日刊アニログ

ご注文はうさぎですか？？ #04「ココア先輩の優雅なお茶会チュートリアル」

無理に背伸びをして大人ぶる必要なんかない。
この一年の中での出会いと培った経験から身に付いたものがきっとある。

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身近な年上の人に対して抱く憧れは、成長過程にある少年少女たちの人格形成に多大な影響を及ぼすもの。思春期ともなれば理想の人のように振る舞ってみたくもなるし、周囲の人にもそのように扱って貰いたい願望に駆られるのも然り。自分の中で確固としたものを形成している途中。子供と大人の間で揺れ動く多感な時期だから些細なキッカケひとつで大きく変わることもある。

物語開始から作中時間で丁度一年が経過した節目の時期。一つの区切りはある時点の自分と今の自分の違いを端的に比較しやすいが故に、どうしても意識してしまいがちだし、進学等の環境の変化に合わせて周囲の人が変わっていく様を見たら今の自分はどうなのかと見つめ直したくなるのも必定。良くも悪くも人は周りの人間から影響を受けて変化する。

前半のチマメ隊にしても後半のココアにしても最も身近な「姉」へ近づこうと背伸びしていた点で共通していたと思うけど、無理をせず普通であること、いつも通りに振る舞うことの大切さに気付き、両方の回答が共通したのも背伸びをした理由の根本的な部分が、同じところに起因したものだからなのかなと。結果的にいつも通りに振る舞っていたリゼが最も株を上げたことがその表れで。

またココアが普段から姉であることに強いこだわりを見せるのは、自分の姉へ向ける憧れとはまた別に、四人兄妹の末っ子であることが大きく影響している（兄2人の話が1期で出てたか記憶があやふや）ことが改めて示されたが、それによって普段は「姉」として振る舞うココアが、本来は「妹」であるということを改めて意識させられる。

モカの来訪に備えたココアの行動がチグハグになってしまうのも理想の姿と現実の姿の差異があるからこそ。ただ理想を追い求めるということは、逆に今の自分に自信が持てないことの表れでもある。それは今回のチマメ隊や普段のシャロにも共通している部分。そして自分の良いところ、成長した部分は自分自身で認識することがなかなかに難しい。

だからそこを理解し観測し、肯定してくれる人達が傍に居てくれることは幸せだなと。常に傍で見ているから気付けることもあれば、たまに見るから気付けることもある。ココアの変化に気づいたのはいつも一緒に居るチノやリゼではなく、千夜とシャロであった。久方ぶりに再会する姉のモカも同様に、自然体で変わったココアの良いところを見逃さないだろう。

逆に最後のシャロに対しての千夜の台詞は常に傍に居て見ていたから言えるエールで。お金がないことに引け目を感じることはないし、自然体のシャロのままでも充分魅力的。皆も受け入れてくれるんだから自信持とうよと。そんな意味合いに感じられた千夜の優しさとシャロへの愛に溢れるメッセージが堪らないす。自分を見て理解してくれる人がいることは、こんなにも幸せだ。

マスターやティッピーは「娘達」の成長を常に見守ってくれているし、青山さんだって身近な妹分であるココア達を見守り時に導いてくれる。中学生組を見守る高校生組も然り。実に多くの人が普段の姿を見て、良いところを理解してくれている。だから無理に変わる必要なんかなく、普段通りで良いんだと。年長者からみた年下、姉から見た妹。そんな繋がりが感じられる良いエピソードだったかなと。





姉の来訪に備えようとココアさんが取った行動は斜め上を行っていたけど、ココアが暴走している姿は嫌いじゃないというかむしろ好き。以前妄想の中で出てきた街の国際バリスタ弁護士みたいなね。こういうキリッとした姿が焼き付いて離れないのは普段の姿との差があるからなのか。これも一種のギャップ萌えか！


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