービス回」

気が付くと恵を目で追っている自分がいた。
これが「メインヒロイン」の力か。

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第0話という位置づけとサブタイトルに偽りなし。始まりではあるけど物語の本当の意味での始まりの部分ではない。既に完成された各キャラの関係性を見せつつのサービス要素が満載の回。本来ならば全てが終わった後に持ってくるような内容を最初に持ってくることで、本作が目指すべき方向性や志向が見えてくる作りになっていたように感じる。

理想のヒロインとゲームが存在しないのなら自らの手で作り出してしまえばいいじゃない、とサブカル方面の才能に優れた人材を集めていく過程が次回以降の話になるのかな。そしてその交流を通じて生じる恋愛的なあれこれを楽しめればいいのかなと思ったりしている。

今回を見てある程度分かった気がするけど、攻めるのは専らヒロイン側である英梨々、詩羽、美智留たちであって主人公である倫也はそっち方面にはあまり執着していない。全く意識してないわけでもなさそうだけど、倫也にとって最も重視すべきはゲーム制作とメインヒロイン育成にあって恋愛的なあれこれは二の次という様子は見て取れた。今後の展開次第でいくらでも印象は変わるだろうけど、あくまで現時点で受けた倫也の主人公像の話です。

ラブコメ作品らしく英梨々、詩羽、美智留の三人は華があって個性的。見た目も行動も派手で何をしても画になるけど、そんな彼女たちが「メインヒロイン」にはなれない、ならないというのが今作の肝なのかなと。

唯一喧騒に加わることなく常に一歩引いた立ち位置から倫也たちを見ていた恵が、逆に一番存在感を放っていたようにすら感じたのです。見た目地味、没個性、派手さや華はなく容姿も英梨々たちと比較すると一歩見劣りする、という設定。ビジュアル面でも行動でも他のヒロイン勢とは一線を画するキャラとして意識的に描いているのは印象的でした。

パッと見は確かにモブキャラっぽさがある。それでも充分に美少女のカテゴリに入るレベルだと自分は思っちゃうけど、それは言ってはいかんことだろう。半年経って髪が伸びたというやり取りもあったので、出会った当初は更に没個性になると思うと楽しみも増す。

個性的過ぎる面子が集まるからこそ普通であることが光ることもある。自分なんかは正にそこに惹かれて今回ずっと恵の動きを目で追っていたりした。倫也が如何にして彼女を見出しここまでの関係を築くに至ったのか。次回以降を楽しみに待つことにしましょう。

詩羽さんは駄目出ししていたけど自分はコッテコテのお色気要素は嫌いじゃない。
むしろ好物だ！肌色成分が多目って素敵なことじゃないですかー。






冒頭のお風呂シーンにしても、部屋の前で解散するシーンにしても、夜這いを仕掛けるシーンにしても、英梨々・詩羽・美智留と恵で行動が二極化しているのが面白かった。

お風呂で主に肌を晒したのは前者三人だったし、倫也の部屋に乗り込んだ時も仕掛けていたのもこの三人。恵は常にマイペースで一歩引いたところから彼女たちを見ていて作品が意図しているだろう役割分担がこの辺りから垣間見える気がする。

かと思えば最後はちゃっかり倫也と二人で出歩いて良い感じのシーンを演出したりするから末恐ろしいというか抜かりないというか。自然と良い雰囲気へと収束し、他を出し抜き頭一歩リードしてしまう。これがメインヒロインがメインヒロインたる所以か！メインヒロインは報われないなんて言われたりする昨今。しかしやはりその属性力の高さ侮りがたし。


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