冴えない彼女の育てかた #12「波乱と日常の激動エンド」好きなものに入れ込みリスペクトする。
どんなジャンルであってもそれは変わらない。




自分が好きだと感じていたものが、実は嫌いなジャンルに属するものだと知った時、どういった反応を示すのか。正直それに対する反応は千差万別で人それぞれだと思うのだけど、美智留は自分が好きになったものをジャンルで否定するようなキャラではなかった。
本当にそれが好きでリスペクトする気持ちがあるから人の心に響く何かを生み出すことが出来る。クリエイターにしても同じことでね。一口にクリエイターと括っても分野やジャンルは多岐に渡る。でも根底には自分が好きなもので誰かに何かを届けたいっていう共通の思いがあるのではないかと。その意味では英梨々と詩羽、美智留の間に差異はなく、オタかそうでないかということも然程の問題にはならないのかもしれない。
しかし美智留が本人の気づかぬ間に、というか他のバンドメンバーと出会った瞬間から洗脳もとい訓練され始めていたとは正直予想していなかった。まさか他のメンバーが揃いも揃って倫也たちの同類とは夢にも思わず。でも最近は一般のメジャーなアーティストでもアニメとタイアップする時代ですもんね。美智留が全く気が付かなかったのも致し方ない。それを見抜いた恵はお見事でありました。
作り手が思いを込めたものに受け取り手が反応を示す。そこにジャンルの隔てはなく差異もない。それを実体験から感じ取り、晴れて美智留が倫也達のサークルに参加する運びとなり一安心。感動のフィナーレかと思いきや実は完成したのが一ルートのみで、俺たちの戦いはこれからだ的なオチで締めるのが何とも今作らしかったと言いますか。本当に完成して冬コミで売り出すところまで見たかった思いもあるけど。
また最初の頃は余所余所しいところもあったヒロイン同士の関係に進展した様子が見受けられたのも良かった点の一つでしょうか。幼馴染属性を散々弄り倒し英梨々を苛める詩羽や、同じ志を持ち友人としての関係を望んだ英梨々に応える恵の姿とかね。ここに来てようやく第0話で感じられた雰囲気が形成されて嬉しくなった。この後で第0話を見直すと当時とはまた違った印象を受けるのかもしれませんね。


最初は倫也の夢物語から始まった理想の出会いを再現したゲーム制作。例え1ルートだけであっても完成まで漕ぎ着けただけでも立派なもの。ようやくサークルとして必要な人材が揃いこれからってところなだけに続きがどうなるか気になるのです。
作品タイトルにもある通りヒロインの育成を軸に進むのかなと最初の頃は思っていたし、序盤の頃はその要素も出ていたけど、どちらかというと倫也の、ひいてはオタクやクリエイターの在り方はどうあるべきかという点に次第にシフトしていったようにも感じました。むしろ育成されていたのは倫也の方だったんじゃないかと思うこともあるくらい。
しかし個別エピソードに入り、詩羽・英梨々・美智留と各ヒロインとの摩擦だったりすれ違いだったりを繰り返す中で、悩みや確執を解消し新しい領域へ導いたという点において、やっぱり倫也はヒロインを育てていたのかなとも思えるようになったのです。冴えないヒロインは何も恵に限ったことではないんじゃないのかなとね。
もちろんメインヒロインだった恵の存在は、自分の中では相当に大きかったのは揺るがぬ事実。珍しく途中で心変わりすることもなく、最初から最後まで恵推しなのは変わらなかった。個別エピソードの長さで見たら恵が一番少ないかもしれない。でもステルス能力が高い割に要所要所の存在感は抜群で、終わってみればやっぱりメインヒロインだったなぁと。
人間関係も構築されてサークルの行方も倫也を巡るあれこれも両方とも先行きは気になる。それだけに出来れば続きもアニメで見たいなという願望は普通に出てきてしまう。それが叶うことを祈りながら本編の感想を終わりにしたいと思いまする。製作スタッフの皆様、出演者の皆様、お疲れ様でした!色々と本音丸出しのWEB予告と合わせて楽しい作品でありました。
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