アイドルマスター シンデレラガールズ #15「When the spell is broken...」苦しい状況下だからこそ自分らしさを見失わずに己のスタイルを貫く。
まずは今の自分に出来ることを一つずつ確実に。




何の前触れもなく美城常務によって一方的に通達されたプロジェクト解散・白紙宣言によって揺れに揺れた美城プロ。シンデレラプロジェクトのみならず、現在進行中のプロジェクト全てが対象であるが故に、現場レベルに与えた影響も大きく、アイドルだけでなくプロデューサーや他の経営に携わる者をも巻き込んで、戸惑いと不安が伝播していく様が堪らない。
経営者として効率、成果主義で主導する常務の気持ちも分からんでもないのですが、ただでさえ急進的な改革は反発を生み、それに加えてあまりにも現場の「気持ち」を無視したやり口が、その動きを加速させている。
しかし人間的な感情を徹底的に排除し、常務を如何にもな悪者的存在として仕立てることで、人の気持ちを重視する楓やプロデューサーとの対立構造が分かりやすくなり、ひいては本作に登場するアイドルが何を重視し、どこを目指してステージに立つのか。その作品として描きたいテーマにも繋がり、それをより明確に浮かび上がらせる構造を作ろうとしているのかなと感じる。
あなたとは目指す場所が違うと、自分の在るべきスタンスを見失わず、また自らの知名度や業績に驕ることなく、初心を大切に人との繋がりを大事にする楓と、ニュージェネの三人との絡みが良かった。スターである彼女もやっていることは自分達と何ら変わらず、またデビューライブで手痛い失敗をした三人にとって、あの場での楓の姿を生で体感するというのは非常に大きな得難い経験でもあったと思う。
どんな状況であろうと今の自分に出来ることをやる。そこに大小は存在しない。CDデビューの話が頓挫し、落ち込む加蓮や奈緒達と話していた時に、卯月が言った「頑張ります!」というお馴染みのスタンスも、楓がやろうとしていたことと何ら変わらないのだ。例え状況が思わしくなくても、出来ることを全力で。立場は違ってもやるべきことは変わらない。この両者のスタンスの繋げ方が上手い。
卯月に触発されて方向性を掴んで動こうとした凛と未央は、あの時点で既に今の自分たちがやるべきこと。その答えを見出していたのだと思います。当の卯月のみアイディア出しで苦労している姿が見受けられ、今後少なからず試練がありそうな気配が示唆されていたのは気になると言えば気になる。
しかし楓のライブは卯月たちの進むべき方向性、その在り方。その思いが間違ってはいないとうことを確信に至らせるためのものとして作用していたのかなと。そして言葉ではなく自らの行動で後輩たちにそれを伝える楓さんが本当に格好良かったという話でした。
卯月達だけではなく、他のシンデレラプロジェクトに参加するメンバー達が至った結論も同じもの。今の自分達にはそれしかないし、何より彼女達はこれまでだってそうして目の前のことに全力で取り組み、ここまで階段を一歩ずつ登って進んできた来た。突然そのスタイルを変えることは出来ないし、またその必要もないのだ。常務とは「目指すべき場所」が違うのだから。
戸惑いや不安が連鎖的に伝播していくように、その逆もまた然り。アイドル達が一つずつ目の前のことに全力で取り組んでいく姿勢は、次第に周囲の人間を巻き込み大きなうねりとなっていくだろう。まずはプロデューサーが用意した代替案が通るのか否か。どん底まで落ちた今の状況故にあとは上がっていくのみ!目指すべき場所を見失わずに真っ直ぐに!強く在るアイドル達の頑張りに期待です!



今回はアイドル達の頑張りだけでなくプロデューサーの頑張りも光っていたかなと思う。特に担当アイドルの心情に配慮し、常に担当しているアイドルと真っ向から向き合おうとするプロデューサーの姿は、前半クールから変わったところでもあり、共に様々な苦労を乗り越えてきたからこそ出来ることだと思う。
プロジェクト毎に方針があり、アイドルの成長も個性も人それぞれ。画一的なやり方では全てのアイドルが伸びることなど到底叶わない。少数精鋭で他の多数を切り捨てるとも取れる美城常務のやり口に、プロデューサーが果敢に反発するのも、彼がシンデレラプロジェクトを担当する前にやってしまった失敗、そしてその後の経緯があるから故のこと。
個々に個性を伸ばし歩んできたアイドルを間近で見守り続けてきた立場に居るから出来る発言。プロデューサーが積み重ね来た様々なものが、一つ反発という形で出た部分でもあるのかなと。前にも言ったかもしれないけど、やっぱり本作はプロデューサーの物語の側面も強く併せ持っているなと感じるのです。
不安を隠せず口に出すアイドル達に対する対応の仕方、アイドル側から提出された企画書に対する向き合い方。どれも前半クールの時とは違っていて、頼もしさを感じると共に彼が現場のアイドル達の「気持ち」に全力で向き合おうとしているのが伝わってきて良かった。

OPのしまむーの素敵な表情と仕草だけで、割と満足というか満たされた感じがする自分。
これだけで頑張れる!最高のしまむーをありがとうございます!
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