アイドルマスター シンデレラガールズ #08「I want you to know my hidden heart.」途中で理解することを放棄せずとことん向き合う。
蘭子とPさんは意外と似た者同士なのかもしれない。




担当アイドルの意思疎通の齟齬から決定的な亀裂が入った前回までの経験を活かし、同じ轍は踏むまいと奮闘するPさんの活躍が光った回。アイドル作品という点で見るとデビュー第二弾として売り出されることが決まった蘭子がメインなんだけど、作品全体の都合で見るとメンバーの中で最も言葉を額面通りに受け取ってはいけない彼女の性質があっての抜擢だったように思える。
独特の言い回しを好んで使い、見た目から受けるイメージがどうしても先行しがちな蘭子の本心を汲み取るためには、彼女としっかり向き合い最後まで本心を理解しようとする姿勢が要求されることになる。今回はプロデューサーの言動の至る所から変わろうとする姿勢が見受けられて、蘭子と接していく中で必然的にこれまでとの違いが浮かび上がり捉えやすくなっていたようにも感じた。
事務所へ私物を持ち込む各アイドル、丁寧語を改めようとするプロデューサーの姿もその一環であったと思うのですよ。何気ない些細なことかもしれないけど、その一つ一つがそれぞれの相互理解を深めることに繋がっている。それはプロデューサーとアイドルの関係のみならず、アイドル同士の関係においても言えることでね。まだまだ知らないことは沢山あって、それを知ろうとする姿勢が大事だというのは前回までに語られた通り。
Pさんが蘭子に抱いているイメージと彼女が望んでいるイメージが一致していないと気付き、何とか真意を探ろうと諦めずに接触を試みるPさんが素敵。行き詰まりかけた所で凛が助言を送り一つのキッカケになったのも、これまでの話の経緯をしっかり踏襲しているなと感じられる点で良かった。
寡黙で口下手なPと派手な言動で目立ち存在感を放つ蘭子。一見すると真逆な二人だけど、本心が他者に上手く伝わらないという点では共通していて、本質的な部分では似た者同士なのかなと思った次第。Pを僕ではなく友と呼んだことは蘭子が信頼を置ける相手と認めた証。
通じ合い認めた相手が自分の真意を汲み取りレスポンスを返してくれる。理解者が現れ、その相手が自分の思い描いた世界をプロデュースし、現実のものとして実現してくれる至上の喜び。蘭子が見せてくれた素の表情が全てを物語っていたように映りました。そのままEDへ突入する流れは最高でしたぜ。
しかしあれだけ蘭子の真意を知るためにプロデューサーが奔走して苦労したのに、蘭子の言葉の真意を正しく受け取るみりあオチがまた良かった。早く言ってくれたら苦労はなかったかもしれないが、それではPと蘭子が通じ合うこともなかったかもしれない。
結果良ければ全て良しではないが、デビューまでの苦労を共に乗り越えた経験は、Pさんと蘭子の信頼関係に留まらず、シンデレラプロジェクトに参加するアイドル全員の信頼を得ることにも繋がっただろう。アイドルと共に成長していくPさん。シンデレラストーリーの真の主役は、やはり彼なのかもしれない。


色々あった回だったけど、今回一番面白かったのは自然と丁寧口調になって何度も言い直そうと奮闘していた武内Pだった。言い直してもぎこちなさが出てしまうのが何とも言えない。慣れれば自然と定着するかもしれないが、こればかりは今まで通りで良いのかも。しかしタメ口風のPさんは物凄く新鮮であった。違和感しかなかったもの(笑)
でも口下手でも蘭子のことを知ろうと彼女の言葉を逐一メモに取って自分なりの解釈をしようと苦闘している姿もある。少しでも蘭子を理解して上げたいというPさんの気持ちは手帳に記載されていた内容からも窺い知れる。決して目立つような形ではないかもしれないが、こういうところからも歩み寄ろうとする姿勢が感じられて嬉しくなる。


ニュージェネやラブライカのデビュー回でもサラッとCM入れていたけど、今回の蘭子デビューシングルの宣伝はあの時よりも自然に受け入れらた。何といっても今回は最後の流れが良かったので。両ユニットのデビューの時はそれどころじゃなかったものね。CM部分も作品の一部になるような使い方は非常に良いと思うのですよ。本来宣伝ってそういうものだ思うし。
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