探偵歌劇 ミルキィホームズTD #04「一発屋シテミル」例え一時でも頂点に立てることは幸せなことなのだろうか。
一発屋になれるのも一握りの人だけなのです。




突如として迷い込んだ森の奥深くにある洋館で一発屋の待遇の良さを知ったミルキィホームズの面々が、一発屋を目指してかつて盛隆を極めた芸能関係者と趣向を凝らした対決を繰り広げる。と雑なあらすじを書くと何処を目指しているのか分からなくなりそうだけど、現状の茉莉音の境遇と合わせて意外と深いテーマについて触れていた回であったようにも思う。カオス要素も強かったけど。
洋館の主であるサキコが語ったように一発屋は一発屋だから価値があるのであって、復帰を果たしてしまえば希少価値はなくなってしまう。サキコが復帰を目指す茉莉音を引き留めようとしたのも、他でもない一発屋の道を辿り復帰することの難しさを知る彼女の優しさから来た行動なのではないかとすら映った。もちろん元々彼女が持っていた情念がシャウトの影響で更に歪んでしまったことも大きいでしょうけど。
シャロ達は一発屋を目指して動いていたけど実際に一発屋はなろうとしてなれるものでもない。時の運もあるだろうしいくつもの要素が積み重なって生じる「奇跡」のようなもの。その意味では多数のエレメントが折り重なることで生み出される「奇跡の歌」を持つ茉莉音と重なる部分でもある。そして現実には一発屋にすらなれず消えていく者の方が遥かに多いのだ。故に希少な価値がある。
一時人気が沸騰し落ちた者が再度最盛期の輝きを取り戻すってことは、残念ながら殆ど例がない。一見無駄にしか思えないミルキィホームズの対決を通したスタンプラリーも、茉莉音に現実を突きつける効果を果たしていたように思えるのです。対戦相手もかつては盛隆を極めた一発屋。しかしあれだけの人数が今なおあの場で燻っている。それだけ一度落ちた者の復帰は難しい。
だから茉莉音の「歌いたい!」という叫びから、彼女の本気の覚悟が伝わってくる。例え誰に否定されても現実的に難しいことでも自分が思ったままに行動し突き進む。それが道を切り拓く。奇しくもそれはミルキィホームズの面々が彼女の目の前で体現して見せていることでもあり、ミルキィホームズの対戦もやった意義があったのではないかなとね。
エレメントが強い思いや情念を持った人物に引かれることで、自然と奇人変人と接点を持つことになる作りになっている。またエレメントがそれを捻じ曲げ歪ませるが故に、どんなカオスな展開にしても結果的にエレメントの回収に繋がる。上手い設定を考えたものだと改めて感心。
今回はパロネタとして実際にかつて人気爆発したネタや、現在人気があるけどいずれは…というネタも散りばめられていてそれも面白い。分かるネタ分からないネタもあったけど、ネタは知っていても肝心のやっていた人の名前が出てこない等々。一発屋は一発屋なんだなぁと思わされた次第。
ミルキィホームズはシリーズ4作目であるからして、
決して一発屋ではない!ということをここに改めて記しておきたいと思う。



まさかの「ゲームセンターあらし」と「アーケードゲーマーふぶき」の合わせ技。いや、ここはゲームセンターあらし単独で見た方が良いのか。いずれにしろネロのトイズによる不正で絶体絶命のピンチに陥り、あの劣勢から盛り返すとしたら「一撃でクリアー」以外にはないもんね。
炎のコマプラス月面宙返り!アーケード筐体に逆立ちでボタン連打のインパクトは時が経っても色褪せない。画的にインパクトあり過ぎるものね。ミルキィホームズを見てるであろう主要年齢層ならギリギリで伝わ…らないネタだろうか?両作品とも面白いので機会があれば是非一度ご覧に。
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