日刊アニログ

ご注文はうさぎですか？？ #05「ひと口で普通のもちもちだと見抜いたよ」

モカは色々な面でココアのお姉さんなのだなぁと思い知らされてしまう。
実の姉妹だけに本質的な部分は似通ってしまうものなのかもしれない。

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ココアの姉モカのラビットハウスご訪問回。兼ねてより回想やココアの話の中でのみ登場し、ココアが憚ることなく憧れを口にする理想のお姉さん像なだけあって、チノやリゼのみならず視聴者からしても実際のお姉ちゃんがどんなキャラなのかは気がかりなところだけど、ココアをベースに更に一回りパワーアップさせたようなキャラクター像に不思議と安心してしまう。

モカがラビットハウスに到着する前の入れ違いの段階で、ココアと共通する要素を惜しむことなく次々に投入し、モカがまごうことなきココアの姉という印象を強めることで、来店時のモカのとんでもない変装や白い粉騒動も自然と作中の空気に混じり込み、モカがラビットハウスの一員の中にあっという間に溶け込んでしまえる一助にもなっていたと思う。

ココアより一回りスケールの大きい類似性を持つことを意識させることで、本物のお姉ちゃんとしての本領を如何なく発揮し、チノやリゼを次々と籠絡し、ラビットハウス内の「姉」の立場をアッサリ奪い取り、ココアに取って代わってしまうその後の展開にも上手く繋げていた。姉妹の類似性を押し出すことでモカをラビットハウス内にすんあり浸透させてしまう流れはお見事。

類似性が押し出されることで、自然とココアとモカを比較して見ることにも繋がり、姉としてモカに張り合うけど本物の姉には及ばないココアの姿が引き立つ。そして「姉」としては完敗だったココアなだけに、モカにも出来ないラテアートで唯一ココアの勝る点をアピールし、それを成長の証として憧れの姉だけでなくチノが認めてくれたことの意義がより際立つ。

憧れの存在だからこそモカに似てしまったとも言える妹のココアだけが持つラビットハウスならではの技能。ラテアートにモカが見てないココアの一年が凝縮されていたように思います。その後にしっかりオチが付いてしまうのもココアらしい。似た者同士の姉妹のやり取りが実に微笑ましく、普段とは違うココアの反応を見ることが出来た良い回でした。






本当の姉が訪ねてきた際に普段お姉さんぶるココアの反応が、どういう風に変化するかも気になってましたが、それと同じくらい普段は自分だけを見てくれるココアの視線が自分からモカに向いてしまうことで、チノの反応にどういう変化が表れるかなーと。

モカとの対面時に彼女に姉ではなく母親のような安らぎを感じてしまったのは、チノの中で「姉」はココアという思いがあればこそなのかなと思ったり。ココアと似た面こそあれどココアにはない余裕のある立ち居振る舞い。「姉」のココアとは似て非なる近しい雰囲気。だから母親なのかなと。ここもココアとモカの類似性が作用していた部分かなと思えた。

そして極めつけは最後のシーン。久方ぶりに再会した実の姉妹を気遣って一度は退室しようとしたのに思いとどまり、ココアの隣に潜り込んだチノの心情は定かじゃない。でも僅かでもお姉ちゃんを取られたくない思いが働いたのかなと考えるとニマニマしてしまう。普段ならココアがやりそうなことをチノがやってるところに、ココアとチノ側の姉妹の類似性を感じられる。

この一年で影響を受け感化されたのはチノも同じなのだ。故にこの横並びの三人は二組の姉妹でもあるけれどココアが中心に来ることで一組の三姉妹になる。そしてチノが入ることで「妹」であるのと同時に「姉」にもなったココア。普段から願ってやまない状況に置かれたことに気づけないのもまた一興。それでもきっと良い夢を見ているはずだと思わせてくれる幸せ一杯夢いっぱいの空間。ご馳走様でした！


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